いまだに評価の軸が定まらない仮想通貨

いまだに評価の軸が定まらない仮想通貨

この投稿は投資・トレードメディアBurry Market Researchの一部転載記事です。全文は本サイトで読むことができます。

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――最近の仮想通貨のトレンドをどう見ていますか。

難しいですよね。新型コロナ禍に対する世界各国の金融緩和などの経済対策でコロナバブルが起きたと言われていますが、結局、金余りが起きているということですよね。過去のリーマン・ショックなどを見ても分かるように、金融システムが損傷するとアメリカをはじめ世界中が痛い目に遭う。だから、今回は新型コロナウィルスの感染拡大によって金融システムが損傷して、再び不況に陥ったりしないよう、先進国が協調して対策を取ったわけですけど、対策が過剰になってしまっている部分があると、僕は思っています。

――必要以上の金融緩和で、世界中がカネ余り状態になっていると。

最近までは新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐために、各国が経済活動自体に制約をかけ、経済が停滞していました。だから、カネ余りでも需給バランスがとれていて問題はなかったのですが、ワクチンの接種も広がったことで感染拡大も治まり、社会が通常に戻りつつある中、需要が急拡大したにもかかわらず供給が追いつかない。さらにカネ余りからインフレが急激に広がり始めたため、各国の中央銀行が急いで金を回収し始めているというのが現状だと思っています。ですから、僕は市場も基本的に逆回転し始めているというのがトレンドのベースにあって、おそらく多分ビットコインだと、いずれ100万円切るところにまで値を戻していくのではないかと考えています。実際、もうかなり下落してきていますけど、ただ、100万円を切るところまでいくかどうかは一つのポイントだと思います。

2022年7月時点でのBTCの5年チャート。2021年の12月から大きく価格を下げている。引用元:tradingview.com

なぜなら、ビットコインとか、イーサリアムとか、社会インフラの役割を担ってきている部分がありますよね。ビットコインを組み込んだETFや投資信託もありますし、イーサリアムならNFTとか、そうしたところに組み込まれつつあることが、社会にどの程度影響を及ぼすのかを見極めなければならない。そこが、今後、大きく下落するかどうかのポイントだと思います。数年前までは、仮想通貨といえば、一部の人の投資や投機のアイテムという位置づけが大きかったと思います。しかし、仮想通貨の役割が本当に広がっているのであれば、以前の水準まで戻らない可能性もある。そこがどうなるのかな、というところを見極めたいですね。

――現物は持たないのですか?株などの長期保有とか。

株はいくつか持っていますね。最近ちょっと資金が増えたので、長期目的で少し持ったりもしています。ただ、ビットコインの現物は持っていないですね。ビットコインは短期トレード目的というイメージで、長期的な信頼性に対してはまだ少し懐疑的です。懐疑的というか、よく分からないっていうのが、正直な気持ちですかね。一時期、ビットコインがデジタルゴールドなどと呼ばれて、「インフレのときこそビットコインだ」みたいな言われ方をしていましたが、今のインフレの中で、どんどん下落していますよね。そうして意見が分かれるということは、通貨的な役回りをするのか、資産的な役回りをするのか、もしくはそれ以外の役回りをするのか、ビットコインに対しての期待の部分がまだ定まっていないのだと思います。確かに一部では、「仮想通貨は法定通貨に代わるものだ」「エルサルバドルなど一部の国では法定通貨にする動きもある」と言う人がいて、通貨としての価値を見出している人たちもいます。一方で、実際に投資信託に組み込んで売り出す金融会社もあったり、株式や債権、投資信託や商品などの金融資産としての価値を見出している人たちもいます。さらに、イーサリアムのようにNFTのベースになって、通貨や金融資産とは少し違った価値として認識している人たちもいます。このように、通貨なのか、金融資産なのか、またその他の役割をするのかという評価がバラバラで定まっていない。それでは、社会情勢がこう動いたからビットコインの価値はこうなるっていう判断ができないと思います。だから、長期的な先行きを予測するための判断の軸を持てない。長期で持つのは怖い、と思います。

さまざまなデータを生かせる仮想通貨トレード

――ビットコインについて根本的なことを考えているのですね。

通貨は国の金融政策によって、ある程度見通せますよね。今、日本円がすごく安くなっていますが、それは日本の金融政策と海外の金融政策との差が、そのまま表れていると考えれば、しばらく円安は続きそうだという判断ができます。でも、仮想通貨には、そうした判断基準となるわかりやすい軸がない。だから、中長期の判断はできないというのが僕の考えです。この先さらに落ちていくのか、それとも一回底を打った後、再び上昇していくのか。聞かれても、正直なところ分からないですね。

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市場平均以上のリターンを追求するマーケット参加者に、メディア・コーチングサービスを提供する Burry Market Researchの公式アカウントです。本編の記事の一部をspotlightでも掲載します。

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