BTCの開発費は誰が出してきたのか?ビットコイン財団の始まりと終わりと、現在の開発費について

BTCの開発費は誰が出してきたのか?ビットコイン財団の始まりと終わりと、現在の開発費について

はじめまして!Token Labという有料クリプト情報サイトでリサーチャーをやってるDa-です。

アルゼンチンベネズエラBTCアドレスと記事を書いてきましたが、今回はビットコインの開発費についてです。

 

皆さんは不思議に思ったことはないでしょうか、ビットコインの開発についてはいろいろな話が出てきますが、誰が開発費を出しているのかはあまり話に出てきません。ここにはビットコイン財団が大きくかかわっていますが、そこにはスキャンダルの歴史がありました。

今回はBitmexリサーチの記事から、それをひもといていこうと思います。結論としてはビットコイン財団から開発費が提供されはじめましたが、財団の問題からそれが終わり、現在はBlockstreamと、Lightning Labsなどの会社が開発費を出しています。

 

1.ビットコイン財団の始まり

まずビットコインの開発費を最初に出し始めたのはビットコイン財団です。

ビットコイン財団は2012年7月に下記の目的で設立されました。

  1. ビットコインの普及
  2. ビットコインの保護(セキュリティ的な意味合い)
  3. ビットコインの宣伝

ただ実質は下記の目的だったと言われています。

  1. ビットコイン開発者のGavin Andresenの給料を支払い
  2. ビットコインカンファレンスの手配
  3. 規制当局へのビットコインの宣伝

これらの人が初期のメンバーです。ロジャーバー、マークカルプレス、サトシナカモトという名前を聞いたことがある人は多いんじゃないでしょうか。

  • ビットコイン開発者:Gavin Andresen
  • CoinLabのCEO:Peter Vessenes
  • BitInstantのCEO:チャールズシュレム
  • MemoryDe​​alersのCEO:Roger Ver
  • Engage Legalのプリンシパル:Patrick Murck
  • MtGox.comのCEO:Mark Karpeles
  • サトシナカモト

この財団は参加者の会費で運営されていました。下記が入会費ですが、今なら信じられないくらい高い価格ですね。ちなみに当時のレートは500円前後なので、Silverメンバーで25,000円程度とそんなに高い価格ではありません。

例えば2013年4月時点では、入会費だけで累計27,873 BTCの収入があると想定され、財団は多くの資金を持っていると思われていました。ただ実際には2012年末には8,000BTCしかありませんでした。時系列が違うので一概には言えませんが、とても少なくつじつまが合わないように見えます。

実際にはBTC開発者は25BTCを払わずとも無料で招待を受けたり、その他に企業への割引もあったでしょう。ただこれらの情報が表に出てこず、財団の透明性に問題があったようです。

 

2.ビットコイン財団の終わり

2-1.スキャンダル

ここからビットコイン財団のスキャンダルが始まります。

2014年の初めに幹部の一人が「マネーロンダリング」と「ライセンス無しの送金」の罪でニューヨークの空港で逮捕され、その2日後に辞任しました。彼は客が闇サイトのシルクロードでBTCを使おうとしているのを知っていたにもかかわらずサービスを提供したため、2年間の懲役を受けています。

また皆さんもご存知のマウントゴックス事件で、マークカルプレスが辞任しました。

その後、元子役俳優のブロックピアーズが理事会に任命されましたが、彼は子供への性的搾取にかかわっている可能性が指摘され、スキャンダルが重なっていきます。

この問題から2015年にはブロックチェーン上ですべてのプロセスが透明になるように選挙を行いました。しかしこの選挙も投票がスムーズに進まず、候補者選びが恣意的に見えるなど問題がありました。

この選挙から、「ブロックチェーンはビットコインの転送にのみ使うべき」という議論が出ています。今のガバナンストークン(簡単にいうと投票用のトークンです)が流行っている中で、なかなか興味深い出来事です。

 

2-2.不透明な資金管理

財団の資金にも問題があり、2014年に支出が急増してほぼ底をつきました。

2014年には人件費が81%も増加し、行ったカンファレンスは大きな損失を出しました。支出の中で出張費が10%以上、イベント費が10%程度など非常に高く、支出の割合もおかしくなっていました。

行ったカンファレンスもチケットが$800と高価なものでしたが、カンファレンスの収支は$250,000(約2800万円)の大きな損失を出しています。

 

これらの出来事があったにもかかわらず、ビットコイン財団は継続しています。

ただ現在の議長も副議長も任期を終えたにもかかわらず、選挙が行われる予定はありません。財団の資金もなく、財団は形だけになっている可能性があります。

 

3.では現在は誰が開発費を出しているのか?

この出来事があった後、2015年にMITメディアラボ傘下のDCI(MIT Digital Currency Initiative)が主に取引所から$0.9Mの資金を集め、開発者基金としました。この支援を受けた開発者のGitHubへのCommit数は14%を占めてます。


同じ時期に出てきたのがBlockStream社です。同社はGregory Maxwell、Pieter Wuile、Matt Coralloなどの開発者グループが、Bitcoin Coreを改善し、データサービスやサイドチェーンなどの補助的なビジネスを構築することを目的として設立しました。Blockstreamは$90Mを調達し、BIPやSegWitの研究から機密取引、暗号化ライブラリlibsecp256k1、Lightningなどに至るまで、ビットコインに多くの大きな貢献をしてきました。


また少し戻って2014年に、Alex MorcosとSuhas Daftuarがビットコインのサポートに専念する別の主要な非営利組織としてChaincode Labsを設立しました。ビットコインソフトウェアの開発、レビュー、テスト、およびメンテナンスに焦点を当てており、多くの開発者を研修プログラムで訓練してきました。


では現在に戻り、2019年3月時点のBitcoinへの組織別の開発者数を見てみましょう。詳細を知りたい人はBitMEXの記事を見てください。

上述のBlockstreamと、Lightning Labsが8人と最も多くのフルタイムでの開発者を雇用しています。

この合計で62人です。ざっくり1人当たり年間1000万円の人件費と考えると、6億2千万円の開発費になります。

これはビットコインの周辺環境開発で含んでいないものもありそうですが、イーサリアム財団が年間33億円の開発費を投入するのに比べると少ない開発費に見えます。(イーサリアムの方は周辺プロジェクトも対象にしているので、同じ比較ではないです)


次にGithubのコミット数の上位33人の所属を見ると、上述のChaincode Labsが最も多くなっています。(Independentは組織に所属していない開発者数です)

これらの組織からの支援は「寄付」に近く見えますが、どちらかというと「投資」に近いです。理由はBitcoinの開発に貢献する事で、保有者は長期的な価格にプラスの効果があります。

また一部の企業はビットコインをビジネスの核にしているため、ビットコインが健全な発展を続けることが、これら企業にとっても重要だからです。例えば取引所はBTCにバグがありユーザーが離れると、取引量が減って収益が減る事になってしまいます。

 

4.まとめ

というわけで、ビットコインの開発費は誰が出しているのか?というテーマでビットコイン財団の始まりと終わりを見直し、現在の状況を調べました。

ちなみにToken Labの記事では、これをビットコインキャッシュやイーサリアムやライトコインの開発費の調達と比較し、開発費の調達としてどんな形が望ましいのかを考察しています。

無料期間が1週間あるので、お気軽に見てみてくださいね。

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