Ethereumをもう一度ちゃんと批判する

Ethereumをもう一度ちゃんと批判する

中央集権的な構造

 

Ethereumの批判としてよくまとまっているインターネット上のコミュニティの投稿の翻訳を掲載する。

https://www.reddit.com/r/ethereumfraud/comments/6bgvqv/faq_what_exactly_is_the_fraud_in_ethereum/

よくある質問:Ethereumの詐欺とは何か?

まず第一にEthereumは最初のプレマインによる初期配分から今に至るまで、一度も非中央集権化されていたことがない。 PoWによる競争によるインセンティブではなく、無条件の信頼を要求する集団が自己利益を得るというインセンティブに従って動くことで「価値」が創造されているかのように見せかけている。 そしてこれは、非中央集権の思想と与信の最小化とは真逆のものである。この事実と異なる形で、非中央集権性を主張し、それによって利益を得ているのであればそれは詐欺そのものである。

以下に、中央集権的な思想と倫理観の欠如の例を挙げる。

  • Ethereum Foundation (EF)は現在の総供給量の70%程度に相当する量のコイン(7200万枚)を恣意的に自らに割り当てていた(ICO + ファウンダー報酬)。
  • Ethereumの共同創設者らによるSlock.it社はそれには飽き足らず、The DAOというおおよそ実現可能性の低いアプリケーションを作ることでさらに自らに仮想的なコインを割り当て、(おそらくは何も知らない投機家に売りつけることで)利益を得ようとしていた。
  • The DAOというアプリケーションには脆弱性があり、これを突いた攻撃によってEthereumの共同創設者らの利益となるはずだったコインが喪失する事態が発生した。しかし、The DAOはEthereum上の単なるアプリケーションに過ぎず、本来はEthereumの他のアプリケーションを使っているユーザなどには何の関係もない話のはずだった。
  • EFのメンバーは最初The DAOに関わっているかどうかという質問への回答を拒否していたが、その後実際にThe DAOへ投資していたことが明らかになった。
  • EFはこのアプリケーションにおけるコードの不備について、失われたコインを救済するハードフォークをすることを決め、コミュニティがコインを救済すべきか否かで分裂しているにも関わらず、一方的に救済すべきとして決めた方のコインを本家として扱うように取引所に通達した。
  • EFは「投票」と称する意思決定を、新しくハードフォークしたプログラムを発表する12時間前に発表した。しかしながら「投票」の前に既にプログラムには投票の議論の中心であるはずの救済措置が組み込まれており、「投票」をする余裕がないと何週間も言い続けたあとで突然12時間前に投票を呼びかけたのは、明らかな欺瞞である。さらに、実際の「投票」でもこの救済措置を支持すると表明したのは全有権者の4%に過ぎなかった。
  • ソフトウェアを自動でアップデートしている多くの採掘者やユーザは12時間前のこの「投票」について存在すら知らなかった可能性が高い。しかしそれでも、救済措置のハードフォークは「成功」としてEFから発表された。
  • 救済措置を実行しなかったチェーンはEFが潰そうとしたにも関わらず生き残った。しかし、その規模が無視できない規模になってもEFは何もサポートを表明することはなかった。
  • Ethereumのプロジェクトは資金・救済措置・開発者のいるチェーンか、そうでないチェーンを選ぶかの選択を迫られ、巨額のプレマインによる価格操作が可能なEF側に付かざるを得ない状況が発生した。
  • EFは救済措置のなかったチェーン(Ethereum Classic)で自らの持つノーコストで入手したプレマイン分を売りに出すことで価格を操作してハードフォークが正当であるかのように見せかけた
  • EFはDAOがハックされたのと同じ方法でEthereum Classicのチェーンを攻撃してコインを不正に入手し、売りに出すことで価格を押し下げた。
  • EFは「コードこそが法」というのを売り文句にして金を集めたにも関わらず、実際にはコードが全てではなく、必要とあらば市場を操作し、不都合なプログラムを書き換えた。

