ココ・シャネルの文献リストを読んでいく 2
ベルタンは、あれくらいでいいと思うので、次に南静『パリ・モードの秘密』だが、これは手に入っていない。
なので、次の1972年度版『ココ・シャネルの秘密』(早川書房)を読もうかなと思うも、文庫しかない。
正直、私のシャネルへの関心は、シャネルが日本にどのように紹介され、どのように流通し、どのように使われているかということに過ぎない。ココ・シャネルの実像や、シャネル製品に対する関心は普通だと思う。
そういう視点からすれば、1972年度に刊行され流通した本を読まないと意味がない。文庫は1995年に流通し、読まれたものであって、1972年度版とは異なる。ただ、同じ出版社なので、多少の異同はあっても、大丈夫かな、ということで文庫版を読んでいくことにしよう。1972年度版が、手に入ったら、それについて書いていく。
『ココ・シャネルの秘密』の原著は、1971年に出ている。亡くなった直後だ。原著には、雑誌マリクレールの編集長だったマルセル・ヘードリッヒのほかに、シャネルにマルセルを引き合わせてくれたエルヴェ・ミルの名前も書いてある。なぜ、日本語版には書いていないのだろう。
ヘードリッヒのこの本は、シャネルの弱音のようなものもたくさん書かれている。正直、シャネルの箴言よりも、自分の弱さを知って、その上で、だからどうしようとするのかを述べている文章の方が良いと思う。
事実を知りたいという向きには古い情報なのかもしれないけれど、シャネルの箴言の元ネタが知りたいという向きにはいいと思う。