ボジョレー・ヌーボーってどうなの?
みなさんこんにちは。11月も半ばに入ってきて、今日はどんなお酒の話題を書こうかな~と考えながら、ふとテレビのワイドショーを見ていると、「明日19日はボジョレー・ヌーボーの解禁日ですね」と言う話題が出てきました。
(あー!!そうだった!!)
恥ずかしながら、私とした事がすっかりその存在を忘れていました(笑)。と言う事で、今日はあと数分で解禁される「ボジョレー・ヌーボー」について書かないといけないですよね、さっそくいってみましょう!
みなさんもご存じとは思いますが、この「ボジョレー・ヌーボー」は毎年11月の第三木曜日に解禁されるフランスの新酒ワインの事です。そう言えば「ボージョレ・ヌーボー」って言ってるところもあったりしますが、これはフランスの地域の名前の事で「Beaujolais」の発音の表記が各社違うだけなので物は同じです(ちなみにテレビではボージョレと言っていましたが、私はボジョレーの方が馴染みがあります(笑))。そして、「ヌーボー」は新しいものを意味するので、文字通り「ボジョレー・ヌーボー」とは、「ボジョレー地区で造られた新酒」と言う事になるのです。
さて、他にもいろいろと歴史やら何やら書ける内容はあるのですが、今回は敢えてそこは省略して(ご興味ある方は是非ネットで調べて下さい(笑))、ボジョレー・ヌーボーの裏側について書きたいと思います。
ボジョレー・ヌーボーは、文字通り新酒なのでブドウを収穫してから仕込んで出荷するまでの期間が普通のワインと比べても非常に短い訳です。その為、もちろん丁寧には造りますが、じっくりと時間を掛けられません。そして、解禁日には日本の販売店に到着していなければならないので、輸送などの期間も逆算して、ブドウの出来に関係なく収穫する日を決める事もあります(物によってはですが)。
また、普通のワインは輸送費の安い船便で輸送するのですが、ボジョレー・ヌーボーに関しては、船便では解禁日に間に合いません(一概には言えませんが、船便だと1ヶ月以上は掛かってしまいます)。ですから、ボジョレー・ヌーボーは解禁日に間に合わせる為に輸送費の高い航空便を使うのです。しかも、この時期は他社も同じように航空便を使うので、普段よりも更に輸送費は割高になります。そして、当然その割高な輸送費はボジョレー・ヌーボーの販売価格にもれなく付加されます。
つまり、普通のワインよりも手間を掛けられずに造られたワインが、普通のワインよりも高い輸送費を掛けて日本に届く訳です。もちろん、造り手によっては非常に高品質なヌーボーを提供しているところもありますし、ヌーボーのフレッシュで軽やかな味わいが好きな方もいると思います。しかし、私個人としては積極的にボジョレー・ヌーボーは買いません(笑)。なぜなら、同じぐらいのお金を出せば自分好みのもっと良いワインが手に入るからです(笑)。
とは言っても、決してボジョレー・ヌーボーを否定している訳ではありません。そもそもボジョレー・ヌーボーは、その年のブドウの出来を確かめ、収穫をお祝いする意味合いのものなので、そういった趣旨を踏まえ、裏側の事情も理解したうえで楽しむのは大いにありだと思います。
いかがでしたか?昔と比べればボジョレー・ヌーボーの輸入量は年々減少していますし、メディアなどでも以前ほどは騒がれなくなった感じがします。しかし、それでもボジョレー・ヌーボーの全輸出量の約半分を今でも日本が輸入しています(笑)。つまり、普段ワインを飲まない日本人(1人当たりの年間ワイン消費量は約4本)が、ボジョレー・ヌーボーだけは沢山飲んでいる、と言う事になるのです。フランスの人からしたら、きっと不思議な光景に見える事でしょう。
さあ、もうすぐ解禁のボジョレー・ヌーボー、みなさんは飲まれますか?