愛すべきイタリアワイン
みなさんこんにちは。みなさんはイタリア人と聞くとどんなイメージをお持ちですか?情熱的であったり、陽気であったり、大雑把で細かい事は気にしない、みたいな感じでしょうか(笑)?
もちろん、全てのイタリア人がこれらの気質に当てはまる訳ではありませんが、今回はそんな気質を容易に想像させてくれた、あるイタリアのワインについて書いてみようと思います。
これはあるワインショップで本当にあった話です。
そのワインショップには、ほぼ毎日のようにワインの納品があり、その日も店員さんが納品されたワインの陳列作業をしていました。段ボールからワインを取り出し、ボトルを綺麗に拭いて、陳列棚に置く、この作業をしている時に、ある異変に気付きました。
取り出したイタリアの赤ワインのラベルに、赤いシミのようなものが付いていたのです。そして瓶の口の方を見ると一筋の液体が流れた跡が残っていました。そのため、この店員さんは「ワインの噴きこぼれ」が起こったのだと推測しました。
「ワインの噴きこぼれ」とは、ワインの温度が急激に変化すると、外圧と瓶内の内圧の差が生じ、コルクが蓋をしていても瓶口から内部のワインが外に漏れ出る現象です。夏場など、涼しい場所から急に外の高温下にさらされたりすると起こります(詳しくはこちらをご覧ください)。
当然噴きこぼれが発生したワインは売り物にならないので、売り場から下げます。そして、瓶口の部分がどんな状態になっているかを確認するために、キャップシール(瓶口を覆っているフィルムの部分)を外しました。すると・・・
なんとすぐに液面が見えたそうです。つまり、あるはずのコルクがどこにも見当たらなかったのです(笑)。キャップシールは普通にされていたので外に抜け落ちた可能性はなく、かといって瓶内にもコルクが落ちている形跡はありませんでした。つまり・・・
「最初からコルクが打たれていなかった!?」
ことになります(笑)。そう、まさかのコルクの打ち忘れ(笑)。と言っても、恐らくは手動ではなくて機械でコルクを打っているはずなので、何かしらの機械トラブルでこのワインだけコルクが打たれずに出てきてしまったのでしょう。
そして、その後の検品にも引っ掛からずに出荷されて、コルクがない状態で海を渡り日本までたどり着いてしまったのです。恐らく、日本ではこう言ったミスはほぼ起こらないと思うのですが、そこはなんとも大雑把な気質の?イタリアらしい感じがしました。
そして、ここからはあくまでも私の想像ですが、この件でクレームを入れても「あれ?コルク打ってなかった?ごめんごめん、まあ、たまにはそんな事もあるさ。代わりのワイン持ってってよ。」ってな感じで笑顔で押し切られそうです(笑)。
まあ、本来あってはならないミスなのですが、そう言った大雑把な部分が時より垣間見れるのも、イタリアワインの魅力に感じてしまうのは、私だけでしょうか(笑)。そして何より、キャップシールだけで海を越えて、日本までほぼこぼれずに(中身の量はほとんど減っていなかったそうです)たどり着いた事自体が奇跡です(笑)。
ちなみに、そのワインがどんな状態なのか怖いもの見たさでテイスティングをしてみたそうですが、セメダインのような香りがして、刺激のある酸っぱい味わいだったそうです。これは、確実に瓶内で微生物汚染が発生している証拠なので、良い子のみんなはコルクの打たれていないワインを見つけても、絶対に飲まないようにしましょう(笑)。