越冬

越冬

七十二候が啓蟄の初候、第七候、すごもりのむしとをひらく となりました。冬の間土の中でこもっていた虫たちがかおを出すころと暦が教えてくれています。

田んぼには今現在日本みつばちの巣箱が二つ置いてあります。一つは元気そうで、陽気がいいと排泄をしに出かけたり、まだ花なんて咲いていないだろうと思うのですがどこで探してくるのか、足にたっぷり花粉をつけて持って帰る姿が見られたり、巣箱の前で羽を慣らすかのように飛んでいます。もう一つは元気がなくて全く出てきません。ついこの間まで、もう一つの巣箱の蜂たちも天気が良く暖かい日には姿を見せてくれていました。・・これは越冬できずに全滅してしまったかもしれない。。とこの数日悲しい気持ちでおりました。昨日元気のない巣箱の巣門(蜂が出入りするところ)に一匹蜂が出てきていて、力尽きたかのように倒れていました。まだ生きている様子で病気というわけでもなさそうだったのでこれは餌が尽きたのかもしれない。そしてもしかしたらまだ全滅していないかもしれないと思いました。なるべく体力を使わず、仮死状態を保って完全な春を待っているのかもという期待を持つことにしました。越冬時のミツバチは、仮死状態で冬の寒さから身を守り春を待ちます。・・巣箱の周りの雪の上にはよくミツバチが転がっています。山の天気は変わりやすくて晴れていてもみるみるうちに曇天となりあっという間に吹雪になったりするのですが、雪の上に転がっているミツバチのほとんどは、暖かい日に外へ出て急激な天候の変化で雪の上で仮死状態になってしまったのではと思われます。なぜなら、普通に見たら死んでるとしか見えないのですが転がっているミツバチを拾って手の上に置いていると、少しづつ息を吹き返して目覚めたかのようにもぞもぞ動き出し、数分もすればさっきまで死んでいたかと思えたのが嘘のように羽を動かし飛ぶまでに至ります。

そんな事例もあってもうすぐくる春本番の前に一度巣箱の中を確認してみることにしました。

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まず越冬のために巻いていた藁や毛布などを外していくと、なんと野ネズミが巣箱と藁の間で越冬しておりました。巻いていた毛布を上手にまあるく切り取って、藁とともに細かく刻んで巣を作り住んでいたようです。急に我が家を解体されたネズミが驚いて飛び出してきて私も驚いたのです。

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巣箱の中を覗くと、巣と巣の間に蜂の塊が見えました。蜂たちは何層もある巣の一番暖かいであろう中心部に集まって固まっております。餌がなくて全滅したミツバチたちは大抵、蜜の貯めてあった巣房に頭を突っ込んでいたり、巣の下に落ちて死んでいることがほとんどですが、今日確認した感じでは巣の下にミツバチの死骸もないし、これはもしかしたら大丈夫かもしれない!と淡い期待を持ちつつ巣箱の中にハチミツを少し入れてあげて、もとどうり藁と毛布を巻いてあげ様子をみようと思います。

明日からまた雪予報でその数日が過ぎたら、春がやってきそうです。この巣箱から元気なミツバチが飛んで出てきてくれることを願っています。・・野ネズミも戻ってきただろうか。

あと少しで春が来るよ。

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山奥の地元でニホンミツバチと暮らす人たちです。

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