年間120冊くらい本を読む私がここ数年で「あ〜これは面白かったな〜」っていう本を紹介する.
こんにちは.皆さんは本を読みますか.私はけっこー読みます.ここ数年は年間120冊くらい読んでるんじゃないでしょうか.勤め人などという薄給日銀コインマイナーを卒業して田舎で無限に続く余暇と余暇との間で本を読むまさに”晴耕雨読”な生活をするのが夢です.
「読書が趣味だ」というとよく意識が高いなどとよく言われるんですがこれには強い違和感を覚えます.せっかく時間があったら”面白いこと”か”タメになること”に時間を使いたいというのが人間のサガだと思います.それが私にとってその一つが本でした
(テレビはノイズの塊&情報も薄い,ソシャゲはドーパミンのマッチポンプetc)
クリプト,とくにこのプラットフォームで活動する人々は勉強熱心な方が多くて釈迦に説法になるかもしれませんが今回は私が今まで読んだ本のなかでもおすすめなものを紹介していきたいと思います.色々なテーマで分けてみましたので気になるものだけでもどうぞ.
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未来のことなんて全然わからない/じゃあ全然わからない未来にどうかけたらいいのか.
「将来何が起こるかなんてぜんぜんわからない」という当たり前のことがわかっていなかった自分は幼い頃毎朝のテレビでの星座占いを見ては一喜一憂していました.また,テレビに出る学者があるニュースに対してそれっぽい未来予想をしゃべると「うんうん」と聞いていました.
でもそれって全く出鱈目なんですよね.未来は全くわからない.未来がわかるんなら911の前日に「ビルに飛行機が突っ込むからみんな避難するように」っていうのは朝飯前ですよね.
「俺は投資で大成功したぞ」なんていう人も同様です.幾万人のサンプルから統計的に現れる大勝ちできる1サンプルに選ばれたというだけで実はその人の実力も何もないのかもしれません.
じゃあ未来対して何もなす術がないのかというとそんなことはありません.それを教えてくれるのがトレーダーであり研究者でもあるナシーム・ニコラス・タレブやストア哲学を貫いた古代ギリシャの偉人でした.
タレブは上述のように未来が全くわからうえでどういう意思決定をしたら良いかという指針を与えてくれました.また,ストア哲学者はその際に持つべき気概を教えてくれます.私の一押しです.
身銭を切る人間は美しい
成功を収めた人は往々にして「身銭を切って」います.これは発言,行動,ポジションにそれ相応の責任を伴わせることで簡単にいうと言行一致,自業自得,因果応報とも言えます.
でもこの当たり前な倫理が機能していない場面はいくらでもあるんですよね.それっぽいことだけ言って現実を変えない,変えるときに痛みを背負わないコンサルタントとかテレビでそれっぽいことを言えばお金をもらえる評論家みたいな人がそれに当てはまります.
そういう人の意見は当てにならないので振り回されるだけ損なだけでなく,世間ではそういう行いが許されるものだと誤解をしてしまいます.
ナシームやエドワードは身銭を切った結果経済的な成功を収めました.またチェ・ゲバラは最期の時を迎えるまで己の信念を貫いた革命家でした.チェのような革命家は一度成功すると権力に固執し,それまで持っていた矜持を失ってしまうのが良くあります.しかし,チェは違いました.彼は一度キューバという国の革命に成功し,国を担う重役という安定的なポジションを得たにもかかわらず,虐げられている人を見捨てられない彼の信念に従い身の安全,社会的地位を捨て再び革命を起こすべくゲリラに参加し,そして散っていきました.
人間ってエゴの塊だよね
身銭を切らない人間がいくらでもいるという話をしましたが,人間はそもそもエゴの塊です.他人,社会,他の動物のためなんだ!と大義名分を掲げてもよくよくみると「あれ〜?」と思わざるを得ない現実がたくさんあります.上記の3冊は動物,環境,途上国に対する人間の活動に対し疑問を投げかけています.
自然と科学を愉しむ
ここで一度気持ちをリセットしてみましょう.人間はエゴの塊ですが一方で自然や生物,それを探究する科学は日々発展し,私たちを驚かせてくれます.
