[翻訳] 57種類のパイライト: 取引所は今やビットコインの敵である

[翻訳] 57種類のパイライト: 取引所は今やビットコインの敵である

(原題; 57 Varieties of Pyrite: Exchanges Are Now The Enemy of Bitcoin, ラスティ・ラッセル, 2020/5/27)

訳注: パイライトは黄鉄鉱ともいい、鉄と硫黄からなる。様々な鉱山で産出されるありふれた鉱物で、その淡黄色の色調により金と間違えられることが多いことから「愚者の黄金」とも呼ばれる。( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88 )

要約: 取引所はカジノであり、ビットコイン初心者のための入り口にはなっていない。使ってはならない。

「仮想通貨」業界には古典的な詐欺がある。ビットコインを宣伝のために使い、全く別のものを売りつけるという手法である。ここ数年でこの詐欺的手法が「ビットコイン」取引所の主要な競争力になっている。

最近私は btcmarkets.net というオーストラリアの取引所のホームページを訪れた。ひどいありさまだ。ビットコインと似たような見た目の「仮想通貨」が「XRP」と呼ばれる何かの後ろにずらりと並んでいる。これは取引高の順番に並んでいるということだろうか?

取引所はカジノになるように動機づけされていて、規制のないカジノ産業が行うだろうことをそっくりそのまま行っているようだ。こんなところに誰かを招待したいと思う人はいないだろう。

取引所のインセンティブ

 

取引所は顧客が商品を買ってそのまま持ち続けることではなく、トレードによって収益を上げる。ビットコインだけが真にオープンソースなお金を作ろうという試みであるにも関わらず、コインが多いほど取引が行われるという理由により将来性の無い詐欺が全く同列に扱われている。さらにひどいことに、取引所は新しい詐欺をこのリストに加えるために直接金を受け取っている(ひどいものであればあるほどより多くの金を支払わせている!)。さらに最近では当然の帰結として取引所自身が作ったゴミコインを直接導入し宣伝している。

これではまるで、地金の取引業者が57種類のパイライトも売っていて、その収益が地金を売るよりもはるかに上回っているようなものだ。

長い間、私は取引所が単純に無能なのだと考えていた。ほとんどの取引所では入金のための新しいアドレスを発行することも、出金トランザクションをバッチ化することも、まともな手数料を払うことも、RBFやセグウィットを使うこともできない。


しかし私は誤解していたようだ。彼らはそもそもビットコインを売りたいとは考えていないのだ。取引所はビットコインを使って顧客をドアの前まで連れてきたあと、そこでギャンブルをしてほしいのだ。これは問題である。取引所で単純にビットコインを買う障害になる。もし取引所に友人を紹介してはじめてのビットコインを買うように言ったら、友人はおそらくビットコイン以外の何かを手にして戻ってくるだろう。これは偶然ではない。

中を調べると、実際にはもっと酷い

 

残念なことに、特定の取引所の中をもっとよく覗いてみると、さらに酷いことになっている。

バイナンスについて考えてみる。この香港の取引所の振りをしている中国本土の取引所は、偽造された取引高とともにどこからともなく現れて、尊敬されるメンバーの如く扱われているかのように振る舞うことで、この産業が如何に騙されやすいかということを証明してしまった。知られているだけでもバイナンスは40000BTCをハッキングによって失っており、さらにKYC目的でユーザーが送信した個人情報も漏洩している。バイナンスは自社のコインを大々的に宣伝している。しかし、彼らは実際のところマークカルプレスのPHPスキルや良心の呵責といったものを持っていないマウントゴックスに過ぎず、ただマーケティングが上手なだけなのだ。

コインベースはさらに興味深い。このMBA取得者の運営する「ビットコイン」企業はビットコインのことが実に嫌いなようだ。彼らはアメリカのほとんどの州で運営できるための規制対応に巨額を費やすことで今の地位を築き上げた(彼らはこの規制がユーザーを守るものだという広く信じられた考えを払拭するということはしたくないようだ。実際の所、米ドルの入金だけがなんらかの保証をされているのだが)。彼らのインセンティブはさらに規制を強化して自身の立場を守ることにあり、そのためにはビットコインが最大の邪魔なのだ。

コインベースはイーサリアムのような、彼らが影響力を行使して支配できる中央集権的なコインとより親和性がある。真にオープンソースなコミュニティ(開発者がプライバシーを改善させようと努力しているのは言うまでもない)のアナーキーな性質と、「ビジネス界の大物」が運営するトップダウンの会社とは文化的に反りが合わないのだ。「コインベースのCEOが「ビットコイン」という単語を言えない」というのはいつ聞いても笑ってしまうようなジョークだが、コインベースが最近出した「2020年に仮想通貨で何がおこるか」という記事の大胆さには呆れる。記事曰く、イノベーションはアルトコインで起きており、それらは今やいつビットコインを抜いてもおかしくないというのだ。ビットコインの開発者に聞いてもどうやって解決したらいいのか分からないと言われるようなスケーリング問題について、彼らはどう考えているのだろうか。この技術を全く分かっていないCEOがひょっとして解決策を知っているとでもいうのだろうか。

つまるところ、誰にも取引所を勧めてはならない。特に「業界大手」なんてのはダメだ。CashApp や Swan Bitcoinといったビットコインを本当に売りたいと考えているサービスを見つけるべきなのだ。

https://rusty.ozlabs.org/?p=607 より翻訳

 

過去記事リスト

暗号通貨ユーザーのためのネットワーク・セキュリティ(1)
https://spotlight.soy/detail?article_id=bj8t69tml

暗号通貨ユーザーのためのネットワーク・セキュリティ(2)
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暗号通貨のプレマインについてもう一度考えてみる (1)
https://spotlight.soy/detail?article_id=f18pngmal

暗号通貨のプレマインについてもう一度考えてみる (2)
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サイドチェーン完全に理解した(1)
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ビットコインのサイドチェーンがもたらすメリットとアルトコインへの負の影響 | サイドチェーン完全に理解した(3)
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サイドチェーンの問題点を考える | サイドチェーン完全に理解した(4)

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サイドチェーンはこうやって使う | サイドチェーン完全に理解した(5)
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https://spotlight.soy/detail?article_id=dkg9id7z1

[翻訳] 57種類のパイライト: 取引所は今やビットコインの敵である

https://spotlight.soy/detail?article_id=tt7ger55z

写真: https://en.wikipedia.org/wiki/File:Pyrite_foolsgold.jpg

 The original uploader was Fir0002 at English Wikipedia.

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