2016年以前から暗号通貨の情報を追っていた人にはEFの欺瞞が露呈した馴染み深い話だが、そうでない人はこの事件に対する対応がいかに不誠実だったかを調べるべきである。

そもそもEthereumに需要はあるのか

 

仮にEthereumの主張する機能が実際に市場から求められているとしても、それはビットコインのサイドチェーンで行えば良い。 Ethereumがコインを新規発行する技術的必然性が無いにも関わらずコインを新しく発行しているのは、機能を市場に提供することが目的ではなく、コインを新しく発行すること自体が目的だからである。 そもそもビットコインとEthereumの2つのチェーンは対等ではない。ビットコインはより分散化されており、ハッシュパワーが大きく、安定している。同等の機能を持つことができるならばEthereumのチェーンを選択する理由はまったくない。 そして、トークン発行など実需のある用途は既にビットコインとそのサイドチェーンですべて実現されている。

それにも関わらずEthereumのチェーンを宣伝している人が多いのは、ある文章を聞いたときにそれを疑わないという人間の本能を悪用することで金を奪えてしまうからである。 歴史上人類は互いに嘘を付き合う余裕などなく、互いを信頼してコミュニケーションをするというバイアスが存在している。明日は晴れそうですねと言われたら本能的にそれを協力的なコミュニケーションだとみなすのである。全くの前提条件がない状態であれば真か偽かのどちらかに公平に張るのが道理だが、実際にはこのバイアスによって、人を疑おうと心に決めているような人で無い限り言葉通り受け取ってしまう。Ethereumの存在しない機能について、存在すると言われればそう信じてしまうのは本能的なものである。

ノーコストでトークンが発行できるならば、あらかじめトークンを自分で発行しておいて「買い」を喧伝することで儲けることができるが、「売り」を喧伝して儲けるためには本来市場において価値があるものが価値が無いかのように見せかけなければならない。 しかし、価値があるものは普通市場においてすでに評価される理由が明らかになっており、実需があることによって操作もしづらい。 売りを勧めることから始まる投資行動がそもそも難しいことも相まって、「買い」から始まる詐欺の勧誘がはびこることになる。 そしてこの買いから始まる詐欺の勧誘に対して他者を信頼するコミュニケーションのバイアスが重なることで、人は騙されて金を投入してしまう。

このように、人間の本能のバイアスを悪用してノーコストで生成可能な(あるいは自分が既に所有している)トークンを売りつけるスキームが説明される。Ethereumのプレマインの恩恵を受けた人や、すでにEthereumを所有している人が他人に実需の存在しないトークンを売りつけようとするのはまさにこの典型例である。実需は存在しないにも関わらず、このように詐欺師にとって都合の良い性質が揃っているため、利益関係者が実需があるかのように喧伝しているのが実態である。

自由度の高いスマートコントラクト

 

Ethereumのスマートコントラクトには脆弱性が入り込みやすい。 スクリプトを使ってビットコインをプログラム可能にする試みはEthereum以前から存在していたし、Ethereumは何の革新的な 発明もしていない。ビットコインでのプログラムの自由度が低いのは安全性に配慮しているからに他ならない。 スマートコントラクトを検証不可能な脆弱性が入り込みやすい構造にすることには何のメリットもない。 実際Ethereumではバグが多発し、脆弱性を突いた攻撃も頻発し、その度に場当たり的なパッチを当てている。 チューリング完全を主張してはいるが、メモリに大幅な制約がある以上チューリング完全な言語は実現不可能で、そもそもチューリング完全な言語は必要とされていない。本当に自由度を高めたいのであれば、検証可能な形式に特化させるべきである。 このようなセキュリティ上のリスクを、無知な人々に「ビットコインよりできることが多い」と宣伝するのは詐欺以外の何物でもない。 このスマートコントラクトの検証不可能性に従って多くの実行不可能なトランザクションがチェーン上に永久に残り続ける。 また、本来はすべて再検証しなければならないが、そのコストはディスクのIOなどになって現れている。 実際にはこのような検証が一般の家庭用のPCで不可能である以上、Ethereumは全く安全ではない。 検証をしない以上、チェーンの途中でどのような不正な送金が行われていても指摘することが不可能である。 したがって、Ethereumは実需がない詐欺的なスキームであるのに加えて、優位性を主張している技術面においても全く無意味な代物である。

