貨幣の歴史と国民国家/資本主義の再構築について②

貨幣の歴史と国民国家/資本主義の再構築について②

まいど!

引き続き、貨幣の歴史と国民国家/資本主義の再構築について調査を進め、下記のように大まかな分類などを進めています。

※1800年代からの思想の源流に着目しており、細かい分類/配置については別途詳細にチェックしていきます。👍

第4インターナショナルからのグローバリズムやテクノクラシーからの解決主義はどちらも圧倒的な格差社会によって盲目的な一般市民とエリート/資本家による支配によって国家を統治するのが特徴で、その是正に向けて民主主義的社会主義/ミュニシバリズムやリバタリアニズムによる国民国家、社会、貨幣システムの見直しが、2030年にかけて行われていくのではないかというのが1つの仮説です。

資本主義という名の社会主義(国家運営における社会主義的な側面と資本市場については別途詳細にチェックしていきます。)といった割と大雑把な仮説を各思想の源流から辿ることでより詳細にマークできればというところと、やはりここから先は国民国家、社会、貨幣システムそのものを見直せる国家が国家として強いのでは?というイメージで、米国の若者層がどのようにミュニシバリズムやリバタリアニズムを文化やビジネスにしていくのか要チェックかと想定しています。

日本は冷戦時代の極東の防波堤として機能していた時には会社主義(社会主義的・共同体的 + 資本主義的競争)に代表されるように国際/経済的にも重要な国民国家だったのですが、90年代からは「金融規制緩和→間接金融の崩壊(財政・金融分離)→ハゲタカファンドM&Aブーム→グローバリズムと民営化(社会主義の新しい潮流による日本的社会主義の再編成)→超高齢化社会&日本型社会主義によるイノベーションの阻害=失われた〇〇年」といった感じで、そもそも論として国民国家、社会、貨幣システムそのものを見直せる人口層が少ないもののゼネコン中心の社会システムの中で大規模不動産開発は活発に行われていくといった感じかと思われ、米国の政治体制が変化すれば、それに応じて多少変わっていくところもあるかもしれません。

その中で、

①貨幣システムそのものを見直せる「国家と貨幣の分離」を目指す取り組み(Bitcoin/テクノクラシー・リバタリアニズムの一部を含む)

②現在の金融貨幣経済システムが衰退させた贈与経済や狩猟採集の「回復」(デジタル地域通貨/斉藤賢爾先生を参考)

https://speakerdeck.com/ks91/problems-and-hopes-of-digital-local-currencies?slide=28

http://www.lap.c.u-tokyo.ac.jp/ja/theme_lectures/circle_cycle_circulation/221012/

③ミュニシバリズムによる地域主導型の社会システムの構築

※貨幣が先か国家、社会システムが先かについては個別のユースケースごとに異なると仮定。

を1つのフレームワークとすることで、2025-2030年くらいにいい感じの論にもっていけるかもと個人的には想定しています。

個別具体的に見ていくとミュニシバリズムの代表的な都市であるバルセロナにおいてはバルセロナFCがファントークン発行しているといった事例もあるのですが、安易にCryptoを結び付けても「それってただの旧世代の構築した資本主義の集金フレームワークの延長線上でしかないですよね?」的な感じになりがちかと思うので、地域社会でどれくらい有用性のあるものとして位置付けられているのかなど詳細なフィールドワークは必須かと思われます。(日本だと山古志村NFTは非常に有用性の高い取り組みであると認識され、自治体主導型のミュニシバリズムに近いのかなと個人的には感じる一方、それを「ミュニシバリズム + Web3」のようなフレームワークで考察するのは徹底的なフィールドワークが必要であるという意味)

なので、個人的にはテクノクラシーの文脈で、「AIによるシンギュラリティ+マトリックス的なSF+新しい国民国家、社会、貨幣システム」などに傾倒しつつ、上記の①〜③においてバズワード的な各思想の表明ではなく、緩やかに連携した新しいグローバルな公共財/共同体の構築を見ていければなと考えた次第です。(=国民国家、社会、貨幣のフレームワークの最適化)

Ex:

思想面から入るとお堅い形になってまったくピンとこないんですが、上記の事例とかだと

・ミュニシバリズム的な社会システムの構築において、貨幣システムはリバタリアニズムを内包したテクノロジー(一部、テクノクラシー的な側面も含む)が採用されている。

・LightningNetworkが、広義にこれまでの新自由主義によって疲弊した地域共同体を復興させるデジタル地域通貨(国際送金の場合はグローバルな公共インフラ)、グローバリズム(アメリカナイゼーション)のアンチテーゼとしても機能。

・人口動態の観点で、若者層がこの貨幣システムをスタンダードとする場合において、新しい国民国家、社会、貨幣システムの構築が期待される。

など、個人的により詳細な分類などがしやすいかなと考えています。(実際の解釈はそれぞれの当事者間で行われるべきではあります。)

まとめ

前回は、米ドルの弱体化を起点とした国民国家/資本主義の再構築など大局的な論点しか提示できませんでしたが、各思想と歴史に着目することで、より説得力のある話ができそうと感じました。

日本だと米国と高齢の有権者層、票田重視といった縛りがあるので、①〜③のフレームワークはまったく意味をなさないとも思うのですが、海外動向に合わせて事前に対応していければなと思った次第です。

また、これまでのグローバリズムやゼネコン中心の社会システムの恩恵を受けて、育ってきた世代としてはあくまでこれは末端の議論であり、現実的には現行の国際/社会秩序とどのように最先端事例が、統合されるべきなのかを考えていければといった次第です。

今週からはこれまでの考察をふまえ、有用性ありそうなCrypto・AI領域のプロダクトをリサーチしていこうと思います。👍

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