為替介入とインフレ|世界における暗号資産決済の重要性
Hey!👋
今週は、日本市場では24年ぶりの為替介入が実施され、大きな話題を集めましたね。
米国市場では、
・利上げによる経済の減速
・労働市場の低迷と人件費削減
などによって、インフレの沈静化を図っていますが、その効果はすぐには現れていません。
「低インフレ/通貨安」状態にある日本市場においては、高インフレに悩む他国とは異なり、直近での利上げの必要性がなく、米国市場の景気後退とインフレの状況に応じた金融財政政策によって過度な円安を抑えつつ、経済活動を安定化させるのが最適とも考えられます。
しかし、円安による輸入品の価格高騰は、家計だけではなく、第一次産業を中心に大きな影響を及ぼしており、2023年にかけての世界的な景気後退とドルの独歩高が続くことを想定した取り組みが必要とも言えるでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a92adaaf8825bfb243c0d603fff3a912de63ea60
為替介入、インフレなど、これまで以上に通貨や経済が不安定化している現在において、急速に普及している暗号資産決済について、その重要性を今回は考察していきます。
CBDC
CBDC市場では、米国においてステーブルコイン規制とともにデジタルドルについての検討がなされている他、米国からの制裁回避を目的にイランにおいても国際貿易における決済手段としてDigital Rialの実証実験が予定されています。
デジタルドルは、ステーブルコインを規制し、金融の安定性化を確保することが発行の1つの目的と考えられますが、発行時期などまだ明確な取り組みについては不透明な状況です。
基軸通貨として米ドルは、ステーブルコインとしてCrypto市場においても大きな役割を果たしており、ラテンアメリカなどインフレに悩む国々においては米ドルへのアクセス方法として利用が広まっています。
一方、ロシアやイランなど米国から制裁を受けている国々とって暗号資産による国際決済は非常に魅力的な選択肢となっています。
暗号資産の決済手段としての利用拡大は、
・ステーブルコインを介した米ドルへのアクセス
・SWIFTを介さない国際決済方法の確立
といった2つの側面を持っています。
また、各国のCBDC開発に先駆けて、中国では広東省など4つの省でデジタル人民元の利用を拡大すると中国人民銀行が発表しており、もしも、ロシアやイランが国際決済においてデジタル人民元を利用する時代が来た時、米国がどのような対応を行うのかなど、気になるところですね。
Stablecoin
ステーブルコイン市場においては、米国が規制に関する法案を提出し、2023年Q1までには可決される見通しであるとの報道がなされていました。
Terra/UST事件の影響は大きく、アルゴリズムステーブルコインが2年間発行禁止となる内容が盛り込まれており、Synthetix USD、BitUSDなどもその対象となるのかなど協議が行われています。
ECは、暗号資産に関する包括的な規制法案「MiCA」において、米ドルペッグのステーブルコインに関して、制限対象としないことを明らかにしていますが、通貨バスケット連動暗号通貨など実験的な取り組みは難しそうな市場環境になってしまうのは、少し残念ですね。
Crypto Payments
Crypto Payments市場全体では、各国においてさまざまな取り組みが発表されており、
・ステーブルコインを介した米ドルへのアクセス
・SWIFTを介さない国際決済方法の確立
といった側面で決済の需要が高まっています。
新しい決済ネットワークとしての暗号資産が、米国の金融の安定性や国家的な安全保障に大きな影響をもたらさない形での発展が期待されますが、実際にロシアやイラクでの暗号資産による国際決済規模が拡大した時には、決済についても規制対象となるとも考えられます。
トルネードキャッシュ事件にあったように「決済(国際送金)におけるプライバシー保護」はデジタルな決済市場における大きな課題でもあり、究極的に探究されるテーマでもあります。
すでに暗号資産決済市場は、大きな成長を遂げており、これまで以上に通貨や経済が不安定化している現在において、その役割は日増しに大きくなっていると言えます。
■主なトピック
・ロシア銀行/財務省が暗号資産による国際決済について全体的に合意
・暗号資産取引所「Bitso」がアルゼンチンでQRコード暗号資産決済サービスを開始
・Binance Payがバーレーンでのサービス提供を開始
Bitcoin/Lightning Network
2010年代は、国家運営の安定化と景気の刺激策として各国が金融緩和政策に取り組み、多くのイノベーションや企業活動の活性化を支えていました。
2020年代は、世界的な量的緩和バブルの崩壊が現在進行形で進み、これまでの金融緩和政策の効果が期待できなくなると仮定した場合、先進国においては低成長時代が訪れるとも考えられます。
下記の記事においては、1800年代から続く米国への経済的な依存と政治的支配を主題に中央アメリカにおける国家主権の回復の実現についてが描かれています。
BITCOIN IS THE OPPORTUNITY FOR A NEW ECONOMY IN CENTRAL AMERICA
After years of oppression and nation-state level gaslighting, Bitcoin represents new hope for Central America.