Ethereumに長所はあるのか

 

偶然にもEthereumの詐欺のおかげで価格が高騰したため、ベネズエラではGPUを使って無料の電気でマイニングをすることで実際に財産と生活を守ることに成功した人々がいる。Ethereumにプレマインや余計なスマートコントラクト仕様が付いていなければ、勘違いに付け込んだ詐欺がここまで拡大することはなく、したがってGPUでマイニング可能なコインがここまで一般的になることはなかったという可能性もある。

Ethereumの将来

 

かつてbitsharesという詐欺コインが存在した。DPoSによる発行や指示役の詐欺師の経歴なども似ている。トークン発行のプラットフォームとしてEthereumよりも前の2014年から存在し、実際いくつか実需のあるステーブルコインも発行された。 このコインの末路とEthereumの末路は似たようなものになるのではないだろうか。すなわち、本体は全く無価値になってセキュリティが低下する一方、その上で発行されたトークンなどはある程度動き続ける。しかし、ある時点でプラットフォーム自体の信頼が全くなくなり、トークンの価値も暴落するという未来を予想する。 bitsharesがバブルの波に乗ったようにEthereumの価格が再び大きく上がるということも考えられるが、本来機能の無いものを機能があるかのように喧伝して投機的に金を儲けるのは詐欺である。したがって、今後Ethereumのバブルで儲けることができるとしても、それは詐欺に加担しているのだと知っておく必要がある。

技術的な話ではあるが、Ethereumをビットコインのサイドチェーンとして機能させるように変えることも不可能ではない。すなわち、サイドチェーンのブロックを決定する際のコストとして一定量のEthereumをバーンさせるような仕組みにすれば、Ethereum自体の価値を利用しつつ本来意味のあるビットコインの総供給量に影響を与えずに貢献することも可能ではある。 しかし、Ethereumの開発者側の行動原理として、需要を満たすために何かを作るということは今まで一度も無かったのであり、今後も起こり得ないだろう。

過去記事リスト

暗号通貨ユーザーのためのネットワーク・セキュリティ(1)
https://spotlight.soy/detail?article_id=bj8t69tml

暗号通貨ユーザーのためのネットワーク・セキュリティ(2)
https://spotlight.soy/detail?article_id=xwada9rw4

暗号通貨のプレマインについてもう一度考えてみる (1)
https://spotlight.soy/detail?article_id=f18pngmal

暗号通貨のプレマインについてもう一度考えてみる (2)
https://spotlight.soy/detail?article_id=w19kfuoxb

サイドチェーン完全に理解した(1)
https://spotlight.soy/detail?article_id=fuhmf3v4a

サイドチェーン完全に理解した(2)
https://spotlight.soy/detail?article_id=09td38ogu

ビットコインのサイドチェーンがもたらすメリットとアルトコインへの負の影響 | サイドチェーン完全に理解した(3)
https://spotlight.soy/detail?article_id=xenqycujl

サイドチェーンの問題点を考える | サイドチェーン完全に理解した(4)

https://spotlight.soy/detail?article_id=1lkzboesj

サイドチェーンはこうやって使う | サイドチェーン完全に理解した(5)
https://spotlight.soy/detail?article_id=693eud9j7

ビットコインのサイドチェーンがもたらす不都合な未来 | サイドチェーン完全に理解した(6)
https://spotlight.soy/detail?article_id=cj4sgrxim

Ethereumをもう一度ちゃんと批判する
https://spotlight.soy/detail?article_id=evrs1yn3d

詐欺とは何であるか

https://spotlight.soy/detail?article_id=7rwt4fj9s

[翻訳] レジスタンスの公理

https://spotlight.soy/detail?article_id=8vknao9mr

画像: https://en.wikipedia.org/wiki/File:Clark_Stanley%27s_Snake_Oil_Liniment.png

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