2018年の暗号資産市場でなぜ売り抜けることができなかったか
これはなにか
2018年の暗号資産市場は1月をピークに下落相場となりましたが、その下落相場でなぜ売り抜けられなかったのか、どうすれば売り抜けられたか、次に備えどのような対策がいまからできるか、について筆者の体験や考えについて執筆した記事です。
なぜ書くか
暗号資産市場は2021年以降に次の大相場が来るであろう見通しであり、いまから過去の振り返りを行うことで次の大相場に活かしたいため。また、その学びを他のトレーダーと共有することに一定の社会的意義があると判断したため。
そもそも、たられば論に意味はあるか
賛否分かれますが、対象が正しく且つ正しい振り返りであれば、いわゆるたられば論にも意味があると考えています。前提として、暗号資産市場は半減期や市場参加者の感情により、ほかの金融資産と同様に一定のサイクルを形成するものであるとの考えです。そのため過去の下落相場における自己の振る舞いを振り返り、次の相場に準備することはトレーダーとして有意義な行為であると考えています。
相場のサイクルにおける考え方としては下記書籍を参考にしています。
なぜ売り抜けられなかったか
出口戦略が決まっておらず、いつまでも上がり続けるものと錯覚していたため。筆者は2017年5月より暗号資産市場に参入しました。暗号資産に限らずトレード行為自体がはじめてでした。そのため市場全体の熱気や盛り上がりに引っ張られ、利益は一定出ていたものの「いつこの熱気は終わるのか」「この上昇相場ではどこを出口戦略とし、いつ売り抜けるのか」といった発想が皆無でした。そもそも「上昇相場」「出口戦略」といった知識や発想自体がありませんでした。そのため下落相場がはじまりBTCが180万円、150万円と下がり続けてもHODL、入金を続けるなどずるずると相場の下落に引っ張られ、2018年は最悪のパフォーマンスを記録しました。
当時売り抜けられていたとしたら、なにをどうしていれば売り抜けられていたか
- 暗号資産をはじめとした相場の過去の歴史を知り、いつまでも上がり続ける相場はないことを理解できている
- BTCの過去のチャートを見て「一定ここまでの価格までは上がるが、この価格以上は危険な水準ではないか」の見立てを立てられている
- 靴磨き少年の逸話から相場がピークを迎えていることに気づけている
ができていれば、一定の水準で売り抜けられていたのではないかと考えています。当時からトレードに関する書籍を読み学習を進めていました。ただ、学習をはじめてからまだ日が浅く、且つ本業が忙しく時間的にもマインド的にも十分な時間を投下できていなかったことが、上記に至れなかった大きな要因です。
また、靴磨き少年に近いエピソードも経験していました。2017年12月に松屋でDQNが暗号資産の話をしておりその異様さに気づいてはおりましたが、それが相場のピークであるとの判断には至れておりませんでした。当時はほかにも、オフィスのエレベーターに乗るたびに同乗者が暗号資産の価格の話をしているなど、いまから考えるとシグナルとして値する異様な事象が多々ありましたが、それをシグナルとして理解しトレードに活かせなかったことはトレーダーとして大変未熟であったと考えています。
当時の異様な様相については下記で振り返りを行っています。
暗号資産の次の上昇相場でいまからなにができるか
出口戦略として自分が売り抜ける価格帯を一定定めておくことが重要であると考えています。2018年の下落相場以外でもそうですが、自身のトレードを振り返ると、予想できた価格変動については冷静に的確に意思決定が行え一定のパフォーマンスを出していますが、予想できていなかった価格変動については、損切りできない、買えないなど著しく悪いパフォーマンスを出しています。
予想しえない価格変動に対して的確な意思決定が行えないのは「その価格変動に対して準備不足で正しい分析が行えていないため」「予想外で焦ってしまい、心理的な変化が意思決定に色濃く影響してしまうため」と分析しています。
また、相場が盛り上がると価格予想も強気な予想が占めるようになり、そこに自身の心理状況も合わさるため、上昇相場に本格的に突入してから冷静に出口の価格帯を予測するのは困難になると考えています。
上記を踏まえ、相場が盛り上がってきたタイミングで分析し対応することは最初から目指さず、上昇相場がまだ来ていない、市場も自身も冷静ないまのうちから「一定これくらいの価格帯まで到達し、その後下落相場に推移するであろう」と予測・準備しておくことが重要であると考えます。
具体的にはどのような出口戦略か
いくつかの要素から2021年末をピークとして1BTCあたり800-1,200万円ほどになると予測しています。そのためこの時期またはこの価格帯前後で分割しての売却を出口戦略として考えています。
そのほか、前述のようなシグナルは十分に観察しつつ、適宜若干の修正は行うと思いますが、意思決定を覆すような大きな新事実が出てこない限りは、出口戦略を変更しない予定です。
具体的にどの程度の価格まで到達するかは人によって意見が異なりうるのでいくらでもいいと思いますが、いまから出口戦略を決めておくこと自体が非常に有意義であると考えています。