2021年,今更ながら暗号通貨に魅了されたので,その経緯と素人も再現できる勉強法を書く(1/2)
初めまして.おちゃと言います.
2021年,暗号通貨(ビットコイン)にようやく向き合ったことで,その面白さに魅了されました人間の一人です.
この記事では
1.私はどういう人か簡単に紹介
2.なぜ今更暗号通貨に魅了されたのか
3.暗号通貨の理解を深めるためにやった,再現性のある勉強法
をまとめてみたいと思います.
自分が学んだことを定着させ,さらに活かす最良の方法は「アウトプットすること」だと思います.今回は自分が学んだことのアウトプットとしてまとめさせていただきます.
後学の方の参考になれば幸いです.
1.私はどういう人か簡単に紹介する
私は今20代で首都圏在住,普段は一企業の一サラリーマンとして勤め人稼業に励んでいます.
好奇心を充足し,「なるほど〜」と思ったり「そういうことだったのか〜」と感じる瞬間が好きで,読書によって日々それを補充しています.図書館を使い倒しています.
また,最近は自炊にハマっており料理を楽しんでいます.昨日は顎出汁を使ったけんちん汁を作り,出汁と根菜が生み出す絶妙な味に舌鼓を打っていました.
私自身のプロフィールに特筆することはなく,いわばよくいるモブである.ということを強調すべく,あえて紹介させていただきました.
暗号通貨との関わりは2017年の大ブームに乗っかったのが始まりで,それまではGIGAZINEななどのメディアを通じて「ビットコインというものが存在するぞ」というくらい.2017年は投機で一発当ようとするだけのただのギャンブラーと化しており,暗号通貨を成立させる技術やその思想には触れていたもののそれをしっかりと受け止め理解しようとはせず,ただただ投機の口実に使っていただけでした.また投機自身も全くうまくいかず,消耗して終わるだけでした.
2.なぜ今更暗号通貨に魅了されたのか,その魅力は何か
2020年後半に「自分はビットコインの仕組みやそれがなぜ今もなお支持されているかを心で理解していないな.ちょっと勉強したら面白いかもしれない」と思ったのがきっかけでした.
その背景にはコロナ禍による超金融緩和による連日の株高や通貨安,暗号通貨の価格上昇,また「DeFi」などという2017年には聞かなかった単語で盛り上がっていること.それらが重なって興味を持つに至ったんじゃないかなと思います.
そうして,2020年の年末から年明けにかけて,暗号通貨について数々の文献,ニュース,動画,有識者のツイートなどなどを見ていく中で自分に腹落ち感がある形で暗号通貨(ビットコイン)の技術や思想を理解し,その魅力を感じ取りました.
そして,私が感じる暗号通貨(ビットコイン)の魅力は「信頼できない人同士でも合意形成ができる仕組み」「もはや美しさすら感じるインセンティブ設計」です.そしてこれを実現する仕組みによってビットコインという数字に通貨という概念が化体していることが大変面白いなと思いました.
まず面白いなと思ったのが「誰も信頼しなくてもいいこと」です.米国ドルや日本円といった法定通貨には国家,政府が後ろについてその価値を維持しようと必死になっています.もしゴジラが現れて国家全体が焦土と化してしまったら日本円は大暴落してしまうでしょう.日本円は国家という背もたれがないと維持できません.
数年前より市中に爆発的に広がったペイ系アプリも同様です.ペイ系アプリで友達に100円を送る時,それが100円硬貨と同等の価値を持つとみなされるのはそのサービスをささえる企業がいて,堅牢なセキュリティ対策や価値の裏付けとなる有価物(これも通過だったりする)を保有などしているから成り立ちます.これもその企業という背もたれ潰れたら成り立ちません.
貨幣(価値と価値を媒介するもの,通貨など)の価値を維持するにはそれを担保する背もたれ(国家の軍事力,法的執行力,企業のブランドや将来の稼ぎの見通し,代替する有価物)がないといけませんでした.でも,ビットコインの背景には国家も企業もありません.あるのは自律的に動くアルゴリズムだけです.強いていうならそれが背もたれになっています.
国家をはじめとした組織とアルゴリズム,どちらが信頼できるかと言ったら,将来の振る舞いや自分に対する影響を考えるのであれば,予め規定されたコードで動くアルゴリズムの方が信頼できるのは間違い無いと思います.そういう点において,ビットコインが従来のマネー(法定通貨や企業発行の電子マネー,株券など)に比べ優れているんじゃないかと言えると思っています.