「タコの心身問題」では蛸をはじめとした頭足類に分類される生物の賢さや生態に迫ります.進化の経路で言うと人間とはかけ離れたところに位置する頭足類ですが実はとても賢い生物に進化しておりそのレベルは「もしかして彼らは”意思”を持っているんじゃないか?」と思わせてくれるほどです.頭足類を通じた生命の神秘性を感じさせてくれます.
「気持ちいい」って何?
科学の対象は人間自身にも向けられます.「気持ちいいって何か」はそのテーマの一つになります.
上記の本を読むと「気持ちいい」ってただの脳内で発せられる快楽物質に過ぎないんだなあということがわかります.どれだ「気持ちいい」ことをしても自分の脳内で生じる現象で物理的な限界を迎えてしまうんです.そう思うと,快楽を追い求め破滅する人により哀れさを抱いてしまいます.
一方で「気持ちいい」は恰好の商売道具になります.Webサービスやゲーム,SNS,ギャンブル都市ラスベガスはこの「気持ちいい」を誘発し,それと引き換えに利用者の時間,興味,お金をむしり取る,惚れ惚れとしてしまうくらいに設計された一連のスキームを提供します.
「食」のリテラシーを高める
食欲は人間の三代欲求の一つで私たちが死ぬまで付き合っていかなければいけない欲望でしょう.であれば,「食」について理解を深めて人生のQoLを爆上げしてみませんか?
料理をするという人には是非「料理の四面体」を,そうでない人もぜひ「果糖中毒」「激安食品の落とし穴」は読んでみていただきたいと思います.
食品企業の努力で私たちは好きなときに好きなものを食べられるありがたい時代を生きていますが,一方で経済的合理性を追求するあまり様々な弊害が出ています.世界規模で見ればそれは果糖中毒という形で,ミクロに見れば近隣のスーパーやコンビニでみかける激安食品につながります.
現代ってなんて生きづらいんだろうって思う人へ
ツイッターやニュースをみていると必ず誰かが現代について何かしら嘆いています.でも歴史を学ぶと現代って捨てたもんじゃない,それどころか現代に生まれてよかったなーと思わざるを得ないなと思わせてくれます.
労働者を虐げる企業はブラック企業と呼ばれ,そういう仕事は3K(汚い,キツい,危険)だといわれますが昔はもっとひどく3K+2T(低収入,退屈)な仕事がたくさんありました.また医療行為もつい数十年前まで非科学的,非定量的で今思えばとんでもない行為のオンパレードでした.(頭蓋骨に穴を開ける,ひたすら血を抜く,ヒ素や麻薬を服用するetcetc)
ミニマル,満足最大化なライフスタイル
ミニマリストが流行っていますよね.私も思想として洗練されているだけでなく実生活で役に立つということでこれを支持し,できる範囲で行動もしています.
ミニマリズムとは少し趣旨がずれるかもしませんが「ウォールデン」もおすすめです.資本主義社会がこれから大発展するぞという時代のアメリカにおいて,時間を切り売りして自分のためでなく負債のために働き人間性を失っていく人々に疑問を抱いた筆者は,大自然のなかで自給自足の生活をし心のゆとりや自然の素晴らしさを存分に堪能しました.人間の精神や哲学,労働,社会,経済あらゆる面で資本主義の歯車になる私たちにオルタナティブな選択肢を見せてくれました.
マスメディアという巨大なマッチポンプ
冒頭にも書いたんですが最近はテレビや新聞を全く当てにしなくなりました.(ニュースの見出しを追うくらい)
コロナ禍でより顕著になっていますが彼らのマッチポンプ感は唾棄に値するものだと思っており,それに振り回される人にはなりたくないなあと常日頃思っています.
「へー!」が欲しい人へ
純粋な好奇心を満たすツールとして本は非常に優れていると思います.上記3冊のような本は「へー!」の連続です.
普段生活をしていると,核の舞台になったところが世界中にこんなにあることも,アヘンで成り立つ国家的な組織があったことも,技術革新,違法行為,ビジネスという全く異なる3つの側面から音楽産業をぶっ壊した人がいたことも知る機会なんてありません.知ったところで何かすぐに役に立つものでもありません.それでも「純粋に楽しい」というだけで本は読む価値あるもので生活に彩を添えてくれます.
以上です.ここまでお読みくださりありがとうございました.今度は気が向いたら私の本の読み方や調達方法について書いてみようかと思います.また,皆様のおすすめの本も是非聞いてみたいです!