“イーサリアムの総通貨供給量は?”の質問にアンドレアスさんが答えた!

“イーサリアムの総通貨供給量は?”の質問にアンドレアスさんが答えた!

“イーサリアムの総通貨供給量は?”

最初は誰もがこの質問は取るに足らない、すぐに答えが見つかる類の些細なものと考えていました。

だってブロックチェーンはその透明性こそが売りで、誰でもいつでも確認、検証が可能な分散台帳技術なのですから!

ところがどっこいこの問いには、ETH創始者ヴィタリック・ブテリンも含めイーサリアム開発者・ユーザーその誰もが、全員の見解が一致するオフィシャルな答えを提示することができず、海外のビットコインマキシマリストは、ここぞとばかりイーサリアムの“欠点”として一斉攻撃を開始しました。

どうやら界隈の揉め事に関しては、Katakotoさんがこの素晴らしい記事をALISで書いた2年前から状況は何も変わっていなかったようです。

https://alis.to/katakoto/articles/aoNLJ6E1xoBn

この記事の中にもあるように、クリプト界隈での揉め事に収拾がつかなくなってきた時にはいつもは、界隈のあらゆる揉め事やドラマから距離を置いているアンドレアス・M・アントノプロスさんが、デンデンデンデデデーンと現れて、ライトセーバーの一振りでその場を治めてくれていたのですが、今回もそうでした。

技術的にボクの理解が追いつかず、訳していて難しい面もありましたが自身の勉強にもなりましたのでここにまとめておきます。

※技術的な間違いなどありましたら優しく指摘してあげてください。精密機械のためコメント欄などでの強い言葉に時折、誤作動を起こすことがあります。

https://twitter.com/aantonop/status/1292877311570857990

この一連の“ETH供給量はいくらか”問題は、イーサリアムの仕組みを理解しているなら、あまり意味のないバカバカしいGotcha(※ハッカー用語でバグや不良ではないが仕様上不便な部分)である。

ピーター・シフやヌリエル・ルビーニがビットコインに向けてやっているバカげた“見ろよザマぁ”レベルとさほど変わらない。

我々ならもっとうまくやれる。詳しく見てみよう。

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まず最初に、ブロック・エクスプローラーはあらゆるブロックチェーンの非常に限定的な見方でしかない。これらはユーザーの利便性のために重要な詳細情報を抽象化し翻訳するユーザー・インターフェイスツールなのである。これらは、データ収集と分析の方法論の結果としてのそれぞれの視点を有するのだ。

2/

長年、人気の高いブロックチェーン・エクスプローラー上でのこうしたあらゆるエラーに注意を払っていれば、こうした事がビットコインでも同じように起こっているのに容易に気づくだろう。ビットコインの指標である“ハッシュ・レート”を例にとって見れば、どこを見るかによって十数もの異なる答えを得る事になる。 

3/

またイーサリアムはコイン・フラグメント(UTXO)システムではなく、アカウント残高ベースのシステムを使用しているという事実もある。つまり、現在流通しているETHを数えるのは、BitcoinのすべてのUTXOを見つけるのと同じくらい簡単ではないのだ。それでもそれは可能である。(それには)チェーンをスキャンするだけで良い。

4/

それからバーン・アドレスのニュアンスもある。ビットコインにはいくつかの想定されたバーン・アドレスはあるが、普遍的に認められているものは一つもない。しかしながらイーサリアムでは、0x0アドレス(コントラクト登録用に利用される)が、実質的なバーン・アドレスとなっている。そのETHをカウントしているだろうか?数える人もいれば、数えない人もいる。 

5/

ビットコインは10分毎に1ブロック。イーサリアムはその時間で~40ブロックを生成する。そのため正確にいつその質問をしたかによって、どのような答えが返ってくるかが決まる。10分間でも安定した答えにはならず、15~30秒程度の間隔で変化する。 

6/

それから“アンクル”もある。ビットコインでは、プルーフ・オブ・ワークは勝者が総取りするメカニズムである。より低い報酬のStaleブロック(孤立したブロック)もとりこむための、GHOSTプロトコルを利用するイーサリアムはそうではない。それらは“アンクル”や“オマー”と呼ばれている。

