3万円で作る家庭用太陽光蓄電システム【DIY】

3万円で作る家庭用太陽光蓄電システム【DIY】

※2021/2/2タイトル変更

晴れている日は太陽光で発電して蓄電し、夜の電気として使って余ったら売電して足りなかったら電気を買って…そんな仕組みのことをエネルギーマネジメントシステム(EMS)といいます。

住宅用のEMSのことを指してホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS:ヘムス)と呼んだりします。

自然エネルギーから作った電力は溜めて使うのが難しい上に発電量に波があるので、これまでのように中央集権的な電力システムでは無駄が大きいです。HEMSのようなシステムを分散させてたくさんの家につけることで効率的に使う必要があります。

国も2030年までにHEMSを全世帯に付けることを目標にしています。電気自動車のテスラも家庭用蓄電池のサービスをはじめましたね。

HEMSとは

そんなHEMSですが。高いです。

まあまあ、それくらいはしますよね。

家の照明を自然エネルギーでまかないたい

家で使う全電気を自然エネルギーでまかないたいなんて、だいそれたことを考えているわけではないんですが、昼間につけてる照明って無駄なんじゃないかな。ってことを最近考えていました。

うちは東向きにベランダがあるマンションなんですが、ベランダ以外に窓がありません。なので廊下側の部屋はいくら外が晴れていても薄暗く、昼間に家にいると夜と同じように照明をつけなければなりません。

とてもわかりやすい図

コロナの関係で家にいることが増えたおり、外がカンカン照りなのに家の中でも電気をつけないといけないというのにちょっと罪悪感を感じていました。

そこで明るいベランダでソーラーパネルで発電し、蓄電池に電気をため、廊下側の部屋の照明に使おうと思いたちました。たとえ安くなった分の電気代だけではコストを取り返せなくても、災害のときの停電用の電源として使えれば元は取れるだろうという考えです。

完成形

完成した画像がこちら。

ベランダにぶら下げられた100Wの太陽光パネル

リチウムイオンバッテリー

リビング用の照明。DC12V~60V対応のLED電球7W×4

秋、冬の天気がいい日であれば昼までに満タンまで充電できるかなという感じです。昼間この照明だけ使っててもカラにはならないので、最近はキンドルや携帯の充電にも使っています。

買うもの

基本的には買ってきて配線するだけ。たまにはんだ付けとかも必要です。

照明はAC100V用の照明器具の配線をいじってビニルコードに引き出して12Vにつないでいます。電球もE26口金なのでプラスマイナスを間違えなければ普通の100V用の照明器具が使えます。ほぼ全部アマゾンで揃いました。

ソーラーパネルとバッテリー。

電球は本当はこれだったんですが、今見たら商品ページが消えていたので画像だけ。中国から3週間くらいかけてゆっくり届いた。類似品は「12V LED E26」とかで検索すれば沢山見つかる。100Vにつなぐと燃えるらしいので注意。

太陽光パネルの配線はこちらを使用。MC4のコネクタはしっかりOリング入ってて防水されているのでベランダで使っても安心。

これは配線からバッテリーへの配線用。バッテーリー側のINPUT端子はDC5521なのでこちらが適合。自分で作ってもいいけど、はんだ付けめんどくさいのでアセンブリされているものを買ってしまいました。

こちらは普通のAC100Vのシーリングライト用のダクトレール。100Vにつながっている配線を切って潰してしまって、ビニルコードにつなげる。100V未満の電気工作なら電気工事士の免許はいらないんですが、やるばあいはなにごとも自己責任でお願いしますね。

照明はダクトレール用の照明でE26口金がつくやつならなんでもいい。

バッテリーから照明までの配線はビニルコードを使っているがバッテリーのOUTPUTコネクタはやはりDC5521なのでそこは自分でアセンブリする必要がある。秋月電子では買ってないけど秋月の通販にあるこれを使いました。

ヨドバシで売ってるコネクタもサイズは一緒なんですが、コード側の穴が小さくて微妙だった。

買った電球は12Vで7Wと言いつつ実は24Vで7Wだったのだが(笑)、12Vのとき単純計算で3.5Wとして4個あると最大で1Aになってしまう(3.5/12x4)。なるべく配線は太めにしとこうということで0.5sqのビニルコードを採用。

配線

あとは配線するだけだったのだが、大変だったのはクーラーのダクトが通る穴にMC4コネクタのついたケーブルを通すところでした。苦労の甲斐あってきれいに配線できました。

外側

うちがわ

太陽光パネルはベランダに結束バンドで吊るしています。

計算

もともとこれらの品はセットとかではないのでヘムスDIYをしようとしたら、目的にそった電力使用量とか蓄電量を考えて、何を買うか選定しないといけません。

今回は自分はどんなこと考えて選定したか思考の流れを書くと、こんな感じになります。

  • リビングの照明に使いたいので100W電球相当の明るさは欲しい。→電球を選定。
  • 電球の明るさが12Vで大体35〜40W電球相当なので4つ必要。一つ7Wとのことなので全部で28W必要だな。
  • 何時間くらいつけられればいいだろうか。ずっとリビングにいるわけじゃないので8~10時間とかかな。なので計算すると224WH(ワットアワー)~280WH
  • このスペックで安いリチウムイオン電池を探して割安だったバッテリーを選定(本当は280WH以上ほしいけど高い)
  • 最後にソーラーパネルを探す。ソーラーパネルのスペックで気になるのは何ワット(W)発電できるかとベランダにぶら下げるので重さも気になる。東向きのベランダなので、発電できる時間は長くても5時間とかだろうから5時間で満充電できるパネルが良い。そのため230/5と計算して、46W以上の出力が必要ということがわかる。
  • ということで50Wのソーラーパネルと100Wのソーラーパネルを候補に出したが、太陽光に対して垂直でないとカタログスペックは出ないはずなので、まあわからないけれど半分も出力が出れば上等だろう。ということで先程のソーラーパネルを選定した。

良かったこと悪かったこと

良かったこと

  • 晴れていれば計算通り昼のリビングの照明として使えている
  • 災害時のバッテリーとしてスマホの充電やAC100V出力にもなるので心強い
  • 電気代はきもち下がったような?(気のせいかも)

日毎の電気消費量のグラフ。これから見ても明らかに電気消費量が下がったかどうかはさっぱりわからない。季節変動もあるし。

  • 天気に敏感になった

悪かったこと

  • バッテリーのDCのボタンを押さないと充電開始していないっぽい? まあ朝スイッチいれればいいんだけど。
  • 照明のスイッチのことをすっかり忘れていたのでバッテリー本体の電源を入れないと照明がつかないのが面倒。

1つ目はともかく、2つ目はもうちょっと工作してなんとかしたいところです。

まとめ

かかった費用:約42,500円

照明器具に10,000円以上かかっていることを考えると、実質3万円くらいでソーラーパネルと蓄電システムを導入できたことになる(もちろん規模はとても小さいけど)。ずいぶん安くなったもんだなあと思った。

当たり前だけどソーラーパネルは晴れていればしっかり充電してくれるし、天気が悪いと全然だめ。最近はリモートワークで家にばっかりいるので晴れのときに嬉しいことが一つ増えてちょっと天気に敏感になったのが日常の変化になってちょっと面白い。

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