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なぜCLNの送金は不安定なのか

LNDの経路探索(pathfinding)の肝はMission Controlである。これによりLNDの送金は比較的安定しており、個人的にも満足している。Mission Controlには主に2つの探索手法がある。 Apriori estimator:これは過去の送金データを元に成功確率の高い経路を探索する。未試行なホップの成功率を60%として、これをアプリオリな値としている Bimodal estimator:大半のチャネルは流量性が偏っているという前提で、成功率はチャネルサイズに比例(大きなチャネルほど成功率が高い)する 一方、CLNの送金は不安定であり、送金時間も比較的長いという感覚がある。なぜCLNの送金は不安定なのか。CLNはチャネルサイズを元に経路を探索する(LNDでいうBimodal estimator)。それに加えて、経路のランダム化や金額を小さく分割して送金するMPPなどを活用して、プライバシー重視な経路探索をする。 CLNがLNDと比べて送金が不安定な要因は、過去の送金データを保存していなことである。過去に送金が失敗した経路を区別することができないため、再度同じ経路で送金をしてしまったり、成功した経路も記録されていないため、同じ経路で送金しようとすらしない。 このため、CLNはLNDなどと比べて送金が不安定であったり、送金時間がかかったりする。しかし、現在、CLNはChannel Hintsを使った過去データからの経路探索の実装が進んでいるので、次期リリースが待ち遠しい。 https://github.com/ElementsProject/lightning/pull/7487

Yuya
Yuya

Web3はなぜ日本で普及しないか

 Web3にはまだキラーアプリがないから起業家が創ればいいとか、技術をもっと発展させてコストを安くすればいいとか、単に老人が技術についていけていないだけだからそのうち普及する、とかいうのが定番の答えだろう。  しかし私はそうではないと思う。単純にWeb3はあまりにEvilすぎる。それは構造的性質でありどんなキラーアプリが出てこようが現代の日本で普及することはない。そんな中でどれだけ投資機会に飢えているJTCが火中の栗を拾いに乗り込んできても、そのたびに大事故が起きて一部の人間だけが利確して逃げ切り、何も生み出さないだろう。  こういうと、Web3界隈は「そもそもWebは1.0の時代からEvilであったし、今でもEvilだし、資本主義そのものもEvilであるし、人間もEvilだけど、クリプトを使えばコードレベルでEvilさを軽減することができるんだ」というお決まりの議論を持ち出してくる。   しかし、どう考えてもそれは観測事実に反する。明らかに、Web3は既存のどの経済システムよりもEvilである。収奪的で、寡占的で、非民主的で、不便で、知識のない人間や不注意な人間は無限のリスクを負い、コミュニティへの貢献はアテンションを稼いで自己利益に変換するためにしか行われてない。 これはキラーアプリがないということを意味しない。むしろ本質的に非中央集権制が必要な、興味深いアプリは出てきている。そもそも最初のアプリであるBTCは国家にも実物にも依存しないStore of Valueという確かな価値を提供しているし、Polymarketの情報は原理的に党派に依存しえない勝率予測器としておおいに参照されている。  だがそれらの価値は、Evilさと表裏一体だ。BTCは犯罪組織の不正送金や蓄財に使われているが、これはまさに国家の管理から逃れる最大のメリットの一つだ。Polymarketは未登録かつ未規制のバイナリオプション業者として米国を追われながら、明らかに米国内から違法に接続された売買者から情報を得ている。だからこそ歪みも党派性もない賭けの結果として未来予測を織り込むことができるし、閲覧者はそう信じることができる。 もしこれらが、一部のプロジェクトのように、中央集権組織の規制を受け入れたり、それ等の管理下に入ると、本質的な価値はおおいに棄損される。それらは単に中央集権組織が、Web3の支配におびえてそれらを完全に飼いならそうという不毛な努力をしているに過ぎない。だが飼いならされたクリプトは単なる不便なゴミで、ポンジにしか使えない。Evilさこそがブロックチェーンの価値の本質なのだ。  日本でまだ技術もコンテンツも資本も潤沢にある数少ない組織のソニーがつい

さいちー
さいちー

ETHの価格が今後上がるにはどうすれば良いのかを考えてみる。 (ここで言う「上がる」とは、同じような環境で売買が行われているBTCの値動きをアウトパフォームすることを指す。長期的にこれをアウトパフォームする見込みがないのであればそもそも保有する意義はなく、他の養分よりも先に抜けた方が良い。) PoSを放棄する Posへの移行は様々な思惑があった上での決断だったと思われる。例えばスケーリングを行っていく上で必須だったとか、ビットコインと差別化するためとか、環境対策(笑)のためとか、PoWがエネルギーの無駄遣いだと思っていた運営者が「そんな面倒なことせんでもクリプトには価値がつくことを証明したるで!」的な気概を持っていたとか、まぁこんなところだろう。 PoS移行から2年経過した今、結果は出つつある。価格という面では完全に失敗している。 PoSを放棄したETHに価値がつくためには、十分な配当利回りがなければならない。2年前に放棄して以降、新規にコインを生産するコストが相対的にゼロになっており、単なるイージーマネーになっているためだ。また内部留保が存在しないため解散価値はなく、価格がつく根拠は本当に配当利回りにしかない。そしてその利回りも落ち続けており、今では3%を切っている。今後更にスケーリングが発達してガス使用量が下がることを考えると、利回りが上がる見込みもない。価格が下がるのも当然なのだ。 こんな話をすると、必ずと言っていいほど信者の方々から以下のようなお叱りの言葉を頂く。「ETHもSoVだ!V神も言ってた!」と。なるほど、彼も養分を引き止めるために必死なようだ。 ゴールドのようなSoVを持ち合わせるアセットとなるためには、生産するためにコストが掛かることは必須条件である。その上でハードマネー間で競争しなければならない。 生産コストが掛からないということは、すなわちコピーが容易であることを意味する。事実、イーサリアムのコピーは大量に作られ続けている。スマートコントラクト上でカジノに興じたいという限られた需要を奪われ続けている形だ。そのうちのいくつかはイーサリアムを脅かす存在にまで成長している。 ここでもまた一つ、お叱りが来そうだ。その内容は簡単に想像できるので読者自身で考えてみてほしい。これに回答しよう。そもそもスマートコントラクトをいくら分散化させたところで、その上にはチェーンの"外"にあるアセットを載せることしかできない。それは米国債だったり銀行口座残高だったり、不動産だったりする。これらは必ずチェーンの外に存在する。外に存在する以上、外の世界とチェーンとを橋渡しする主体が必要なのだ。これが単一障害点になる。USDTやUSDCの管理者が任意のアドレスにあるステーブルコインを凍結する権限を持っていることは皆さんも御存知だろう。橋渡しとはそういうことなのだ。既存のスマートコントラクトは全てチェーンの外にある価値を流通させることしかできない。つまり、単一障害点の存在なしには成り立たないのだ。これはUSDTやUSDCが一切流

田中
田中
バッジャー君

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