給付じゃない。景気刺激策だ。

給付じゃない。景気刺激策だ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-23/QDXMGXT1UM0Z01

邦題:米共和党の追加景気対策案、1200ドルの個人直接給付の第2弾を検討

原題:Republican Plan Would Send More $1,200 Stimulus Checks in August

いや、間違ってるとは言わない。意訳の範疇。

しかし、原題を機械的に直訳するなら「共和党の計画として8月にさらに$ 1,200の刺激小切手を送るだろう」となる。

なぜ、Stimulus checkを(景気)刺激小切手と訳さない?

以下はinvestpediaから定義の抜粋。

https://www.investopedia.com/terms/s/stimulus-check.asp#:~:text=A%20stimulus%20check%20is%20a,and%20thus%20spurs%20the%20economy

原文)A stimulus check is a check sent to a taxpayer by the U.S. government. Stimulus checks are intended to stimulate the economy by providing consumers with some spending money. When taxpayers spend this money, it boosts consumption and drives revenues at retailers and manufacturers and thus spurs the economy.

訳)刺激小切手は、米国政府から納税者に送られる小切手です。 刺激小切手は、消費者にいくらかの支出金を提供することによって経済を刺激することを目的としています。 納税者がこのお金を使うと、消費が増え、小売業者や製造業者の収入が増え、経済に拍車がかかります。

小切手は失業者や低所得者の救済のためにあるのではない。

景気刺激策として給付されるのである。

もちろん、経済的弱者の救済目的も含まれて入るが、あくまでも消費に回してもらうため、小売業者や製造業者の収入を途絶えさせないため、と考えるべきである。だってstimulusなんだから。貯金したり税の支払いのためではない、ものを買わせて景気を刺激するためだよ。

IMF chief urges green and digital investment for post-virus recovery

https://asia.nikkei.com/Editor-s-Picks/Interview/IMF-chief-urges-green-and-digital-investment-for-post-virus-recovery

日経アジアの記事。緊縮の鬼ことIMFの長官のインタビュー。

彼女の意見を要約すると、「刺激策として支出しろ、デジタル化とか環境対策とかに」である。

政府が金出して経済を刺激しろ。普通の国の普通に頭のいい人はそう考える。どこぞの島を除いては。

なぜそういう脳にならないのか。

たかが10万配った程度でコロナ増税しなきゃ(使命感)とか頭の悪すぎる話が出てくるのか。

それについては、他の人が散々言ってるし長くなるので今回は省略するとして。

ついでにcnnも見ておこう。

↓原文

https://edition.cnn.com/2020/12/28/politics/house-vote-direct-payments-2000/index.html

House passes measure to increase stimulus checks to $2,000

↓これが日本版

https://www.cnn.co.jp/usa/35164470.html

給付金を2000ドルに増額、米下院で法案可決

意地でもstimulus checks を給付金と訳したいようだ。ていうかなんで日本版cnnは原文のurlを貼らないんだ? Bloombergもそうだが、たまに米国版の原文が微妙に誤訳されたり省略されたりしてとても疑わしいのだが。

で、こういうこと言うと陰謀論とかなんとかいうんですよね。単なる指摘なのに。

ちなみに、外国語を誤訳する作法は明治からの伝統です。意訳ならいいんだが、どうもわざとくさい誤訳が多い。たとえばeconomyを経世済民と訳したり。経世済民という言葉自体は道徳的な響きがしていいんだけど、economyの原語のニュアンスは消されてしまっている。当時の国策、庶民感覚からいって金儲けをポジティブにしたかったんだろうけど。まぁこれについては枚挙にいとまがない。

結局、メディアの表記がなぜそうなのか、確固たるevidenceなんてないけど、惰性でもなんでもstimulus checkを給付金と訳すのいい加減やめたらどうだと不満に思う。それともやっぱりお金を配る=国家が下々の民に恵んでやる、というニュアンスをどうしてももたせたいの?

そういえばcryptocurrencyも、仮想通貨だの暗号資産だの、完全に意図的にニュアンスを捻じ曲げる誤訳をされまくってるけど、そろそろ別にいいやってなってません? どうせ将来的には資産税をとる布石でしょうね。まぁ、ニューヨークタイムズは意地でも"Virtual currency"と呼び続けていたし、イングランド銀行もcrypto assetと言い表していることから日本だけの話だとは言わないけどさ。

「名づけをちゃんとやれば一般庶民どもをコントロールするのに便利だぞい」

孔子は2000年以上前の人間なのに相変わらず優れた洞察だよなぁと、感心する。

もちろん意訳してますが。

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