梅の実の誘惑 梅雨のさなかに気になる梅の果実の熟しぐあい

梅の実の誘惑 梅雨のさなかに気になる梅の果実の熟しぐあい

はじめに

 梅花を楽しんだあとは実がなる。そしてなにより梅酒。庭の梅で手づくりしている。

梅雨とはよく言ったもの。今年は梅雨のさなかに梅の実が実りつつあるタイミング。植物だって生き物。待ってくれない。ここ数日は梅の木のペースにしっかりはめられている。

雨の合間のいろいろな梅の実にまつわる作業のようすの一片を。

梅雨のさなかに

 今年の梅雨はどういうわけか3週間あまり早く到来。そのため葉についた雨のしずくに雨がっぱをぬらしながら梅の実を収穫。例年のようにさわやかな5月のすずやかな風にあたりながらの収穫というふうにはいかなかった。

実の充実ぐあいを観察しながら青梅を収穫する。毎日見ていると採り頃ですよと教えてくれる。表面の産毛がすこしつるりとすべすべになってくると青梅は採りごろという。それにしたがい、さっさと指でもいでいく。

収穫自体はあっという間。それもそのはず。用途に合わせて採るタイミングがちがう。上の写真のように青梅の黄緑から杏色の完熟梅へと色づいてくる。もっと茜色に赤く色づく品種もある。赤っぽい梅酒ができるはず。

青梅は梅酒用。しかも梅の木ごとに収穫時期がちがう。この木はどちらかというと中生。実生苗なので実の収穫がなるまでわからなかった。それから日本各地の寒暖などによって熟す時期は異なるので注意していただきたい。

梅酒をつくる

 ごく平凡なやり方。これで十分においしい。今はちょうど3年ものを飲みながらこの作業をすすめている。ふたびん仕込んでから1週間目となる。こんなかんじ。

梅と同量の氷砂糖と1.5倍量のホワイトリカー。ただそれだけ。今回100円ショップで仕入れたガラス保存瓶をひと瓶と、前に漬けていた梅酒瓶1瓶をそのまま利用している。

すでにこのやり方で何回つくっただろう。何も不都合は生じていない。果たして失敗することなどできるのだろうかというほどかんたん。庭に出て収穫から15分ほどですべての作業を終える。(注:前もってびんはよく洗っておく)

3か月ほど置くと飲める。おいしいのは1年過ぎたぐらいから。琥珀色を呈してくる。いまは3年前のものをちびりちびりと飲んでいる。さすがにまろやかなあじわい。実も食べられる。

梅ジュース

 それと今回はじめて梅ジュースをつくろうとしたが、洗ったあとにホワイトリカーを振りかけるのを忘れて発酵させてしまった。実の表面にふつうにいる酵母のいたずら。シュワシュワとサイダーのごとき泡がいつまでも出ている。

氷砂糖が少なかったことも酵母を働かせてしまった原因か。ぶどう酒はもともとはこうやってできていたのかなと思わせる現象で、なかなか興味深い。しばらく観察してみようと思う。

いたるところにいる酵母の挙動を探る意味でも面白いなと感じる。

梅干し

 梅干しづくりはまだこれから。完熟梅を何とか手に入れたいと庭の梅の木をじっと眺めている。どうしても木に留まっていられない実がぽとぽと落ちてしまっている。これを拾ってもいいのだが、やはりよく見ると傷ついていることがある。

せっかくまるごと使って梅干しにするならば、木で完熟を迎えた梅で作りたい。これからあとの段取りとしては、完熟梅を塩漬けにして、途中で紫蘇を加え、その後に干す。

そののちは保存。梅雨があけるのが待ち遠しい。塩漬け梅をひろげて干す竹製のざるを洗っておかなきゃ。

紫蘇はみかん畑にいやというほど生えている。それをタイミングをみて使おうかと思っている。

おわりに

 どれも日常の家事の合間にできる作業。流行り病のため、家に留まっていることが多く、こうした身近な作業が思いほかすすむ。

こうして日常の食事に彩りをくわえてくれるものをふやしておきたいと思う。

梅はいにしえの時代から愛でられ、さまざま利用されてきただけに奥が深いし、やはり自分は日本人なんだなとか、これも日本の文化なんだなとしみじみ感じられる。

なかなかたのしい。

追記

 (梅干し)6月11日に畑の赤しその葉を摘み、2回半量の塩でもみ、上がってきた梅酢と混ぜ、それぞれの瓶にわけて入れた。梅雨明け後に干す予定。例年、茂るほどの畑の赤しそが今年は少ない。こんな年はめずらしい。

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