小林秀雄「個性と戦う」
前回の記事を書いてから小林秀雄について興味を覚えたのでYoutubeで検索したら、氏の講演を録音したものがいくつかアップされていました。その内の1つに「個性と戦う」というものがあったので、それを聞いてみて感じたことがありました。以下はその録音音声です。
本講演では画家ゴッホを取り上げて、芸術家はそれぞれの個性と戦い、個性を乗り越えた先にある自己を表現することだと話しています。
ゴッホほど個性に苦しみ続けた画家はいないのではないでしょうか。ゴッホは自我が強く、また精神的な病気(これも彼の個性ですが)を患っていました。それを一番よく理解していたのはゴッホ自身でしたが、そんな彼は、絵画を通して自分の感情を表現しようと、生涯個性と戦い続けて画家でした。
小林秀雄は言います、芸術家はみな個性を表現しようと躍起になっているが、あんなものは個性でも何でもない、本当の個性とは辛く苦るしいものであり、それを乗り越えたものが真の個性だ、と。ゴッホは個性と戦い続け、苦心しながら乗り越えたからこそあの芸術的な絵画が生まれたのです。
芸術家というのは、皆それぞれ何かを表現しようとする時、呻きをあげならが個性と戦い、それを乗り越えることで真の個性として絵画や小説を作り出すのだということを感じました。