「トレードに向いているのは感情の起伏のない人」中島翔氏が考えるトレードに向く人向かない人 3/3

「トレードに向いているのは感情の起伏のない人」中島翔氏が考えるトレードに向く人向かない人 3/3

銀行や証券会社など金融業界を渡り歩き、トレーダーとしての知識や技術を身に付けてきた個人トレーダーの中島翔氏(35)。豊富な経験をもとに「勝てるトレードの手法は人によって異なる。自分の性格にあった手法を編み出すことが大切」と話す。そんな中島さんにトレーダーを目指す人や腕を磨きたい人にお勧めの本やアドバイスなどを聞いた。

中島翔氏 プロフィール
学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行に入行し、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。

――トレード関連の書籍でためになった本や、他の人にも勧めたい本を教えてください。

最初に読んだのは「投資苑」でした。それから「マーケットの魔術師」を読みました。テクニカル関連では「マーケットのテクニカル分析」をずっと読んでいましたね。

――「投資苑」シリーズは1冊目が2000年に出ましたね。プロトレーダーになった米国の精神分析医が書いた本で、心理学的アプローチ相場本として爆発的に売れました。世界8カ国語に翻訳され、全部で3冊発刊されました。今も売れ続けているロングセラーです。

3冊すべて読みましたけど、1冊目が一番良かったですね。チャート分析の方法などを群集心理の面から解説してあって参考になりました。

中島氏が最初に読んだという投資苑。チャートの分析や心理について解説されている。

――「マーケットのテクニカル分析」はどのあたりが良かったですか。

今は有料になったようですけど、以前はKindleから無料で読めたんです。

副題が「トレード手法と売買手法の完全総合ガイド」となっているのですが、テクニカル分析について実用的に細かく解説してあるんです。テクニカル分析やチャート分析の基本から、取引のサインとなるローソク足のパターンとか、チャートの動きとか、マニアックな分析法なども紹介されていて実戦的な内容が勉強できます。

分量が多い本ので、分厚い本を読むのが苦手ではなければ、お勧めの本です。テクニカル分析を学ぶのに1冊だけ選ぶとしたら、この本でしょうね。これだけ網羅的に書かれている本は、おそらく他にないでしょう。

取引のサインとなるローソク足のパターンやチャートの動きなどマニアックな分析法なども紹介されていて実戦的な内容となっている。

――トレードの本は結構読まれていますか。

結構読んでいますね。ほかには「ゾーン」や「規律とトレーダー」も印象的な本でした。

――「ゾーン」は投資やトレードをする際の心理状態について書かれた本ですね。恐怖心や悩みの無い状態で淡々と取引する心理的な境地を「ゾーン」と呼んで、ゾーンに達するための方法を説いています。「規律とトレーダー」も「ゾーン」と同じ筆者の著書で「ファンダメンタルズやテクニカル分析の知識がそれほどなくても、心の世界をコントロールできるトレーダーは相場の世界で勝者になれる」と主張しています。そういえば、「マーケットの魔術師」も解説本ではなく、世界の剛腕トレーダーの考え方や手法を紹介する内容でした。そうした内容の本が好みですか。

そうですね。トレーダーや投資家の心理を扱った本をよく読みますね。心理状態を冷静に保ち、正常な判断を行うということは、結局、リスク管理なんです、やはりリスク管理が一番大切だということですね。

世界の剛腕トレーダーにインタビューし考え方や手法を紹介

――挙げていただいた本は、どれもパンローリング社から出版された本ですね。

パンローリング社から出ている本は、ややマニアックなところがあるけれど、面白い本が多い。トレードや投資をしている人なら、必ず一時期ハマるのではないでしょうか。

――プロのトレーダーには本を読む以外に勉強する場などがあるのですか。トレード方法を教わるとか。

教わることは全くないですね。トレーダーは誰でも独学で学んだ人ばかりです。トレードの方法は人から教わっても、そのまま使えるわけではなくて、自分で自分にあったやり方を見つけるしかありません。

仕事をしていて、先輩から雑談で「どうしてここでエントリーしたの」などと聞かれて、自分の考えや判断の根拠などを説明することはありますが、だからと言って、ああしろ、こうしろと言われることはありません。

だから、同じ会社でも、隣の人がどんな手法を使っているのか、どんな指標を見ているのかは、教えてもらわない限り全くわかりません。

――トレーダーになれるかどうかは本人の勉強次第ということなのですね。では、トレーダーへの向き不向きはあるのでしょうか。

トレーダーに向いているのは感情の起伏のない人。ロボットみたいな人ですね。人間的にはちっとも面白くないですけど。僕が知っているトレーダーもあまり怒らない人が多いですね。温厚な人が多い気がします。

向いていない人は逆に短気な人ですね。短気な人で勝てている人は...

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市場平均以上のリターンを追求するマーケット参加者に、メディア・コーチングサービスを提供する Burry Market Researchの公式アカウントです。本編の記事の一部をspotlightでも掲載します。

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