エルサルバドルについて

エルサルバドルについて

Jack Mallersのプレゼンテーションはグッとくるものがありましたね。最近既存金融や企業の参入によるアダプションとそれに伴う価格の話が多かったので思想哲学の乗った話に熱くなる。
El Salvador Becomes The First Country to Declare Bitcoin Legal Tender w/ Jack Mallers of Strike
https://www.youtube.com/watch?v=_59hrgTiRJU

南米中米には縁がないため、どういう国がビットコインを法定通貨に選ぶのか調べてみた。
法案は通過するのか。他の国での再現性はどの程度あるのかという点が気になる。経済から街の雰囲気まで詳しい方のお話を是非聞きたい。


南米中米カリブ海近郊

Googleストリートビューが完全ではないけど首都サンサルバドルを簡単に覗いてみた。山に囲まれ、高層ビルは多くないけれど、綺麗な建物、近代的なショッピングモールなどが伺える。


Instagramを眺めてみると、国としてはサーフィンの地で有名なようで気持ちの良さそうな画像が。

南米ともありコーヒーの生産も有名。私も深煎りのグァテマラを飲みます。エルサルバドル豆のものを飲める純喫茶は銀座の十一房珈琲店などあると思うので是非。
GREEN COFFEE STORE,"エルサルバドルのコーヒー生豆について",https://greencoffee-dcs.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=2633262&csid=6


国家としてのエルサルバドル国について
■概要
外務省,"エルサルバドル共和国(Republic of El Salvador)基礎データ",https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/elsalvador/data.html
約250万人といわれる在米エルサルバドル人による家族送金は約59.18億ドル(2020年)にのぼり、GDPの23%に相当し、エルサルバドル経済の下支えとなっている。"
Jackのプレゼンにもあった点。ここの取引手数料の数値が具体的に分かる資料を探している。例えば日本-中国・韓国の銀行送金は為替手数料・両替手数料で4,000円もかかる。仕事でも韓国から10,800円振り込んでもらうのに先方が手数料を理解しておらず、6,800円を毎年振り込んでくるという現象があった。

■治安
内戦が続き、自国への信用が失われて治安悪化。米国に移民流出が起こったことが米国からの家族送金に繋がっているよう。ここの送金コストを中間搾取を削いで、かつ自国の不安定な通貨でも米ドルでもない選択肢。国の家族のために稼いだお金をそのまま送りたい、原初的な動機ですね。

「1980年代のエルサルバドル内戦が他国、なかでも米国への移民の大量の流出を招いたことは、よく知られている。しかし、この流れが米国におけるエルサ―139―内戦終了後のエルサルバドルからの対米移民の継続的流入とその原因―暴力から逃れて来る移民たち―ルバドル系の若者によるギャング集団を生む一つの要因となり、それがさらに内戦終了後今日に至るまでエルサルバドル本国に住む一般市民を苦しめ、戦後も引き続き、同国からの移民の流れが継続している重大な要因の一つになっていることはあまり知られていない。」
中川正紀,"内戦終了後のエルサルバドルからの対米移民の継続的流入とその原因―暴力から逃れて来る移民たち―",https://core.ac.uk/download/pdf/228880382.pdf,

「ここ数年のベネズエラの政治危機により、安全・安心指標の多くでスコアが悪化しています。ベネズエラは現在、暴力的デモ、暴力的犯罪、犯罪性の認識の3項目で最大の5点を獲得しています。殺人発生率は人口10万人あたり56人から49人に改善したものの、ジャマイカ、エルサルバドルに次いで世界第3位である。しかし、ベネズエラの政治的恐怖度はわずかに改善されており、これは同国の法の支配が部分的に回復し始め、人権侵害や政治的抑圧の範囲がやや狭まってきたことを示しています。」
Institute for Economics & Peace,"Global Peace Index 2020",indexhttps://www.visionofhumanity.org/wp-content/uploads/2020/10/GPI_2020_web.pdf

上記背景により治安指数はエルサルバドル113位となかなか。殺人発生率は3本指。このあたりはプレッシャーをかけられて失速という展開もありうる?例えばエルサルバドル系移民はアメリカの交換所でKYCが厳しくなるとか送金制限がかかるとか。

■経済
土田氏による下記の寄稿では、エルサルバドルは政策として「公式なドル化」を選択したことで自国通貨の物価不安定性を排除したという。金融政策を放棄することで金融緩和は出来ないが、自国通貨の状況と国の規模を考えての政策のよう。自国通貨の機能不全をあきらめたような形になるのだろうか。ちなみに同レポートでは対して「非公式なドル化」の場合は財政支出の削減・健全化に向かう非公式なドル化の場合は金利上昇により貸し渋り、経済政策の低迷が起こる(中進国の罠)と述べている。
土田 陽介,三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング,"歴史的なドル高の裏で進んだ「ドル化」とは何か",https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2020/03/global_2003_1.pdf

■総括
個人の意見としてはマーケットへの影響には興味がなく、カストディアルなLNウォレットとはいえ(Strikeはそういう認識をしていますが違っていたらご指摘ください)小国が権利を大国やプラットフォーマーに委譲することなく金融包摂を実現できる一手になると、グッとくるものがある。
カストディアルなウォレットで利用者がチャネルを立てずにプライバシーや検閲をサービサーに委ねる状況は、そのチャネルが障害点になることは置いていき、発展途上国が金融包摂を第一目標とするのであればまずは横に置いておいていい権利と認識しているのですがそれ以外に懸念点はあるのでしょうか。勿論、例えば、サービサーが中国系で利用者がチベットのような政治経済的に掌握されかねない関係だとその障害点は無視できないですが。

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