【Muun】ちょっと変わったライトニング搭載ノンカストディアルウォレット

【Muun】ちょっと変わったライトニング搭載ノンカストディアルウォレット

前回の記事ではいくつかのライトニング搭載ウォレットとその特徴ある機能について簡単に紹介しました。今回の記事では、Muunというライトニング搭載ウォレットについて紹介したいと思います。まずはMuunの特徴を以下に記載します。

(1)2 of 2マルチシグによるプロテクション

Muunウォレットへの全ての送金は2 of 2マルチシグアドレスに対して行われます。このマルチシグアドレスに対する秘密鍵は2つ存在するわけですが、1つはパーソナル鍵(personal key)、もう1つは共同署名鍵(co-signing key)と呼んでいます。この2つの秘密鍵はMuunウォレットに保有されていますが、共同署名鍵はMuunのサーバー側(運営側)にも送信され保有されます。Muunが共同署名鍵を保有していても、マルチシグアドレスからの送金には鍵が2つ必要なので、運営側が不正をすることはできない仕組みとなっています。

(2)サブマリンスワップによるLN送金代行

サブマリンスワップとは、オンチェーンのBTCとオフチェーンのBTCをアトミックに交換する仕組みです。Muunウォレットではライトニング搭載とは言いつつ、実はLN送金はMuunのサーバー側が代行してくれます。以下の図のように、MuunウォレットではMuunサーバーへオンチェーン送金をし、サーバーが実際の送金先であるLNウォレットへLN送金をします。このサブマリンスワップはアトミックにコインの送金が行われ、中間者であるMuunサーバーは不正ができないようになっています。

以上の上記2つの機能がMuunウォレットの特筆すべき点だといえます。

ここで、1つ疑問点がでてきます。それはMuunウォレットからLNウォレットへ送金する場合、実際ウォレット自身はオンチェーン送金するので、その都度オンチェーン手数料が発生するのではないか?ということです。この点に関して実際にMuunウォレットからLNウォレットへ送金してみれば分かりますが、送金ごとにサブマリンスワップによるオンチェーン送金はされません。

どういうことかと言うと、LN送金の場合、その金額は数百サトシと少額です。そのため、ある一定金額以下の送金の場合は、MuunサーバーがツケとしてLN送金をしてくれます。そして、次回のLN送金がある一定金額以上の大きな送金の場合に、それまでに貯まったツケの金額を合算して、サブマリンスワップによるオンチェーン送金がされます。

さてここまで説明すると、ずる賢い方ならこんな発想が浮かびます。それは、ツケ払いを何度もしたあと、最初に入金したBTCを引き出せばいいのではないか?と。これは実際に可能です。以下の画像を見てみると、最初に受け取った9606sats以上の金額を他ウォレットへ送金してることが分かります(100 + 1000 + 7000 + 8086 = 16186sats)。これはリカバリーツールを使いオンチェーンの入金額を引き出す方法で可能となります。これは運営側にとっては負債となるのですが、運営側はユーザビリティの向上を重視するために、このような機能を提供しているそうです。もしこのリカバリーツールが乱用されれば、ツケ払い機能がなくなる可能性があると運営側は語ってくれました。

まとめ

Muunウォレットを使うためには最初にBTCを入金する必要があります。ウォレットに入金される全てのトランザクションは2 of 2 マルチシグに対してであり、その2つの秘密鍵はユーザー自身で管理するノンカストディアルなウォレットです。一度入金すれば、少額送金であればツケ払いによるLN決済ができ、金額が一定以上大きなものであれば、それまでのツケ払い分を合算してサブマリンスワップによる送金がされます。

Muunウォレットは、これまでのライトニング搭載ウォレットとは違ったアプローチであり、LNウォレットというよりも今まで僕らに馴染みのあるオンチェーン型ウォレットに近いユーザビリティではないでしょうか。

※現在MuunウォレットではLN受取りはできないみたいです。

参考サイト

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