すご〜くマニアックな日本酒 〜後編〜
みなさんこんにちは。前回は、友人から頂いたすご〜くマニアックな日本酒の素性についてご紹介しましたが、今回はその後編と題しまして、気になるその味わいについてご紹介したいと思います。
では、さっそく注いでみたいと思います。すると・・・お〜!!
なんとも美しい黄金色!!
日本酒とは思えない、まるで高級なブルゴーニュのシャルドネのような気品を感じます。続いて香りを嗅いでみると・・・
なんとも芳醇で複雑な香り!!
一言では表現する事が出来ません。一つ一つ紐解いてみると、まず蒸したお米の香りに少し醤油やカラメルのような香ばしさ、さらにはカスタードクリームやクリームチーズのような乳製品の香りなどが複雑に存在しています。
そして、最後に肝心の味わいですが、口に入れるとしっかりとしたお米の甘さや旨味、そして香ばしさが感じられる濃醇な風味が広がります。しかし、それと同時に程よいボリュームのリンゴ酸が全体に軽快さを与え、最後にアミノ酸由来の苦味がコクとアクセントを与える、良い意味で雑味などもポジティブに捉えた味わいです。正直、こういうクセのある味わい、私は大好きです(笑)。
さて、どんな味わいかはわかったので、今度はこの日本酒に合う料理はどんなものかを考えてみたいと思います。
そのヒントになるのが、このお酒に使われている「山乃かみ酵母」の特徴です。この酵母の特徴は「アルコールの生産性が高く、リンゴ酸が豊富な酒質になる」事で、それによってキレが良く油分の多い料理にも合いやすくなるのです。
また、他のペアリングのポイントとしては、この日本酒が持つ旨味のある甘さやコク、そして少し醤油のような香ばしいニュアンス、これらを併せ持った料理であれば合うと思いました。
そして、いろいろ考えた末に導き出した答えが・・・
豚丼です!
以前北海道の物産展で購入した冷凍の豚丼なのですが、醤油ベースの甘さのあるタレに、炙った香ばしい香りと豚肉の旨味のある脂分、そしてご飯、全てが完璧に条件を満たしていました。
そしてこうやって並べてみると、やや豚丼の方が色は濃いですが色でも近いペアリングとなっています(笑)。
そして実際に合わせてみると、豚丼の甘く香ばしい醤油の風味と日本酒の持つ甘さや醤油のような香ばしいニュアンスが同調し、さらに豚肉の旨味のある脂分を日本酒が持つコクのある旨味が受け止めてより豊かにし、そして最後にリンゴ酸が全体に爽やかさを与えてバランスを整える、想像以上のペアリングとなりました。
この日は他にも、
冷凍のシュウマイがあったのですが、豚肉のジューシーな旨味のある脂分と醤油の風味が日本酒の持つ風味と良く合いました(少し紹興酒的な感じのペアリングです)。
ちなみに、これはあの小栗旬さんがCMをやられている味の素のシュウマイなのですが、本当にお店で食べるような味わいで、その美味しさにびっくりしました。
いかがでしたか?とてもマニアックで味わいもかなりクセがありますが、逆に精米歩合が40%や30%のようにしっかりと磨いているお酒にはない甘みと旨味と複雑味があり、重さのある料理にも負けない骨太さがあって、意外とペアリングの幅は広そうだと感じました。
こういった、流行りや常識に捕らわれない独自のこだわりや信念が感じられるお酒っていいですよね、なんかロックだな~と思いました(笑)。好き嫌いは分かれそうですが、興味のある方はぜひ一度お試しください!