Ampleforth(AMPL)の仕組み ~資産増加メカニズム~

Ampleforth(AMPL)の仕組み ~資産増加メカニズム~

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仮想通貨Ampleforth(以下「AMPL」)が情報に敏感な海外投資家の間で話題になっています。
7月前半の仮想通貨の世界トレンドランキングでは1位となりました。

AMPLは仮想通貨の中ではかなり異質な存在ですが、(プロダクトに対する個人的評価は別として)社会実験としては非常に面白いプロジェクトだと思います。

今回は、AMPLの仕組みについて解説します。

(補足)
1.本記事の性質上、AMPLの投資的側面の言及がありますが、本記事は投資を推奨・助言するものではありません。
2.また、投資パートについては公開範囲を限定しています。金儲けのカラクリや個人の投資成績、投資戦術を記載しており、いたずらに投機を助長することが不適切と考えるためです。ご関心のある方だけお読みください。
3.既に信玄さんがAMPLの良質な記事を作成されていますので、そちらもご参考ください。


<目次>
1.プロダクトの概要
(1)どんな製品か
(2)チームメンバー
(3)AMPLの価格・供給量の推移
2.AMPLへの投資について
(1)資産増幅メカニズムのカラクリ(なぜ先行者は儲かるのか)
(2)Rebaseで見過ごされがちな事実
(3)Geyserにデポジットするのと単純ホールド、どちらが得か
(4)今後の先行きについての個人的見解
3.AMPLを購入する方法


1.プロダクトの概要
(1)どんな製品か
 ①AMPLの概要
 AMPLが生まれたのは2019年6月です。わずか11秒で、500万ドルをIEO(Initial Exchange Offering)で調達しました。ERC-20トークンです。

 AMPLの特徴を一言で言うと「市場の需給に応じて供給量が調整される」通貨です。

 ビットコインをはじめとする多くの仮想通貨は、供給量が固定されており、市場の需給に対して価格が反応してきました。つまり、人気が出れば価格は上がるし、人気が下がれば価格が下がります。
 一方、AMPLは、需要が高まってあらかじめ設定したターゲット価格を上回った場合、供給量を増やして対応します。AMPLのターゲット価格は約1ドルです。具体的には、市場価格が約1.06ドルよりも高ければ、その時の価格に応じて供給量を増やすことで、通貨1単位当たり実質価値を下落させます。
 逆に、需要が少なくなれば(約0.96ドル未満であれば)供給量を減らして通貨1単位当たりの実質価値を増加させる動作を行います。これらは、Ethereumのスマートコントラクトで自動執行されます。
 なお、価格が0.96~1.06ドルの範囲に収まる場合は、供給量の調整は行われません。

(出典:Ampleforthのホワイトペーパー。左が価格のイメージ図(X軸は時間)、右が供給量のイメージ図(X軸は時間))

 ➁Rebase(リベース)
 供給量が増えていく通貨というのは、AMPL以外にもあります。しかし、AMPLが他の通貨と大きく異なる点は、供給量が増える際、各人の通貨も一緒に増えていくメカニズムを搭載していることです。
 
 つまり、AMPLを購入した後、自分が保有する枚数が毎日変動していきます。これは、他の通貨に見られない斬新な特徴です。
 この調整はRebase(リベース)と呼ばれます。頻度は、毎日1回(日本時間11時)行われます。自分のウオレットに入れていたAMPLの量が、調整時の価格を基に自動で増減します。これは、AMPLをどのウオレットに保有しているかに関わらず起こります。(厳密に言えば、DEX(=ERC20トークンのウォレット)及びAMPLがインテグレートをサポートしている中央集権型取引所(KucoinとBitfinex)のウオレットが調整される。) 

 この結果として、「供給量が増減したとしても、供給量に対して自分が保有するAMPLの割合は変わらない」状況がもたらされます。このリベースの裏に隠された更なるカラクリは追って解説します。

 ➂AMPLの狙い
 AMPLがリベースを行う狙いは、端的に言えば、「ビットコインとの連動からおさらばする」ためです。 

 「BTCの価格が下がると、アルトが暴落する。腹立つ。」という体験をしたことがある人は多いと思います。AMPLは、供給量の増減システムを組み込むことにより、急激な外的な需給変化に影響を受けないようにし、BTCの価格パターンから乖離するエコシステムを作ることを目指します。

 供給量の増減は、結果的に価格安定に寄与するものであることを踏まえると、AMPLはステーブルコインのような印象を受けたかもしれません。しかし、価格をドルにペッグさせているわけではないので、短期的な価格の増減は大いにあり得ます。一方で、全てがスマートコントラクトで調整されるために、ステーブルコインが抱える「常に担保となるドルを保有しなければならない」という課題は回避しています。

 運営は、AMPLについて、「ビットコインとステーブルコインのベストな部分を統合した新たな分散型資産だ」と説明しています。
 

(2)チームメンバー
 チームの中心は2名の共同創設者兼エンジニアです。

①Evan Kuo

  エヴァンはUCバークレー(米国のトップスクールの一つ)でメカニカル・エンジニアリングとコンピューター・サイエンスを専攻し、ロボティクスの研究をしていました。
 前職は、2014年に自ら起業したPythagorasというピザのサービス会社のCEOです。連続起業家です。

➁Brandon Iles
   ブランドンは、5年間、グーグルのサーチランキング関係の仕事をした後、Uberのランキング関係のチームに所属していました。コンピュータアルゴリズム関係の専門家と言えそうです。(米国ライス大学コンピュータ・サイエンスの大学院卒業)

 このほか、次のようなエンジニアが働いています。
Ahmed Naguib Aly・・・元Google勤務のソフトウェア・エンジニア。高校時代に国際情報オリンピックで銅メダルを獲得
Nithin Krishna・・・南カリフォルニア大学修士卒で、大学の研究室でビックデータ等のリサーチエンジニアとして活動。

また、経営アドバイスを行うアドバイザリー・ボードとしては、
Sam Lessin・・・Facebookでプロダクトマネジメント部門の副社長経験あり。
Niall Ferguson・・・スタンフォード大学フェロー。日本では、「劣化国家」や「マネーの進化史」の著者として、知っている方もいるかもしれません。
など、なかなか重量級が揃っています。

(3)AMPLの価格・供給量の推移
 まず、下が価格の変化です。
 6月まではおおむね1ドルで安定して推移していましたが、7月に入って、急激なボラティリティが生まれ、瞬間的に4ドル近く上昇しました。

 下は、供給量の変化です。価格の上昇に伴って、急激な供給増が起こっています。これにより、AMPLの時価総額は、6月21日の200位圏外から、記事執筆時点(2020年7月20日)には41位まで上昇しました。(CoinMarketCap調べ)

(図の出典は、ampleforth.org/dashboard)

 

以降は、金儲けのカラクリ、投資戦術、個人の投資戦績など、どぎつい内容になりますので、興味のある方だけお読みください。BTCがあれば読むことが可能です(価格は98円くらい)。読む方法については、この記事を参照のこと。

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