「使われると価値が上がる」: 暗号通貨界隈のキーワードを考える

「使われると価値が上がる」: 暗号通貨界隈のキーワードを考える

暗号通貨界隈でよく見かけ、その度に議論に発展するワード、「使われると価値が上がる」

このコメントをする人がどういうニュアンスや意図を持っているかは様々だとは思うけど、文脈を見ずにこの字面だけ見ると、個人的には「まあ、そうだよな」と肯定する。

「使われると価値が上がる=価格が上がる」というニュアンスで使われる場合も多々あるかもしれないけど、個人的には、「価値」「価格」は別の概念として区別することからスタートしたほうがいいと思う。

「価値」と「価格」は別の概念として区別する

「価値」がないのに「価格」が右肩上がりするプロダクトは山ほどある。

「価値」がないものを、だれもが値上がりすると思って買い漁っていた時期もあった、悲しいけれど…。

逆に、まじめに取り組んでいるのに「価値」がないというのは、非常に辛い状態だ、死んだプロダクトといっていい。

もちろん、価値が高まると価格も高まるかもしれないが、「使われるから価値が上がって、価格が上がるよ」とか、「実需があるから価格が上がるよ」という甘言が巷で囁かれ始めたら、それは売り抜けのための誘い文句であると思うので、警戒してほしい。

もはや「価値」以上に「価格」が膨れ上がったバブル状態である。

「無価値」のモナコインプロジェクトについて

モナコインプロジェクトは2013年の年末に始まったが、もともとはライトコインからフォークしたコインであり、ライトコインよりもブロック承認時間が短いくらいの機能の違いくらいしかなかった。

「ブロック承認がちょっと短いとして、それが何か?」という状態である。それ以前に、「暗号通貨として使えるの?」と聞かれると、「いいえ、使えません!」としか答えられないのが生まれた直後の状態である。

完全に「無価値」である。

価値がゼロからイチというのは、結構大変で、何が大変かというと周りの目がもう厳しい。

ビットコインマキシマリストなんて、モナコインをShitcoinとか草コインと呼んでくるし、何より「モナコインの価値を高めたい」なんて言えば、「ゴミ屑はまだ質量があるのに、質量すらないそのゴミ屑未満の存在に何言っちゃってるの?」という顔をするし、とにかく厳しい。

その中で、後述するように仲間を増やしていかなければならないのだ。

「価値を持たせるにはどうすればいいか?」

それは、そのプロダクトの存在意義を実行することである。

「暗号通貨を通貨として使う」のである。

今でこそ、Monapartyというスマートコントラクトも装備しているモナコインであるが、当時は「通貨」的な送金・着金機能しかもっていなかった。

ただ、「通貨」は一人では使うことはできない。

モナコインという数値を「通貨」として使うには、モナコインを「通貨」として受け入れる人間が2人以上必要である。2人の間で通用する間は、1組の間で価値があるが、さらに1人仲間が増えて3人になると、3組の間で価値がある、

さらに1人仲間が増えて4人になると、6組の間で価値が生まれ、仲間が6人になれば15組の間で価値が生まれるように、増えれば増えるほど「価値」を増していく。

そしてこのネットワークに参加する(仲間を増やす)ためには、自分が仲間であることを示す必要があり、「暗号通貨を受け付けてます」という発信と、「暗号通貨で支払いたいです」という発信が必要である。

「暗号通貨って使えるの?」という興味を示すもまだ疑っている人に対しては、実際に使っているところを見せる事でしか理解してもらう術はないと思う。だから私は積極的に「こういう風に使えるよ」とユースケースを公開する。間違っても、「価値が上がるよ」とは紹介しない。

私は、モナコインの「価値」を高めるために献身するが、「価格」を高めたいわけではない。ここまで皆の献身で育ったモナコインが、再び「無価値」となる時代に戻したくない、その一心である。

そして念を押したいのは、通貨は使われないと簡単に死ぬ。昔は「金のビットコイン、銀のライトコイン、銅のフェザーコイン」なんて言葉を聞いたこともあったが、いまやフェザーコインなんて誰も覚えちゃいない。それは、誰もがフェザーコインの価格にしか興味がなかったからだ。

ホリエモン、日経新聞、テレビなどでモナコインが紹介され、「価格」が一気に上昇し、そこから一気にたたき落された後の数年間は、モナコイン冬の時代と言われている。モナコインを持っていることや、話題に出すのも(私が)恥ずかしいと思ってしまうような時期があった。しかしこの面白いプロダクトを維持し前進させようとしている人がいる限り、私も参加したい。

モナコインの「価値」は、仲間たちの不断の努力により、維持され、高められている。(皆がやっていることは、ただ全力でエンジョイしているだけなのだけど。)

「使われると価格が上がる」というワードに対しては、うーん、どうかな…と返答することになる。なぜなら、実需によるホールドの結果の値上がりは、投機マネーの前には影響力は極小であり、非力からだ…。そう、投機マネーのおもちゃになってしまうことについては、悔しいが今は受け入れるほかない…。

モナコインを様々な用途で使い、公開しています。

詳しくは、「暗号通貨で○○する方法のまとめ」をご覧ください。

関連リンク

「中央集権」と「ビットコインマキシマリスト」: 暗号通貨界隈のキーワードを考える

モナコイン財団(Monacoin Foundation):暗号通貨界隈のキーワードを考える

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暗号通貨で○○する方法のまとめ

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ブロックチェーンカンパニー務め|モナコイン活動家(2013〜)

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