今錦 純米吟醸を飲んでみた
みなさんこんにちは!今回も、以前ご紹介したオンライン酒蔵ツアーで頂いた日本酒について、蔵元さんから伺った情報なども交えながらお伝えしたいと思います。酒蔵さんの情報などは、前回の記事でご紹介したので興味がある方はぜひそちらもどうぞ!では、さっそくいってみましょう!
二本目に頂いた日本酒がこちらです。
今錦 純米吟醸 酒槽搾り 長野県産美山錦100%使用 精米歩合55%
この銘柄は、2018年にベルギーで開かれたコンクールの純米吟醸部門で世界一を取ったそうです(今回飲んだのは2020年醸造)。
しかし、毎年同じように造っても、同じクオリティを維持するのは本当に難しいそうです。そんな中で、2020年の出来は世界一を取った2018年にかなり近いそうです。
お米は長野県で開発された美山錦(みやまにしき)を使用しています。美山錦は、山田錦、五百万石に次ぐ全国生産量第3位の酒米で、寒さに強いため長野をはじめ主に東北で栽培されています。美山錦で造った日本酒は、軽快で線が細い、すっきりとした味わいになると言われています。
そして特徴的なのが、この日本酒に使用された酵母です。長野県で開発された長野D酵母と呼ばれる酵母を使用していて、とても華やかなデリシャスリンゴのような甘い香りが出るのが特徴です。しかし、ものすごく酵母が弱いらしく、すぐにへたってしまうのでコントロールするのがとても大変だそうです。実際、今回3つ仕込んだ内の1つは失敗してしまったそうです(蔵元さんは「この話は内緒ですよ」と言っていたので、みなさんもくれぐれも他言しないように(笑))。
この純米吟醸は、造りたての方が美味しいそうなので早めにリリースするそうですが、前回の特別純米酒のように、良い環境に置いておくと1年後には劇的に味わいが良くなる事がざらにあるそうです。なので、失敗してしまった1つに関しては、この劇的な変化にかけているとの事でした(美味しく変化する事に期待!)。
では、外観を見てみましょう。前回の特別純米酒と同じような、淡いシルバーがかったクリスタルの色調です。
次に香りです。まず最初に飛び込んでくるのは、グレープフルーツや、まさにリンゴを思わせる華やかな吟醸香です。そして、お米由来の白玉団子や上新粉の香りに、スイカズラのような白い花、更には鉱物的なミネラル感にクリーミーな乳製品を思わせる香りも続きます。ずっと嗅いでいたい香りです(笑)。
次に味わいです。口当たりは穏やかな甘味を感じつつ、中程度の酸味がバランスを取りながら、中盤にかけてお米由来の旨味がスーッと細く長く上品に伸びていく感じです。そして余韻にも雑味がなく、優しい苦味が綺麗に、そして全体を凛とした佇まいに仕立て上げます。美山錦の特徴であるすっきりとした、それでいて中心にはちゃんと芯があるような、非常に上品な味わいでした。
最後に合う料理についてですが、前回と同様、生ハム、しらすと大根おろし醤油、酢豚、パルミジャーノチーズと合わせました。まあ、結論から言うとどれも合います(笑)!生ハムに関しては、吟醸香由来のフルーツ感が、生ハムメロン的なニュアンスになりよく合いました。しらすと大根おろし醤油に関してもよく合いましたが、醤油をポン酢にしたらポン酢の柑橘系のフルーティーな感じが吟醸香と合ってより良くなりそうでした。酢豚に関しても、甘酢と日本酒のフルーティーなニュアンスはよく合うし、これでパイナップルでも入っていたら完璧でした(笑)。
あと、この日はデザートに芋ようかんを食べたのですが、これが意外とよく合いました。芋の甘味や風味と日本酒のリンゴ感がお互いをより引き立たせる感じで、まるでさつまいものリンゴ煮のような感じでした。
いかがでしたか?これまで長々と書いてしまいましたが、要するに「美味しい日本酒だった!」と言う事を言いたかった訳です(笑)。特に、吟醸スタイルのお酒は、ワインの様な華やかな香りがするのでワイン好きの方にもおすすめです!最後に、有料部分には「酒槽搾り(さかぶねしぼり)」について書いてみました。これもちょっと専門的な話になりますが、興味がある方はぜひどうぞ(簡単に説明すると、とても手間はかかるけど美味しいお酒が搾れる方法と言う事です(笑))。