三権分立の脆弱性を修正する(Part IV):三権分立は政府の構造

三権分立の脆弱性を修正する(Part IV):三権分立は政府の構造

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3レイヤーサイクルと三権分立は一見すると似ているので混同しやすいが、全く別の構造である。この点について、以下で三権分立との比較という観点から説明してみよう。

各レイヤーは、均質な一枚岩ではなく内部に構造を持っている。たとえば、本稿で注目している、国民、政府、世界の3レイヤーサイクルの各レイヤー内部を次のように二軸に分割してみることもできる。

・国民……一般的な国民と、ある種の既得権益層

・政府……改革派の官僚と、保守派の官僚

・世界……自然環境としての側面と、国際関係としての側面

これに限らず、それぞれのレイヤーについて別の内部構造を見出すこともできるだろう。

いわゆる三権分立は、本稿の表現では「政府」という一つのレイヤーにおける、このような内部構造の一つと解釈することができる。

たとえば次の図に示すように、3レイヤーサイクルの「政府」の部分を展開すると、その内部構造として、立法、行政、司法の三つを見いだすことができる。この場合、形式的には政府の内部で三者は独立し、権力を分立していることになっている。

3レイヤーサイクルの圧縮形

3レイヤーサイクルの展開形

そもそも、ここで「三権分立」を取り上げた理由は、それが権力分立の典型例としてしばしば取り上げられるものであり、同時に、我々が主張する3レイヤーサイクルと混同されやすいということがある。

3レイヤーサイクルと三権分立は、どちらにも3つの権力主体が登場するため一見同じものに見えるが、前者は「権力の制御と被制御、あるいはメタレベルとオブジェクトレベルというレベルの違いから見た権力分立の構造」であり、後者は「政府という特定レイヤー内部の構造」だという観点で区別される。

この記事の続き

Credits:原案:西川アサキ
草稿執筆:古谷利裕
同時編集:VECTION
作図:掬矢吉水

冒頭画像
Lidded Vessel, 17th–18th century, Yoruba peoples, Owo group

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