インドのスラムで見た大切なアイロンの話
インドのスラムで色々調査していたことがありまして、その時に思い出に残っているアイロンの話をさせてください。
インドのスラムでどんなものが役立つのか市場調査するために、インドのムンバイのスラムに行きました。
インドのスラムと言えば、スラムドックミリオネアという映画の舞台になった巨大スラム「ダラヴィー」が有名なのですが、ここはダラヴィーではないスラムです。
ダラヴィーに行った話も今度書こうと思います。
スラムというと聞こえは悪いですが、普通の人が集まって普通に生活している場所です。写真を撮ると子供たちが寄ってきます。
みんな写真撮られるのが好きです。
ここで1件の家に家庭訪問をして調査をしました。調査の内容は、どんな生活をしているか、生活の中であったら便利なものは何かというものです。
その話をしていると、この家の大事なものとしてアイロンが出てきました。ちなみにこの家にある電化製品は、テレビ、冷蔵庫、そしてこのアイロンだけです。
なぜアイロンを買ったかというと、この家の息子が小学校に上がるから、この制服をきれいにして上げるためでした。
このスラムの家から出すにはレベルが高めの学校でした。1年生からパソコンの授業もあるような学校です。
月収が3万円程度なので、フィリップスのアイロンも安い買い物ではなかったはずです。そんな中、スラムから通う自分の子供に少しでもきれいな格好をさせようと、3番目に買った家電がアイロンでした。
スラムの子供には特に教育が重要です。スラムに居るだけだとここから出られないので、少しでも良い教育を受けさせよう、その中で気持ちよく過ごしてもらおうというアイロンに、とても大事な意味が込められていました。
というわけで、私が今まで見た中で一番大事なアイロンのお話でした。
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