Yahoo Boyという生き方
Yahoo Boyというのはナイジェリアのスラングで「インターネットのメール(Yahooメールなど)を通じて国際詐欺を働き大金を稼いでいる人々」を指す。この詐欺スキーム自体は「Yahoo-Yahoo」または「Yahoo-Plus」と呼ばれる。ヤフー社にとってはとんだ風評被害だし、真面目にビジネスをやっているナイジェリアの同胞からも嫌われている(ナイジェリア=詐欺というイメージが付いてしまったため、例えばWestern Unionからナイジェリアへの送金がブロックされたりする)。
しかしこのスラングは最近では意味が若干変わり、「本業で何をやっているのかはよくわからないが、出所の怪しい金を持っている人物」をこのように呼ぶこともあるようだ。また、アングラな世界の表現手段でもあるヒップホップのアーティストで、自らこのYahoo Boyの世界の出身であることを主張したりする人々も出てきており、「狡い寸借詐欺師」だけではなく「賢く金を稼ぐイケてるアーティスト」としてのイメージが一部では存在することも知って置かなければならない。
注目すべきは、以下のようにYahoo Boyの勤勉さを称賛する記事すらあるということだ。
http://thebusinessaim.com.ng/akinsanmi-simi-the-life-of-a-yahoo-boy-lessons-and-insights/
http://www.realitiesoftoday.com/2017/06/why-adopting-yahoo-boy-lifestyle-is-all.html
彼らが自身のことを詩的に書いたFacebookの投稿にもある種の誇らしさが感じられる。
oyiboとは白人という意味のスラング。大学を出ても他に選択肢がなく、どうしようもなく絶望した人々が刹那的に金を稼ぐ手段として活用しているのが実情だろう。それでもまだまだ個人主義・能力主義の営みである点が先進国の洗練・組織化・産業化された詐欺集団とは大きな違いで、アートやカリスマ、タレントとの類似点があるため「イケてる」イメージが成立する余地があるのだと思われる。
以下、有名なYahoo Boyのまとめサイト。タレント名鑑かな?Bitcoin Loadという名前の人もいるので現地のビットコイナーは風評被害を受けてそう。
https://www.legit.ng/1135798-top-10-richest-yahoo-boys-nigeria.html
https://informationngr.com/richest-yahoo-boys-in-nigeria-networth/