ネギで呑む
みなさんこんにちは。先日、うちの母親が唐突に、
「カヴァって何？」
と私に聞いてきました。カヴァとは、シャンパンと同じ伝統的な製法（瓶内二次発酵）で造られるスペイン産のスパークリングワインの事です。ちなみに・・・
これがカヴァです。「CAVA」とラベルに書かれています。カヴァ自体は特に珍しくもなく、みなさんもスーパーなどで見かけたり、普段から飲まれている方なども多いかと思います（有名どころだとフレシネとかもカヴァです）。
ただ、うちの母親は全くお酒を飲まないので、一体どこでカヴァの事を知ったのか興味があり、尋ねてみました。すると、あるNHKの番組で見たと教えてくれました。その番組とは・・・
「あてなよる」
みなさんはこの番組をご存じですか？私は全く知らなかったのですが、料理研究家の大原千鶴さんとソムリエの若林英司さんが、毎回ゲストを迎えて料理とそれに合うお酒をペアリングすると言うなんとも素晴らしい番組なのです。
さっそく私は、見逃し配信で見てみる事にしました。すると、まず冒頭の番組紹介で、大原千鶴さんを「あての求道者」、若林英司さんを「ソムリエ界の若様こと、あてと酒の媒酌人」として紹介、そして「のん兵衛達を目覚めたままの夢の世界へといざなってくれる」との番組説明に、すでにワクワクが止まりません(笑)。
どうやら、毎回食材のテーマ（大根とかスパイスとか）があり、「（そのテーマ）で呑む」と言うようにタイトル付けをしているようで、今回のテーマは「ネギ」でした。そして、その一杯目のお酒としてカヴァが出されていました。
カヴァはフローラルな香りが特徴で、爽やかな酸味ですっきりと軽やかに楽しめる、一杯目の乾杯酒にはちょうど良いお酒との事でした。そして、その後に一品目のネギ料理が出されたのですが、それがなんと「ネギの丸焼き」。
一本の長ネギを切らずに丸ごと串に刺して、それを家庭用コンロの直火で15分焼くと言うなかなかインパクトのある調理方法です(笑)。
イメージはこんな感じです。そして、表面が真っ黒になるのですが、包丁で切れ目を入れた部分から真っ黒い部分を手で剥がすと綺麗な白い部分が現れ、そのまままるでカニの足を食べるかのように頬張ると言う豪快な料理でした。
もう見ているだけで、ネギのトロっとした甘さが感じられるのですが(笑)、この料理に先ほどのカヴァを合わせていました。なんでも、今回のカヴァの生産地であるスペインのカタルーニャ地方では、
「カルソッツ」と呼ばれるネギを、同じように真っ黒になるまで丸焼きにして食べる風習があるようで、同じ産地の食とお酒を合わせると言う鉄板のペアリングだったのです（写真がそのカルソッツ。オレンジ色の物はアーモンドなどのナッツやトマトを使った伝統的なロメスコソース。番組では焼き肉のたれに大根おろしを添えて食べていました。）。
カヴァと長ネギ美味しそうだな～と思いながら見ていると、今度はこの料理に合わせる二杯目のお酒が出てきました。それは・・・なんと全く同じカヴァ！しかし、今度は提供方法に一工夫を加えてサーブしていました。それは・・・
氷を入れたグラスに注いでサーブすると言う方法です。ワインに氷を入れると言うのはなかなか思いつかない方法でしたが、氷によってより軽やかな味わいにする事で、ネギの持つ甘みをより引き立てるペアリングになるのだそうです。
しかも、タンブラーグラスなのでグイっと飲めるため、より気持ちの良い爽快感が増すと言う部分まで計算しているそうです。これには、さすがはあてと酒の媒酌人！と感動すら覚えました(笑)。
この番組、もっと早く知っていたらと後悔するぐらい素晴らしい内容でした。ぜひみなさんも、食とお酒にご興味があればこの番組は要チェックですよ！
いや～、それにしてもあの長ネギの丸焼きは美味しそうだったな～。さすがに家のコンロでの直火焼きは無理そうですが(笑)、バーベキューとか一人キャンプ（まだ行った事はないのですが(笑)）などの屋外でなら、焚き火や1人用のガスバーナーでやれそうな気がします。
梅雨も明けたようですし、今年は氷が入ってキンキンに冷えたカヴァで喉をうるおしながら、長ネギを真っ黒になるまで焼いてみようかな(笑)。
