🐇21のレッスン - ビットコイン・ラビットホールに落ちて学んだコト🕳️Lesson 9

🐇21のレッスン - ビットコイン・ラビットホールに落ちて学んだコト🕳️Lesson 9

🐇Lesson 9🕳️
インフレーション

「ここでは、よいな、同じところにとどまっていたければ、力のかぎり走らねばならぬ。どこかにゆきつこうと思えば、その二倍の速さで走らねばならぬ。」
引用元:不思議の国のアリス

金融インフレ、そしてビットコインのような非インフレシステムがどのように我々のやり方を変えうるかを理解することが、私のこの経済学への冒険の出発点だった。インフレが、新しいお金が生み出される割合である事は知っていたが、それ以上の事は知らなかった。

インフレは良いことだと主張する経済学者がいる一方、安易にインフレさせることができない“ハード”なお金 — 金本位制の時代にあったような — が健全な経済には必要不可欠だと主張する人々もいる。2,100万枚という固定供給量を持つビットコインは、後者の陣営に同意している。

通常、インフレの効果はすぐには分からない。インフレ率(およびその他の要因)に応じて、原因と結果の間の時間は数年に及ぶこともある。それだけでなく、インフレはあるグループより他のグループにより大きな影響を与える場合がある。ヘンリー・ハズリットが、世界一シンプルな経済学の中で指摘しているように

「経済学とは、政策の短期的影響だけでなく長期的影響を考え、また、一つの集団だけでなくすべての集団への影響を考える学問である。」

私の個人的な閃きの瞬間は、新しい通貨の発行 — さらなる紙幣の印刷 — は、その他全ての経済活動とは全くもって異なる経済活動であるという認識だった。実際の商品や実際のサービスは、現実の人々に現実的価値をもたらすが、紙幣を印刷することは事実上、反対の効果を生む。つまり、インフレさせられる通貨を持っている全ての人から価値を奪い取る。

“単なるインフレ — つまりは、賃金と物価の上昇の結果として、単にさらなる紙幣を発行すること — はより多くの需要の創出に見えるかもしれない。しかし実際の生産と現実の物の交換の観点からは、そうではない。”
ヘンリー・ハズリット

インフレの破壊的な力は、少しのインフレが大きくなるや否やすぐに明らかになる。もしお金がハイパーインフレを起こすと、事態はあっと言う間に醜悪なものとなる。インフレした通貨が崩壊すると、時間と共に価値の保存ができなくなり、人々は急いで(代わりに価値の保存が可能な)あらゆる商品を手に入れだすことになる。

ハイパーインフレのもう一つの結果は、彼らが生涯を通じて貯め込んできたお金が全て、事実上、消え去ってしまうことだ。財布の中の紙幣は、もちろんまだそこにある。だが、それはまさに価値のない紙切れとなってしまうのだ。

ワイマール共和国でのハイパーインフレーション(1921-1923)

お金はいわゆる“穏やかな”インフレでも同じように価値が低下する。ほとんどの人々が、購買力の低下に気づかないくらいゆっくりとそれは起こる。そして一旦、紙幣の印刷機が稼働すると、通貨は簡単にインフレを起こし、かつては穏やかなインフレであったものは、ボタンを押すことで強力なインフレに変わってしまう可能性がある。フリードリヒ・ハイエクが彼のエッセイの中で指摘したように、穏やかなインフレはたいてい完全なインフレへと繋がる。

"“穏やかで” 安定したインフレなど助けにならない。 —  それは完全なインフレにしか繋がらない。”
フリードリヒ・ハイエク

インフレは、紙幣の印刷機に近い人間に有利がゆえ、とりわけよこしまだ。新しく作られたお金が流通し、価格が調整されるのには時間がかかるため、もし他の人の価値が下がる前に、より多くのお金を手に入れることができるなら、インフレ曲線に先んじることが可能になる。これは、インフレが隠された税金として見られる理由でもある。なぜなら最終的には政府がそれから利益を得る一方で、他の皆がその代価を支払うことになるからだ。

“歴史の大部分はインフレの歴史であり、通常それは政府の利益のために政府によって設計されたインフレの歴史と言っても過言ではない。”
フリードリヒ・ハイエク

これまでの所、あらゆる政府がコントロールする貨幣は最終的には置き換えられたか、完全に崩壊した。インフレ率がいかに小さかろうが、“安定した”成長とは単に指数関数的な成長を表す別の言い方に過ぎない。経済のような自然においては、指数関数的に成長するあらゆるシステムは、最終的には横ばいになるか壊滅的な崩壊に苦しむこととなる。

“自分の国では起こらないだろう”が、おそらくあなたが考えていることだろう。だがあなたが、ハイパーインフレに目下苦しんでいるベネズエラ出身なら、そうは思わないはずだ。インフレ率が100万パーセントを超えたら、貨幣は基本的に価値を失う。

今後数年間や、あなたの国で使用している特定の通貨では起こらないかもしれない。だが、歴史的な通貨の一覧を一目見れば、十分な長い時間においては避けがたくそれが起こることを示している。私はこれら一覧の多くを覚えているし、使ったこともある。オーストリアのシリング、ドイツのマーク、イタリアのリラ、フランス・フラン、アイルランド・ポンド、クロアチア・ディナールなどなど。私の祖母は、オーストリアハンガリー・クローネさえ使用した。 時間が経つにつれ、現在使われている通貨はゆっくりと、しかし確実にそれぞれの墓地へと移動する。それらはハイパーインフレを起こすか、置き換えられる。それらはすぐに歴史的な通貨となる。我々がそれを時代遅れにするからだ。

“政府がマネー供給をインフレさせる誘惑に、避けがたく屈服するのは歴史が証明している。”
サイフェディアン・アモウス

ビットコインはなぜ違うのだろう?政府に規制された貨幣と対照的に、政府によってではなく、物理法則によって規制される貨幣財は、長い年月にわたって生き残り、それぞれの価値を保存しさえする傾向がある。今の所、これのベストな例は金でありちゃんとしたスーツに対する金のレートというぴったりな名前が示すように、その価値を何百年、さらには何千年に渡って保存し続けている。完全には“安定”していないかもしれないが — “安定"がそもそもが疑わしい概念ではあるが — 金が保存する価値は少なくとも同じ指標となるだろう。

貨幣財や通貨が、時間と空間を超えてその価値を保存する時、それはハードと見なされる。簡単に劣化したりインフレして、その価値を保存できないならそれはソフト通貨と見なされる。ハードさの概念はビットコインの理解に必要不可欠であり、より徹底的な調査に値する。この話題には最後の経済学のレッスンで立ち戻ることにする。サウンドマネー(健全性を持つお金)として。

ますます多くの国々がハイパーインフレに苦しむにつれ、より多くの人々がハードとソフトなお金と言う現実に直面しなければならない。運が良ければ、一部の中央銀行ですら、金融政策の再評価を余儀なくされるだろう。何が起ころうとも、ビットコインのおかげで得た洞察はその結果に関係なく、おそらく非常に貴重なものとなるだろう。

ビットコインは私に、インフレに隠された税金とハイパーインフレによる大惨事について教えてくれた。

 

 

(C)Gigi "21 Lessons" クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に基づき翻訳

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『俺が、そしてここへ来て、全てをBitcoinに捧げた奴等が望んだのは、俺たちがサトシを愛したように、サトシも俺たちを愛してほしい、それが俺たちの望む事だ!』ランボーのコスプレで₿を乱射しながら崖からダイブ!

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