各国で起債されているブロックチェーン債
どうも、Midoyoshiです。お久しぶりです。
今、イーサリアムのブロックチェーンがいたるところで利用されていますね。スマートコントラクトが利用できるという事で分散型金融(DeFi)市場が形成されたり、NFTの取引が行われたりしています。また、STOによる資金調達にも使われている時もありますよね。
さて今回は、イーサリアムのブロックチェーンを利用したブロックチェーン債の起債が各国で行われている、というお話をしていきたいと思います。おっとその前に、イーサリアムの概要と特徴についてさらっとおさらいしておきましょう。
イーサリアムは、ロシアのヴィタリック・ブテリン氏によって考案され、開発された暗号通貨および分散型アプリケーション(DApps)です。特徴としては、発行上限や半減期が存在しないという事、「スマートコントラクト」と呼ばれるブロックチェーン上で予め契約内容をプログラミングしておく事により、自動的に契約実行できる機能がある事です。
最近では、コンセンサスアルゴリズムを「Proof of Work」から「Proof of Stake」に移行しようという動きがある事で話題になっていますよね。
いたるところで話題になっているイーサリアムですが、ここ最近ではブロックチェーン債の発行に利用されるケースが多くなってきているようです。ここでは、ブロックチェーン債の発行例をまとめていきたいと思います。
なおこの記事では、債券発行などにブロックチェーンが利用されているものを"ブロックチェーン債"として定義します。
ケース1.世界銀行グループの国際復興開発銀行による発行
世界銀行グループの1つである国際復興開発銀行(IBRD)は、2018年にイーサリアムブロックチェーンを利用したブロックチェーン債(通称 Bond-i)を豪ドル建てで発行しました。これは、世界初の事例として話題になりました。Bond-iでは、償還までのプロセスだけでなく、起債、販売、決済などにイーサリアムブロックチェーンが使われています。Bond-iを発行するねらいとしては、費用削減の効果や資本市場が発展途上にある新興国でも有効な資金調達モデルを開発するというものです。なお、Bond-iの発行は2回行われています。1回目の発行額は約1億1,000万豪ドル(日本円でおよそ90億円)とされ、2回目の発行では5,000万豪ドル(日本円でおよそ36億円)との事です。またトリプルAの格付けがなされており、債券市場において評価が高いようです。