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@modernpierrot

歴史探究系、事象考察系、読書感想系。

日本におけるブランド「シャネル」の展開の軌跡 2(2009~2020)

2009年 岡山のクロキのデニム生地がシャネルで採用されていることが報道(いつから採用されているのかは、まだわからない)。 2009年 ブランドレンタルサービスが報道。そのレンタル品の中にはシャネルも。 2009年 「ブランド・ジャパン」の調査、シャネル社のランキング下落を報道。消費者の「ブランド離れ」が指摘される。 2009年 寒河江市の佐藤繊維の糸をシャネルが採用していることが報道(いつから採用しているは、わからない)。 2010年 薄い緑のマニキュア、シャネルのショーでモデルたちがつけていて人気に(2009-10AWのショーでモデルたちがつけていたんだそう)。 2011年 抗糖化美白ブーム、シャネルが外資で初、薬用美白成分の承認を取得。 (マトラッセ模様=キルティング シャネルバッグに典型 1930年代に出現) 2011年 シャネル社、若手音楽家を発掘、紹介活動が報道される。 2011年 コスメームなど、郊外SCや駅ビルでもシャネルの取り扱いが始まる。 2012年 シャネル、日本初の免税ブティック。 2013年 シャネル、時計宝飾品を平均5~6%値上げ。 2017年 GINZA SIX開業。シャネルも入る。 2018年 シャネルのミューズ、カーラ・デルヴィーニュが女優としても注目。 2018年 BIGBANGのG-DRAGONがシャネルのショーのフロントローに招待されるほどであることが報道。 2018年 高級ブランドレンタルのサブスクが報道される。 2018年 中国、上海などでシャネルバッグ人気。 2019年 シャネル、男性用コスメ「ボーイ ドゥ シャネル」開始報道(実際の販売開始は2018年らしい)。 2020年 30代後半女性の人気コスメランキング5位にシャネルが食い込む。バッグも5位。 2020年 カレー屋ココイチ、「CoCo」はココ・シャネルを意識し命名したことを証言(日経ビジネス、2020年4月13日号、pp.72-73)。〔→1978年に名古屋市清州に一号店。奥様も素敵ね、と言ってくれたという。〕 →面白すぎる。 2020年 5月、シャネル、マスク生産に着手のきっかけを報道。 この年表は、基本的にWebの日経BPデータベースで「シャネル」という検索ワードで検索して引っかかったものから主だったものを抽出しているので、あくまで一つの傾向として理解していただければ幸いです。

日本におけるブランド「シャネル」の進出・展開の軌跡 1(1978~2008)

ここでは、シャネル社が日本に進出してきた軌跡について、新聞記事や雑誌記事から再構成していきます。 1978年 シャネル社、9月に日本に直営店6店を同時に開店(日経ビジネス縮刷版DVDより)。 1981年 秋、シャネル社は他のアパレル企業に「シャネル・スーツ」の名称の使用を禁じる措置をとる(日経ビジネス縮刷版DVDより) 1988年 バブル景気により、「ニューリッチ層」の消費欲求が高まり、シャネル社は申告所得が昨年比400%以上となる。 1992年 ブランド品の買い取り質屋が人気。買い取りはシャネルやエルメスのバッグやアクセサリーが中心という。 1994年 シャネルが並行輸入品対策として商品を値下げ。 1994年 リシャール・コラス社長就任? 1995年 偽物横行がシャネル社の悩みの種に。 1996年 「シャネラー」や「グッチャー」が報道される(→一説には、1995年に雑誌『アンアン』が造語したというものも)。 1998年 シャネルもその一つである高級ブランド品の新品中古が人気。ECも。 1998年 モノが売れない日本で「高級ブランド」だけがなぜ売れる?という問題も呈される。 1998年 欧州付加価値税を日本で払い戻せるサービス登場。 1999年 セフォラの日本進出にシャネル社身構える。 2000年 シャネル社の堅固なPOSシステムの報道がなされる。 2000年 米エスティ・ローダー社、仏シャネル社、仏クラランス社がネット販売で手を組んだことが話題に。 2001年 「ドメイン・ウォーズ」話題に。韓国ではシャネル社も係争。 2001年 エスキス表参道にシャネルが進出。 2002年 不正競争防止法話題に。 2004年 4月、有楽町の国際フォーラムの一部をシャネル社が買い取り、「シャネル ルミエール」登場。 2004年 数寄屋橋のソニービル前に「シャネルツリー」登場 2004年 12月、シャネル本社ビルが銀座に登場。 2005年? アラン・デュカス、シャネルとコラボし銀座に「ベージュ東京」。 2008年 シャネル「モバイル・アート」開催。

シャネルNo5をめぐる2つの考察(ココ・シャネル関連の文献調査 3)