7/

これは理解しておくべき重要なポイントである:報酬として発行されたETH供給は、100%が、それぞれのコンファメーションで勝利したブロックに行くわけではない。イーサリアムでは、ブロック報酬の最大87%がアンクルに行き、そして一部はその先のネフュー(アンクルの子供ら)に分配される。一部はまたその親にも分配される。

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このメカニズムには2つの目的がある。

(1) 報酬を得られないStaleブロックを大量に散らかして作ることなく、はるかに高速なブロックタイム(ビットコインの40倍)を可能にする。イーサリアムはStaleブロックを廃棄するのではなく、それに報酬を与えるのだ。

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(2) 2位のマイナーには報酬ゼロといったペナルティを与えないので、ある種のオン・チェーン・マイニング・プールのような仕組みとして機能する。これによりハッシュ・レートの低いマイナーでも報酬を受け取る可能性を失う事なく、単独のマイナーとして競争する事ができるようになる。

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嘘を付いた。3つの目的がある。

(3) アンクルへの報酬は、勝者が総取りをする競争ではないので、空のブロックをマイニングするインセンティブを減少させる。

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アンクルは親ブロックから少し遅れて到着し、“最終的”な原理に基づき親ブロックから最大6ブロック後に取り込まれるのを理解しておく事が重要だ。これはつまり、いかなるブロック高での発行枚数も、数ブロック後で全てのアンクルがカウントされるまでは確定しないという事である。 

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コンセンサス・メカニズムは、全部のアンクルをカウント済である特定のブロック高を設定し、そしてそれを基準点として利用する限りにおいて、“正確な”ETHの発行枚数をカウントする事が可能である。 

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しかしちょうどビットコインのメモリプールと同じように、全てのノードが同時に全てのアンクルを確認するわけではない。それはつまり、リアルタイムのスナップショットを求めるなら、異なる答えを手にする事になる。それはコンセンサスがないからではなく、アンクルに関するコンセンサスが、先端から数ブロック後ろにあるためなのだ。 

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ETH供給量を計算するためのあなたの方法論が、あなたの答えを決定する。質問の正確なタイミング(基準点)が答えを決定し、そしてそれは15~30秒ごとに変化する。バーンされたETHをカウントするかどうかでも(違った)答えが決まる。

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こうした全てを踏まえた上で、マイニング報酬に基づいた現在の正確な状態を生成するためにブロックチェーンをスキャンする必要がある。これら全ての意味する所は、この問題にはニュアンスが生じるという事だ。

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このニュアンスこそが、ここ数日間イーサリアムをお役御免にしてしまえる不備を見つけたとほくそ笑んで上へ下への大騒ぎをしている投資“エキスパート”たち全員が見逃しているものである。彼らは自身のテクノロジーとその経済圏への理解の欠如を示しているのだ。

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これは私がこの1週間戦ってきた、ビットコイン・マイニングの中国での中央集権化に関するバカげた記事とまったく同じ態度であり、技術的な理解力や独立したレビュー不足によって、ビットコイン・システムへのいくつかの重要なニュアンスを無視したものだ。 

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もう一度言おう。デタラメを論破するのには10倍の時間がかかるのだ。ビットコインにしてもイーサリアムにしても、(他にも)批判すべき点はたくさんあるのだ。これらの技術を理解している人は、そうしたエンジニア的な問題に対しては、エンジニア的な解決策を“構築”することで、問題に対処しようとしているのだ。

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ニュアンスを理解していない人たちが、くだらない部族主義的な議論に乗っかり、ついにビットコインやイーサリアムを決定的に論破したと興奮しているが、一方で自分たちの評判や誠実さを台無しにしているだけなのだ。

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相手の小さな欠点を指摘する前に、まずは自身の目の前の分厚い板を取り除こう。分かった気にならず、もっと構築し、もっと考え、もっと学び、もっとニュアンスを。

 

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