月桂冠 THE SHOT 本醸造を飲んでみた
みなさんこんにちは。以前私は、月桂冠が販売している「THE SHOT 大吟醸」について書かせてもらいました(過去のブログはこちらから)。日本酒の新しい楽しみ方を提案した商品で、CMの雰囲気もかっこよく、若い人たちにも日本酒の魅力が伝わるきっかけになるといいなあと思っていました(特に、エレファントカシマシの宮本さんが出演されていたCMには痺れました(笑))。
そして今回は、大吟醸に続きましてこちらの・・・
月桂冠 THE SHOT 本醸造 ~艶めくリッチ~ 税別249円
を飲んでみる事にしました。「艶めくリッチ」とはどんな味わいなのか、楽しみですね~!まずは、裏ラベルを見て商品スペックを確認してみると・・・
精米歩合70%で、以前の大吟醸のような生詰めタイプ(通常2回の火入れを貯蔵前の1度のみ行う)でもない、標準的な本醸造のようです。
それでは、さっそく注いでみたいと思います。アイキャッチ画像では、雰囲気の出るお猪口を使いましたが、実際の試飲には・・・
試飲用のワイングラスを使いました。外観は非常に淡いクリスタルカラーで、前回のマニアックな日本酒との色の差は歴然です(笑)。
続いては香りです。商品ページには、バナナやマンゴーのような甘くとろける香りがあるとの記述が。さっそく嗅いでみると、確かにバナナの香りがしっかりと感じられます!その他にも、蒸したお米やつきたてのお餅のような香りに、生クリームのような乳製品系の香りも感じられます。
では、最後に味わいです。まず最初に感じるのはお米由来のしっかりとした甘み。その後、すぐにフレッシュな酸味がバランスを取りつつも、まろやかなテクスチャーが口中に広がります。そして、余韻に感じる心地よい苦味がコクを与えながら、アルコールの揮発感で少し爽やかさも感じられる、そんな味わいでした。
さて、ここからは恒例のペアリングのお時間ですが、このお酒はしっかりとしたお米の甘みがあるので、間違いなく甘い物に合うと確信しました。さらに、バナナのような果物の香りが特徴的にあるので、バナナと相性が良いデザートならなんでもいけると思いました。
例えば、パンケーキとかクレープ、マフィンやスコーン、パウンドケーキなどなど、無限の可能性を感じました(と言うか、そもそもバナナの守備範囲の広さが凄い(笑))。
そんな中、商品ページを見てみるとそこには「チーズケーキとの相性が良い」との記述がありました。なるほど、チーズケーキか~、それも試してみたいなあ。でも、さすがに今家には無いか~と思いつつ、しばらく考えた私はふとある事を思い出し、冷凍庫の扉を開けました。すると、そこには・・・
やはりありました、チーズケーキです!これはモスバーガーの「ひんやりドルチェ ベイクドチーズケーキ」と言う商品で、なんと冷凍のまま食べるんです!溶け具合によって食感が変わると言う事で、気になって買っておいたのを思い出しました。
中身はこんな感じです。さっそくフォークを入れてみると、普通のチーズケーキにはない硬さを感じます。しかし、食べてみるとガリガリとした凍った印象ではなく、重さのあるしっとりとした食感があり、その後なめらかに溶けていく、そんな独特な口当たりでした。
そして味わいも、チーズの濃厚さとレモンの風味による爽やかさのバランスが絶妙で、買っておいた自分を褒めたい気分でした(笑)。
そんなチーズケーキにこの本醸造を合わせると、日本酒とチーズケーキの甘さや乳製品系のニュアンス、そしてまろやかでなめらかなテクスチャーがシンクロし、さらにバナナの香りがこのチーズケーキをよりグレードアップさせる、そんな素晴らしいペアリングとなりました。
今回の「THE SHOT 本醸造」も前回の大吟醸と同様に、このお値段でこの味わいが手軽に楽しめるので大満足でした。特に、このお酒の特徴であるバナナの香りとしっかりとしたお米の甘さは私の大好きな味わいなのですが、その秘密について少し調べてみました。
まずバナナの香りですが、これは「酢酸イソアミル」と言う香気成分によるものだと思われます(以前の大吟醸では「カプロン酸エチル」と言う香気成分によるリンゴの香りが特徴的でした)。
この香りの成分は、酵母による影響がとても大きいので酵母についても調べたのですが、どうやら月桂冠が開発したオリジナルの酵母を使用しているようです。ただ、「酢酸イソアミル」を高生産すると言うような記述までは見られませんでした。
しかし、この酵母は爽快な酸味を引き出すとの記述がありました。恐らくこれは「リンゴ酸」の事だと思われます。「リンゴ酸」は非常に爽やかな印象をもたらす酸味で、きっとこの酵母はこの「リンゴ酸」を通常よりも多く生成する特徴があるのかもしれません。それにより、しっかりとした甘みがありながらも、バランスの良い味わいに仕上がっているのだと思います。
また、造りの部分でもこの日本酒には特徴がありました。それは「四段仕込み」をしている事です。通常は「三段仕込み」と言って三回に渡って仕込みをするところを、この日本酒はさらにもう一度仕込み回数を増やしているのです。こうすることで、よりお米からの甘さを引き出しているそうです。
この前のマニアックな日本酒では、まさかの「八段仕込み」と言う大技が繰り出されていましたが(笑)、この日本酒もこだわりの製法で造られたまさに「艶めくリッチ」な味わいに仕上がっています。ぜひみなさんもTHE SHOTを片手に、気軽に日本酒を楽しんでみてはいかがですか?