「文献調査1」の本の中に、シャネルNo.5という有名な香水に関する考察を行っているものが2冊あった。 テイラー・マッツエオによる『シャネルN゜5の秘密』と、大野斉子による『シャネルN゜5の謎 帝政ロシアの調香師』だ。 似たようなタイトルの本だが、前者はシャネルが主人公となって、一つの物語が紡がれている。後者は、エルネスト・ボーが主人公だ。シャネルやディミトリ(ドミトリー)・パヴロヴィッチ大公の陰に隠れて、N゜5の開発者としてクレジットされているだけだ。 しかし、マッツエオは書いている。 「しかしその香りの開発をめぐっては、数々の謎と疑問が残されている。それはシャネルN゜5の伝説のなかで、もっとも興味深く、複雑で、熱い議論の対象になってきた物語だ」p80 私自身もアルデヒドを用いた香水を作ったのは、シャネル社がはじめてだと思っていた。しかし、マッツエオの本では、それらはすでにあり、シャネル社はアルデヒドを大胆に用い、その後のキャンペーンによって、最初の伝説を作り上げた、ということが画期的だったのだ、と書かれている。 香水の香りは、ある意味で記号化されている。ファミリーというカテゴリーに分類され、その中で、いくつかの系統があり、表現はウッディやフローラルといった用語で表現される。ただ、それにもまして、誌的な表現が存在する。 マッツエオの本では、シャネルの言葉から「そう、あれこそ望んでいた香りだったわ。ほかのどれとも似ていない香水。女性の香りのする、女性のための香水だった」という部分を引用している。女性的な何か。それがマッツエオの指摘するシャネルN゜5の香りの根底だ。 ところが、大野は、ボーが祖国で見た風景を、香りの核として指摘する。ボーは、次のように語っている。 「私がシャネルN゜5を創ったのはどんな時期だったと思いますか?まさに一九二〇年のことです。私が戦争から帰還するときでした。私は北極圏にあるヨーロッパ北部の田舎に配属されていました。白夜のころ、そこでは湖や川がたいへんみずみずしい香りを放つのです。私はこの香調を記憶にとどめ、作り上げました」p266 マリリン・モンローが寝るときに数滴つけると述べたシャネルN゜5。 そうして、セクシーで官能的なイメージが、シャネルN゜5には付随した。しかし、ボーは、この香りはいわば風景が発する香りだと述べたのだ。実際どうなのだろうか? シャネルN゜5をつけたいと志願する向きは、この2冊を読むことで、踊らされない認識を手に入れることができるだろう。 「

ココ・シャネル関連の文献調査 2

 1986年2月号の『marie claire』にココシャネルの特集が大々的に掲載されると、翌年5月から海野弘による「ココシャネルの星座」という連載が、1988年5月号まで掲載された。それが、1989年に中央公論社から『ココ・シャネルの星座』として書籍化されている。おおよそ、日本において、人間シャネルが日本人の手によって具現化されたのは、この書籍を皮切りにしてだろう。  ただ、海野弘は、あくまで1920年代のシャネル最盛期の記述で、全体像ではない。その後、日本人による伝記の試みがあるにはあるが、翻訳の内容を超えるものとは言い難い。1990年の秦早穂子の本は、そもそもポール・モランのシャネル本の訳者であるので、その訳業+αとして、冒頭にシャネルが提案したルックの写真が多めに掲載されているのがうれしい。  日本人独自のシャネル伝記としては2002年の山口昌子による『ココ・シャネルの真実』が良い。というのも、産経新聞のフランス特派員であった山口は、フランス事情通であり(文庫版あとがきの鹿島茂もそう書いている)、書きにくい部分についてもキッチリ筆が載っているのがいい。戦後の、有名人たちとの交流についても、マンデス=フランスとの会合を望んで引き合わされたシャネルが、ドゴールについて長い時間話したというエピソードとか、ちょっと面白いことも満載だからだ。要するに、シャネルを英雄然と描いていないがゆえに、『ココ・シャネルの真実』は今でも読む価値が十分になるといえる。  藤本ひとみの『シャネル』は評伝ではなく、小説形式なので、普通に読みやすい。史料の提示があって、記述を進めていくという形式がわずらわしい人は、この小説から読むといいかもしれない。また山田登世子の『シャネル 最強ブランドの秘密』は、タイトルからするとブランド論ぽいが、2021年にちくま文庫化された『シャネル その言葉と仕事の秘密』の方が内容をキチンと表現しているように思われる。評伝的なものが好きなら、こちらを先に読むといいだろう。  2012のハル・ヴォーンの『誰も知らなかったココ・シャネル』は先に書いたように戦中戦後のシャネルの姿が史料とともに記されていて大変に面白い。この本が出て以降は、シャネルをそんなに英雄然として描けなくなったろう、と思ったのだが、割と恋も仕事もつかんだ女的な規範化がみられる。面白いことだ。  ハル・ヴォーンの内容を踏まえたうえで面白い翻訳書としては、『シャネル、革命の秘密』がいい。伝記作家はあまり服や服飾産業について詳しくないので、そちらの方に筆を伸ばさないが、このリサ・チェイニーの本では、そうしたデザイナーとしての動きも書かれている。デザイナーとして意義だけではなく、史料を使って、戦後のデザイナー・ココ・シャネルについて書こうとしているのが共感できる。  2016のイザベル・フィメイエの『素顔のシャネル』は、秘蔵写真が多くて面白い。大きいサイズの本なので、場所をとるのが難点。ただ、秘蔵写真の中で、シャネルに写真の顔もみたくない相手のところは切り落としてしまう、というふるまいに及ばれたいくつかの写真

