いろいろ振ってみよう!

いろいろ振ってみよう!

「みなさん、振ってますか!日本酒は振ればまろやかになる!」

 

と言う事で、前回は「日本酒を振ると味わいがまろやかになる」と言う事について書きました。実際に試して味わいの変化を体験して頂いた方もいらっしゃり、とてもありがたく思っています!

 

さて、日本酒は振れば味わいがまろやかになるのであれば、他のお酒はどうなんだろう?と考えるのが飲んべえの性でして(笑)

 

また、Motokanさんからも「ワイン、ウイスキー、ジン、はたまたミルク、オレンジジュース、コーラ(笑)などを振ったらどうなるのか?」と言うご質問を頂きました。

 

そこで今回は、他のお酒は振ったらどうなるのかについて調べてみたいと思います。「この酒を振れば、どうなるものか。迷わず振れよ、振ればわかるさ」(笑)

 

まず基本的な考え方としては、お酒の中の「アルコール分子」と「水分子」がバランス良く溶け込んでいれば口当たりはまろやかになり、バランス良く溶け込んでいなければ口当たりにやや刺激がある、と言う事になります。

 

ですから、振る必要のあるお酒とは「アルコール分子」と「水分子」がバランスよく溶け込んでいない、若いお酒が対象と言う事になります。

 

では、まずは焼酎から行ってみたいと思いますが、基本的に焼酎は振ると日本酒と同様の効果を得られると思います。実際に私も試してみましたが、口当たりに関しては振った後の方がまろやかになったように感じます(気のせいだったらごめんなさい(笑))。ただ、これは飲み方によっても変わると思います。ロック、または水割りやお湯割りをすればその時点でかき混ぜるので、すでに振るのと同様の効果が得られていると思われます。

 

続いては、ウイスキーです。正直、私はウイスキーをあまり飲まないので詳しくはないのですが、理論上は効果があると思われます。ただ、熟成をさせた高品質なウイスキーは、すでに口当たりがまろやかになっているので、そもそも振る必要はないかと思います。熟成年数が書かれていないような安いウイスキーであれば、試す価値はあるかと思います。また、焼酎と同様にハイボールやロック、水割りなどをすればかき混ぜるので、これもすでに振るのと同様の効果が得られていると思われます。

 

次は、質問にもあったジンですが、これに関しても私は普段あまり飲まないので詳しいことは言えませんが、理論上は効果があると思われます。そして、やはり飲み方による部分もあると思います。例えば、トニックウォーターなどで割ったりすればかき混ぜますし、炭酸によっても攪拌されるので口当たりが気になることは少ないかと思われます。

 

あとこれは、私の個人的な体験談ですが、あるバーでベテランのバーテンダーと若手のバーテンダーの方に同じレシピで同時にマティーニを作ってもらった事がありました。同じ分量のジンやベルモットを使っているので同じ味わいだろうと思って飲んでみると、明らかにベテランのバーテンダーの作ったマティーニの方がまろやかで美味しい、と言う事がありました。つまり、二人のステア(かき混ぜる技術)の違いが味わいに影響した訳です。ですから、ジンもかき混ぜ方ひとつで味わいが変わる事があると思われます。

 

では最後にワインです。これに関しては、様々な状況によって変わってきます。まず、大前提として発泡性のある物には使えません(振るのは優勝した時ぐらいです(笑))。更に、オリがあるワイン(熟成した赤ワインや、赤ワインに限らず比較的若くても無濾過のワインにはオリがある可能性があります)に関しても、振ってしまうとオリが舞ってしまい、味わいを悪くしてしまうので使えません。

 

そうなると、振る技が使えるのはオリのないワインですが、ここで気を付けなくてはならないのが酸化です。ワインは、他のお酒に比べて非常に酸化の影響を受けやすい性質を持っています。その為、振る事で理論上はまろやかな口当たりになりますが、場合によっては酸化を促進しすぎてしまい全体の味わいが悪くなってしまう可能性があります。

 

私の経験上、出来て1~2年以内のワインには飲んだ時に少し舌にチリチリとしたアルコール由来の刺激を感じますが、それ以降はほとんど感じる事がありません。ですから、出来て2年以内のワインであれば、酸化に注意すれば振るのはありかと思います。

 

また、日本のある有名なソムリエさんは、若くて味わいや香りが閉じこもっている比較的安価なワインに関しては、あえて瓶を振ってから提供する事もあるとおっしゃっていました。しかし、この場合の振る目的は、「アルコール分子」と「水分子」を馴染ませるというよりも、あえて空気と触れさせて酸化を促進させる為に行っています(その為、瓶を開封して空気をいれてから再び栓をして振るようです)。もしも買ってきた安価なワインの味わいがいまいち広がってこない時には、ダメ元で空気を含ませて振ってみるのもいいかもしれません。

 

いかがでしたか?基本的には、振るとお酒はまろやかになるようですが、それ以上に味わいのバランスを崩してしまう場合や、そもそも振る必要がない状態のお酒もあるので、振るか振らないかは、その時の状況で判断して頂けたらと思います。

 

では、ここからは番外編。

 

質問にもあったミルクとオレンジジュースについてです(笑)。正直これはやった事がないのでわかりません(笑)。ただ、昔ベンジーが「オレンジジュースとミルクまぜながらつぶやいた」って赤いタンバリンで歌っていたのは思い出しました(音楽ネタですいません)。

 

あと、コーラに関しては、振って炭酸を抜いたものは、エネルギーの効率がきわめて高いらしく、レース直前に愛飲するマラソンランナーもいる、とある格闘マンガで言っていました(笑)。

 

 

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記事を書いた人

ワイン、日本酒、音楽、サッカー、アウトドア好きです。お酒にまつわる面白い話を書いています。また、ネットでワインショップ「LIFE WITH SAKE & WINE」をオープンしました。10%オフクーポン「open2021」(お1人様1回有効期限無し)ご用意したのでぜひご覧下さい!

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