実際問題,国家はここ最近お金をめちゃくちゃ印刷しています.お金の印刷は通貨の価値の目減りを意味します.私のようなサラリーマンは印刷したお金をもらえる機会は少なく,一方で私ではないどこかにそのお金が出回っています.それは社会として必要とされる人もいれば,それに乗じて私利私欲を満たそうとする人もいることでしょう.一方で,当時に,私の僅かながらの貯金は価値の目減りという財産の侵害を受けています.それなのに,私はお金を印刷したツケを今後何十年間と払い続けなければいけない人間の一人です.
何かを信用するということは楽ですが,それが破綻した時に共倒れしてしまう危険を伴います.国家が倒れたら通貨は紙屑になり,企業が潰れたら雇用(給料)は途絶えます.何かを信頼するということは脆さにつながると考えています.国家や企業にはそれを運営する人間がいます,人間は間違いを犯すし悪意を持ち,ポジションを巧みに利用して私利私欲をみたすこともあります.国家は今すぐ倒れるということはないでしょうし今後もそうそうないと思います.でも,先に話した通り,国家は知らないうちに私が保持する価値を毀損しているのです.
一方ビットコインは信頼の背もたれとして国家や企業を必要としません.あるのはアルゴリズムだけです.そしてそのアルゴリズムも非常に巧妙に設計されており,それが突破される現実的な可能性が非常に低いよううまく作られています.信頼の背もたれがなくても自律できるビットコインはまさに字の通り,背もたれがいらない自らを律することができる仕組みであり,それを信頼することはおかしいことじゃないんじゃないかと考えるようになりました.
ビットコインを維持するための仕組みの美しさにも惚れ惚れします.ビットコインのもう一つの面白いところは制度の維持に”マイニング”を通じた人間の私利私欲をエネルギーとしているところです.
私は元来より,制度設計やシステム,人間の行動に「意識,努力」といった精神力を要するものが好きではありませんでした.個人の頑張りや意識に制度の維持を委ねる仕組みは脆弱で効力がなく,いずれ破綻すると思っています.(その究極は共産主義社会の実現という社会実験)
コロナ禍を「自粛」だけで乗り切れないもの個々人のインセンティブを設計するのではなく意識,精神論で乗り切ろう的な姿勢がその一因だと思います.これは究極,第二次世界大戦における大日本帝国の敗北にもつながります.
ビットコインは「自粛」政策や第二次世界大戦の対極に位置します.ビットコインに関わる人,とくにマイナーは各々が個人のインセンティブに従って動いているのに,それが結果的にシステムの維持につながるアーキテクチャには大変美しいものを感じます.制度疲労の起きようがなく,情報を処理する一連の流れだけでなく,人間を動かすという意味での経済的仕組みとしても大変うまくできているビットコインの仕組みに多少のことじゃびくともしないシステムの堅牢性に未来を感じています.
2017年に暗号通貨を勉強したときは「(なんでかわかってないけど)新しい通貨になる」「(説明できないけど)世界が変わる」,「(理解してないのに)ブロックチェーンはすごい!」といった他人の意見を無批判に受け入れて結局その真意を追求することはありませんでした.今思えば完全に養分ですね.
今と同じ認識を2017年に持っていれば...と悔やんでいないかと言えば嘘になります.それでも2021年になって暗号通貨を自分なりに勉強し,理解し,納得し,今後さらに勉強しようという意欲が持てたことは今後5年,10年というスパンで見てとても大きなものになると思っています.
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思ったよりもかなり長くなってしまいました...一旦ここできろうかなと思います.次の記事では「暗号通貨の理解を深めるためにやった,再現性のある勉強法」について私が実際にやったことをまとめてみようと思います.
クリプト界隈の皆様にとっては当たり前かもしれませんが,数日前の私のような新参者には役に立つ内容になると思いますし,同じことをしたら↑くらいの見解を腹落ち感のある理解として自分のうちに定着できると思います.
以上です.今回初めてSpotlightに投稿させていただきましたが,誰かの目に届き,少しでも面白いなと思っていただけたらと思います.(また,何かしらの反応をいただけると今後のモチベーションにつながりますのでぜひお願いします.
2021/02/07追記:
コメントでお勧めしていただいたこの本を買いました!ビットコインの仕組みが技術的なところも含めて細かく書かれており,今まで”なんとなく”理解していたビットコインの姿をよりクリアしてくれます!!
ビットコインの価値を理解するには技術,経済,金融,信用とはといった多方面でビットコインを捉えることが欠かせないと思います.この本は技術に特化した素晴らしい本と言えるでしょう!