「シャネル」という言葉の日本での用いられ方 1 音楽界

「シャネル」という言葉が、音楽界でどう咀嚼されていったか。 もっとも古い「シャネル」という単語の用例は、国立国会図書館のNDL-OPACで検索すると、中尾ミエの「シャネル・デート」である。これはYoutubeにも、アップされていて、歌詞と雰囲気をすぐに理解することができる。元は、ピノ・ドナッシオという歌手の「pera matura」という曲をカバーした歌だが、歌詞は翻案に近い。だとすれば、日本での「シャネル」という単語の受け止められ方は、香水の販売元であり、その香水はデートの際につけることで何か威力を発揮すると信じられていた、ということは間違いない。 このイメージは、マリリン・モンローが『LIFE』誌の記者に言った、寝るときに身につけるのはシャネルのNo.5という趣旨の発言がもたらした信憑以来のイメージであるといえないだろうか。 次に、由美かおるの「シャネルの夢」という歌が見られる。1969年のカップリングB面シングルのような位置でリリースされたものだが、歌詞の内容はまだ調べ切れていない。由美かおるなので、いわゆるセクシー系女優。モンローと似たようなイメージを「シャネル」という言葉に与えることになったのではないか。 次に、シャネル・ファイブというバックバンドがいた。1970年代前半に活躍するが、何人かのボーカルのバックを務め、そこから名前を聞かなくなる。 次に、1980年代初頭、シャネルズが登場する。このシャネルズは、あの「シャネル」と関連があるのかわからない。Wikipediaには、「シャネル」由来ではなく、「Sha na na」というグループと、The Channelsというグループの折衷として説明されている。また、その後、「Shanels」に改名するが、名前の混同を避けたためという。この辺の説明は、全体的に本人説明だとしっくりこない。

ココ・シャネル関連の文献調査 1

*20210601 誤記修正しました。 *20210604 追記しました。 2021年7月23日(金)に、高級ブランド「CHANEL」の創業者であるガブリエル・シャネルの映画が公開されます。タイトルは『ココ・シャネル 時代と闘った女』ということらしいです。上映館はBunkamura ル・シネマ他で、コロナ禍かつオリンピック開催下ではあるものの、少なからぬ観客を動員できそうな内容です。 そんな映画を120%楽しむために、ガブリエル・シャネル関連の文献を調査してみました。以下は、刊行年順に並べた、シャネル文献リストとなります。国立国会図書館のNDL-Onlineで、「シャネル」という言葉で検索をかけ、「書籍」で絞り込みをすると、以下の結果が導けます。 *** 1957 セリア・ベルタン『パリ・モードの秘密 モードを作るのはパリだ』大日本雄弁会講談社 1968 南静『パリ・モードの秘密』毎日新聞社 1972 マルセル・ヘードリッヒ『ココ・シャネルの秘密』早川書房 (→原著1971 文庫化1995) 1973 クロード・バイヤン『孤独のシャネル ファッション界の女王の生涯』竹中書店 1977 ポール・モラン『獅子座の女シャネル』文化出版局 (訳・秦早穂子。のちに訳・山田登世子によってタイトルを変更し、2007『シャネル 人生を語る』 1980 エドモン・シャルル=ルー『シャネル ザ・ファッション』新潮社 1981 エドモン・シャルル=ルー『シャネルの生涯とその時代』鎌倉書房 1983 クロード・ドレ『ココ・シャネル』サンリオ 1986 マリア・ケント『シャネルに恋して』文化出版局 1989 海野弘『ココ・シャネルの星座』中央公論社 1990 秦早穂子『シャネル 20世紀のスタイル』文化出版局 1990 ジャン・レマリー『CHANEL』美術出版社 1991 リルー・マルカン『カンボン通りのシャネル』マガジンハウス 1997 デーヴィッド・ボンド『シャネル ココ・シャネル』岩崎書店 1998 ソフィ・トゥルバック『ココ・シャネル 悲劇の愛』集英社 2000 実川元子『ファッションデザイナー ココ・シャネル』理論社 2000 安達正勝『二〇世紀を変えた女たち』白水社 2001 渡辺みどり『シャネルの警告 永遠のスタイル』講談社 2002 ジャネット・ウォラク『Chanel シャネルスタイルと人生』文化出版局 2002 山口昌子『シャネルの真実』人文書院 2005 藤本ひとみ『シャネル』講談社 2005 塚田朋子『ファッションブランドの起源 ポワレとシャネルとマーケティング』雄山閣 2005 渡辺みどり『シャネル・スタイル』文芸春秋 2006 山田登世子『晶

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