グラスの形状で味わいが変わる?!赤ワイン編

グラスの形状で味わいが変わる?!赤ワイン編

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「あ~、なんでこのグラスに入れちゃったの?」

 

これは、あるレストランでの私の心の声であります(笑)。明らかにがっかり感満載ですが、一体なにが起こったのかを順を追ってお話します。

 

ある時、私はホテルの中にある鉄板焼きレストランへ行きました。地方都市ですが、それでもそこそこのお値段のするレストランです。そして、コース料理とまずはビールをオーダーしました。

 

ビールを飲みながら、焼き野菜などの前菜を楽しみつつ、お料理がメインのお肉に差し掛かったので、このタイミングで赤のグラスワインをオーダーしました。フランスのボルドー地方産で、渋みがしっかりとした果実味やコクのあるタイプで、赤身肉との相性も抜群です。

 

そして、待ちに待った赤ワインがこんなグラスで提供されました。

えー!?そして、私は思わず冒頭のような心境になってしまったのです。ちなみに、私が求めていたグラスはこんな感じのものでした。

 

「グラスの形が違っただけでそんなにがっかりするか?」と思われるかもしれませんが、実はこれ、かなり重要な事なのです!なんと、グラスの選択ひとつでワインの味わいが全く違ったものになってしまうんです!

 

一体どういう事なのか、簡単に説明したいと思います。

 

赤ワインは、大きく分けると2種類のタイプに分ける事が出来ます(かなり大まかな分け方ですが)。1つは、今回私がオーダーしたボルドータイプと言われる、果実味や渋みが豊かな赤ワイン(品種だとカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなど)、もう一つはフランスのブルゴーニュ地方で造られているような、酸味が比較的豊かな赤ワイン(品種だとピノ・ノワールやネッビオーロなど)です。

 

そして、ワイングラスにも一般的に「ボルドー型」と呼ばれるタイプと、「ブルゴーニュ型」と呼ばれるタイプが存在します。

 

これが「ボルドー型」の形状です。

 

そして、これが「ブルゴーニュ型」の形状です。

 

見比べてみると、その違いが分かると思います。そして、それぞれのグラスは、その名前のタイプのワインを飲む為に造られているのです。では、グラスの形状の違いによって、具体的に何が変わるのでしょうか?

 

それは、口の中にワインが入って来た時の流れ込み方が変わるのです。まずはボルドー型ですが、この形状のグラスは飲む時に頭を後傾させなくても、グラスが水平になれば自然とワインが口の中に入ってきます。この時、ワインはゆっくり広い幅になって口内に広がっていきます。すると、渋みの豊かさや複雑味を舌全体で感じる事が出来るのです。

 

一方のブルゴーニュ型は、形状が金魚鉢のように膨らんでいる為、グラスが水平になってもワインが流れ込んで来ません。ですから、この形状のグラスで飲む時は自然と頭を後傾させなくてはなりません。すると、傾斜がついている分、ワインは口中で細い幅になり舌先から喉元までなめらかに流れ込んでいくので、過度に酸味の刺激を感じずにバランス良く楽しむ事が出来るのです。

 

流れ込み方によって味わいが変わる理由については、様々な意見があります。昔私が習ったころは、舌の場所によって感じる味覚が違うと言う学説に沿って教わりました。しかし、最近ではこの学説は正しくないと言う説もあります。ですから、科学的と言うよりは経験的な事実として成り立っているようです。

 

今回の私のケースでは、ボルドーの赤ワインをオーダーしたのに、ブルゴーニュ型のグラスに入れられていた訳です。これが居酒屋とかであれば、まあしょうがないかってなるのですが、良いお値段を取る、しかもソムリエもいるであろうホテルで起こってしまったので、本当にがっかりしました(笑)。

 

いかがでしたか?今回は赤ワインのグラスについて説明しましたが、もちろん白ワインやスパークリングワインに関しても相性の良いグラスは存在します。また機会があれば、別のグラスについても書いてみたいと思います。そしてみなさんもぜひ一度、ご自身でグラスの違いによる味わいの違いを確かめてみて下さい。同じワインを形状の違うグラスに入れて、それぞれ味見してみると、その違いにびっくりされるはずです(笑)。

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