困った時はこのワイン

みなさんこんにちは。先日の夕食時の事ですが、ふいに父親が「白ワインを飲みたい」と言い出しました。そこで、特に何も用意をしていなかった私は、とりあえずどのワインを開けるかを考えるために、食卓の上を眺めてみました。すると、この日はメインとなる料理がない代わりに、たくさんのお惣菜が並んでいました。

なるほど～、・・・そしてしばし熟考(笑)。実は、こういう時ってどのワインを開けようかちょっと悩むんです。と言うのも、何かメインとなる料理が1品ある時は、それに合わせてワインをチョイスすればいいのですが、いろいろあると逆に的が絞れない(笑)。ちょうどスモークサーモンがあったので、これに合わせてソーヴィニヨン・ブランの白ワインでも開けようかとも思ったのですが、どうもそれでは納得がいかない(笑)。

そこで、とりあえずワインセラーの中を眺めながら考える事に。すると・・・！？ありました！いろんな料理にも幅広く寄り添ってくれる素敵なワインが！それは・・・

甲州！・・・だと私は個人的に思っております(笑)。そして、今回チョイスした甲州は・・・

楽園葡萄酒醸造場さんの「甲州にごりワイン 2021」！実は、以前ブログにも登場したワインで、本来は新酒（山梨ヌーヴォー）としてリリースされたもの。ところが、新酒のうちに開けるタイミングがなくて、気が付けばもう2022年(笑)。今日しかないと思い開ける事にしました！

ラベルにも書かれているように、この甲州には酵母や果肉の繊維などの澱が沈殿しています。混ぜて飲む方法もありますが、とりあえずは沈殿させた状態で頂く事に。とは言っても・・・

写真からはわかりづらいかもしれませんが、ほんのりと霞がかった外観をしております。香りには、柑橘系の香りと澱からくるほっこりとしたようなニュアンスも感じられます（めっちゃ抽象的(笑)）。そして味わいは、ほんのり甘さを感じるオフドライスタイルで、熟した柑橘などの果実味に対してボリューム感のあるキリっとした酸味が綺麗にバランスを取り、中盤から後半には澱由来の旨味や複雑味が程よく膨らみながら感じられます。うん、2021年も美味い！

では、さっそくペアリングを試してみましょう！まずは・・・

スモークサーモン。サーモンの塩味に対してオフドライなワインの甘味がバランスを取り、サーモンの脂の乗った旨味には柑橘系の酸味や果実味が爽やかさを加え、最後に澱の香ばしいような旨味と風味が燻製の風味と同調し良く合いました！

続いてのペアリングは・・・

ツナとネギ入り玉子焼き、シュウマイ、肉団子（甘酢餡）のお惣菜3兄弟(笑)。まず玉子焼きは、ツナや玉子のふっくらとした食感と旨味にワインが寄り添いながら味わいを引き立ててくれました。続いてシュウマイは、豚肉やタケノコ、ネギなどの具材のジューシーな旨味を引き立てつつ、爽やかな余韻にしてくれて美味しく楽しめました。最後に肉団子は、甘酢の餡にワインの果実味と酸味が良く合い、豚肉の味わいをより引き立ててくれました。お惣菜3兄弟も見事ににクリアです(笑)。

では、最後のペアリングにいきましょう。最後は・・・

ペンネボロネーゼとキッシュ。ワインの本場イタリアとフランスの料理に、日本の甲州は一体どう立ち向かうのか(笑)！まずはペンネですが、ボロネーゼの濃厚な旨味にワインが負けるかと思いきや、しっかりと受け止めつつ寄り添い、余韻にはペンネの小麦の風味をより引き立てる感じもあり意外と合いました。

そして、キッシュに関しては、チーズや生クリームなどのクリーミーで濃厚な味わいを包み込みながら、余韻にはよりチーズなどの旨味や風味を引き立ててくれて、今回の中では一番良く合っていると思いました。まるで、キッシュの故郷アルザスのリースリングやピノ・グリを合わせているかのような感覚でした（もしかして甲州ってカメレオン俳優ならぬカメレオン品種なのかも(笑)！？）。

いかがでしたか？もちろんカメレオン品種なんて言葉はありませんが(笑)、幅広い料理に見事に寄り添ってくれる甲州の懐の広さを改めて感じる事が出来ました。こういったワインは本当に重宝するので、ぜひみなさんも一家に一本は甲州ワインを常備される事をおすすめしますよ(笑)！・・・って、前にも同じ事言ってたな(笑)。