Symbolの(N)FTカードシステム構築の検討
まずSymbolがそもそも(N)FTカードを作ることのできる仕様か調べてみました。私が構築することはありませんが、興味のある方は参考にしてみてください。質問なども受け付けます。@nachat_dayo
・整数のモザイクを発行できるか?→〇可能
・モザイクの永続性→〇期限なし設定可能
・手数料→動的、実際どのくらいになるか調べられなかった
・DEX→△ないがクロスチェーンスワップの応用で似たことはできるかもしれない
・トークンを識別できるか→✖厳密なNFTではない
厳密なNFTではないもののカードシステムを構築することは可能だとわかりました。NEM時代にネックとなっていたモザイクの有効期間を「なし」に設定できるように仕様が変更された?ようです。
カードシステムを作れることがわかったので次にどのように実装するか考えてみます。
画像データとモザイクを結びつけるのにSymbolのシステム内で完結させるのか、もしくは外部でアカウント署名を行って結びつけるのか二つの選択肢が通常はありますが、Symbolにはモザイクに任意の文字列を書き込むプロパティがないので必然的に外部で署名を行って管理するシステムとなります。外部のサイトでは、まずは署名を登録してもらってそのアカウントのモザイクの発行者が自分だということを証明してもらいます。
アカウントを証明してもらったら次はモザイクに対して拡張情報を登録してもらいます。ここに登録する情報はSymbolチェーンからは切り離されており、自分のでデータベースに登録することになるので永続性に問題があります。バックアップサーバーなど複数用意しておくことで全ロスを防ぐことができます。登録する情報はカード名や登録画像、説明などです。ここにTwitterログインなどと連携しTwitter名を自動的に登録するようにすればなりすましの登録が防げますが、Twitterを持っていない人などに使いにくくなってしまうデメリットがあります。
登録する画像データはIPFS、自前のサーバー、imugurなど候補はありますが費用や使いやすさ、永続性などメリットデメリットがあるので難しいところです。イーサリアムのとあるプロジェクトはIPFSを使ってるようです。Monacardはimgurを使っていて今後IPFSに対応するかは検討中のようです。
ここまでで画像データとモザイクを結びつけることはできましたが、このままだと誰もカードだと認識してくれません。APIを公開すればいろんなサービスでそのモザイクがカードとして表示されるのでユーザーもカードだと錯覚するようになります。APIにはモザイクとカードの結びつきをリスト表示するものや、各カードの詳細情報を引けるようにしておくと理想です。また登録APIを公開すれば第三者がウォレットにカードシステムを組み込む可能性も出てきます。
APIだけではなくて自前でカードのエクスプローラーを用意しておくのもカードとして認識してもらうためには必要となります。
次はシステムの運用について考えてみます。カードの登録を審査制にするかフリーにするか決める必要があります。審査制にすると運営が面倒になったりユーザーの利便性が低下します。完全フリーにしてしまうと法律に違反する画像が登録されるなど無法地帯になってブランドを損なう恐れがあるので、管理人の判断で非表示にするなどのシステムを構築しておく必要があります。
最後にSymbolNFTシステムのメリットでデメリットを書いておきます。
現在NFTのメイン市場はイーサリアム上にありますが、手数料が恒常的に$10以上になっており手数料の面でSymbolに優位性があります。一方モザイクに拡張情報を付与するのに外部のサーバーが必要になり永続性に問題が発生する部分はデメリットとなります。またDEXを通じて交換できないは大きなデメリットです。Symbolの前身であるNEMにはコアなファンが多くいるのでその方がユーザーになってくれる可能性が高いのは大きなメリットになると思います。
以上終わり。
----------追記----------
モザイクに発行に1157XYMかかるとの情報をいただきました。動的なためその時によって異なるとは思いますが、イーサリアムなどでトークンを発行するよりも遥かに高額でありユーザーが気軽に発行して使うことは厳しいように感じます。1XYMレベルまで安くなれば気軽に遊べるようになるんですが、やはり企業向けなのかなと思います。ドメインは高めでもモザイクは安くするなどすれば、名前を汚染することなく遊べるので良いと思うですが難しいですかね。
----------さらに追記----------
1157XYMは設定ミスによるものだったようでそのうちアップデートされるみたいです。