売上の先食いは禁物
こんにちは、カラコンルです。
前回の記事「ビットコインは終わった論は間違っている」でjimmyhommaさんから「ICOして安易な大金を得ると、その後の事業意欲は落ちる事が多い」というコメントを頂き、確かにと思いつつ、あるニュースを思い出したのでそれについて書きます。
そのニュースは新型コロナウイルス感染症による自粛要請で行けないお店のために先払いのチケットを買えるサービスがあるというものです。「さきめし」というサービスです。
このサービス自体はテイクアウトや配達などの対応策を打っても売上が出ないお気に入りの店を支援できるので素晴らしいと思うのですが、自分が飲食店のオーナーだったら利用するかというと正直悩みます。
なぜなら、売上を先に受け取ることになってしまうからです。もし2ヶ月くらい自粛が続いたとして、その後の2ヶ月の売上に結局苦しむことになります。今までの平均以上の売上を上げればいいという話になりますが、むしろ今回のコロナで感染症を恐れる人々が飲食店に来ない可能性もあります。なので、全く利用しないことはないかもしれないけど先払いのサービスの利用は極めて限定的にすべきだと考えます。
先払いのサービスの期限が6ヶ月でその間にお店を閉店することになってしまった場合、先払いチケットを買った人は利用出来なくなってしまう可能性もあります。(そういう時はお店がアナウンスすると思いますが)
ここでちょっとICOの話をします。
ICOとはInitial Coin Offeringの略で新規仮想通貨公開(今では新規暗号資産公開?)のことです。あるプロジェクトが独自のトークン(暗号資産)を発行して、そのトークンをビットコインやイーサリアムなどの主要な暗号通貨を通して投資家に買ってもらうという形式です。
ICOの良い点はIPO(新規株式公開)とは違って審査がないので誰でも簡単に資金調達をすることができます。つまり、出来たばかりのベンチャー企業やプロジェクトに投資することも可能です。そのためICOは投資の民主化とも呼ばれました。
しかし、ポエムのような実現不可能な計画を書いたホワイトペーパーを出してICOを行うことも可能だったわけです。それに、トークンを保有するインセンティブが全くないのにトークンを売りつけるということも当たり前でした。
その他にICOが罪深かった点は巨額のICOを行ったことです。利益がゼロのプロジェクトや会社が何十億~何千億倍もの金額を資金調達をしたのです。
何か新しい物を開発するためには優秀な開発者を集めたり、マーケティング費用がかかるので資金調達が必要になるのは当たり前のことです。だからといって、無駄なコインを発行して巨額の資金調達をしたらそれなりの成果が求められるので自分の首を締めることになります。
ということで僕はICOに対しては正直否定的です。どんなに善意で資金調達したとしても、個人投資家から投資を受けることは悪魔の血を飲んでるようなものです。だからICOに対しては法規制を厳しくすべきだと思います。法律は出資者だけでなく、起業家や経営者のためでもあるんです。世界をより良くする前に訴訟されたら終わりです。現在のICOは事業意欲が落ちるだけでなく、このような問題も引き起こします。
先払いチケットにしろ、ICOにしろ、報酬を先に受け取るようなことを限定的にしなければ歯止めが掛からなくなります。