UNIになった
昨日、職場の同僚がUNIをもらって喜んでいた。
日本円換算で20万円分のUNIをただでもらえたなんてうらやましい。俺も欲しかった。
その同僚が、今朝体調が悪いと言って仕事を休んだ。
コロナかなと怖くなった。
夕方、同僚から電話がかかってきた。
「大丈夫?」って聞いてみた。そしたら息も絶え絶えに「おでこが割れて・・・血が止まらなくて・・・痛くて・・・触ってみたら・・・角が生えてきてた・・・」って言って電話が切れた。
ちょっと心配だったけどいたずらかなと思ったし、疲れてたしそのまま寝た。
ピンポーン。呼び鈴の音で目を覚ました。
こんな朝早くに誰?
カメラを見たら玄関の前には誰もいなかった。
それでもピンポーンピンポーンってうるさいから勇気を出してドアを開けてみたらやっぱり誰もいなかった。それでもピンポーンって鳴り続けてる。呼び鈴壊れた?いや、呼び鈴のほうを見てみたら謎の鋭くて長い棒が呼び鈴のボタンを連打していた。その棒を辿っていくと、謎がとけた。その棒は50m先にいる友達の頭から生えた角だった。
「おはよう」友達は笑っていた。よく見たら下半身が裸だ、というより馬の脚だ。そしてお股にはなんと立派な。
「どうしたのそのかっこう」
「昨日角が生えてきてユニコーンに変身した」
「角長すぎない?」
「ずっと伸び続けてる」
「着替えてカバン取ってくるから一緒に会社行こう。ちょっと待ってて」
一旦家に帰った。悪い夢かな。頬をはたいた。夢じゃない。朝飯を食べて歯を磨いてスーツに着替えて家を出た。さっきまで二足歩行で立っていた同僚は上半身まで馬になっていて前脚を地面に降ろしていた。顔だけが人間のままだったので不気味だった。
「良かったら乗ってく?」
せっかくなので乗せてもらった。パカラッパカラッ。良い乗り心地だった。あっという間に会社に着いた。早朝だったので誰にも見られなかった。
「ありがとう」と言って、背中から降りた。
「ヒヒーン!」
同僚は完全に顔まで馬になっていた。
長い角は100メートルの長さにまで成長し続けていた。そして会社のビルを一刀両断した。ズズンと崩れた。落ちてきたガレキに潰されて俺とユニコーンは死んだ。
こいつはまさに、大・迷・惑。