https://bitcoinmagazine.com/culture/bitcoin-is-opportunity-for-central-america
暗号資産が通貨として機能する本質的な意味は、これまでの米ドル覇権/不換紙幣による通貨システムのもと国際社会から虐げられてきた国家や人々の主権を回復することが第一に挙げられます。
現在のところ、アルゼンチンにおいては、ステーブルコインの利用によって、米ドルへアクセスできることで、アルゼンチンペソのインフレの影響を軽減し、人々がより利便性の高い生活を送ることができるといったユースケースが生まれています。
そして、今後は「ニクソン・ショック」から始まった不換紙幣による通貨システムでは、国家運営の安定化と景気の刺激策を実現できないと仮定した場合、基軸通貨としての米ドルをはじめとして国家が発行する通貨自体の価値が不安定化することが予想されます。
不換紙幣による通貨システムは、これまで世界の経済成長を促進し、2020年以降の通貨の大量発行によって、世界の危機的な状況から人々を一時的に支えましたが、現在はインフレの抑制が急務な状態となっています。
貨幣経済が今後、どのように機能するかについては未知数な部分は多くあり、国家による暗号資産の採用の増加によって、暗号資産が、これまでの決済ネットワークの代替となることは一部に留まると想定されます。
その一部が国家や人々が主権を回復することに繋がり、不換紙幣による通貨システムが機能しない領域を暗号資産がサポートすることで、より優れた貨幣経済構築のきっかけとなることを筆者は願っています。
国家と通貨は、インフレ、社会主義の台頭、Cryptoなどさまざまな新しい概念を取り込みながら、進化すべきフェーズにあると考えられ、暗号資産決済の普及を通じて、より優れた貨幣経済の構築をサポートできればと思います✌️
✅CBDC
US Stablecoin Bill Negotiations Wrestled Over Digital Dollar Approval: Source
Digital Dollar Likely Won't Be Part of Retail Banking World, US Lawmaker Says
US Digital Currency a ‘Unanimous Need’ to Compete With China: House Committee
https://decrypt.co/110197/us-digital-currency-a-unanimous-need-to-compete-with-china-house-committee
China will expand CBDC trials to most populous province: Report
https://cointelegraph.com/news/china-will-expand-cbdc-trials-to-most-populous-province-report
Iran to Start Testing a Digital Rial This Week
https://www.coindesk.com/policy/2022/09/21/iran-to-start-testing-a-digital-rial-this-week/
The report says a technical design choice “does not presuppose” that a CBDC would use a distributed ledger.
https://www.coindesk.com/policy/2022/09/22/heres-whats-in-the-white-houses-crypto-reports/
The crypto rial has also been seen as a means of counteracting the corruption that is pervasive in Iran. Development of the crypto rial began in 2018, and the Central Bank has been promising to trial the CBDC all year.
#HyperledgerFabric
✅Stablecoin
Stablecoin restriction dropped from E.U. digital asset framework
https://www.theblock.co/post/171740/stablecoin-restriction-dropped-from-e-u-digital-asset-framework
Draft US stablecoin bill would ban new algo stablecoins for 2 years
https://cointelegraph.com/news/draft-us-stablecoin-bill-would-ban-new-algo-stablecoins-for-2-years
Digital bank FV Bank integrates USDC stablecoin for direct deposits
https://cointelegraph.com/news/digital-bank-fv-bank-integrates-usdc-stablecoin-for-direct-deposits
There is a small chance the U.S. House of Representatives could pass the bill to regulate stablecoins by year-end, though it's more likely it will pass in the first quarter of 2023.
✅Crypto Payments
Hearing: Alternative payments’ threat to national security goes far beyond crypto
Congress demands crypto payments notification from State Department when helping Ukraine
The Bank of Russia and the country’s Ministry of Finance have reportedly reached an agreement allowing cross-border settlements in cryptocurrencies.
Bitso introduces crypto QR payment tool in Argentina
https://www.theblock.co/post/172288/bitso-introduces-crypto-qr-payment-tool-in-argentina
The Central Bank of Bahrain gives the nod to EazyPay, launching crypto payments for more than 5,000 payment gateways in the country.
https://cointelegraph.com/news/regulated-fintech-in-bahrain-enables-crypto-payments-with-binance
✅Crypto mixers
TC is the latest chapter in the war against encryption
https://cointelegraph.com/news/tornado-cash-is-the-latest-chapter-in-the-war-against-encryption
US Treasury official says crypto mixers are a 'concern' in enforcing sanctions