Steam大穴ゲーム "OMORI"
Steam公式ページ
https://store.steampowered.com/app/1150690/OMORI/
MOTHER2,ゆめにっきのエッセンスを取り入れてリスペクトしたゲーム(パクりとは言わない)。
「最近の自分、金のことばかり考えてて心が腐ってるかも」
と悩めるだけ魂がまだ完全にbotでない人にはおすすめです。
まだ日本語版は出てませんが、今後発売予定とのことで一足先に英語版をプレイ。
画像の通り、スーファミっぽいドットに、絵がうまい素人っぽいイラスト。
ぼんやりした鉛筆やクレヨンの筆致は視覚的にはなじみやすい。
あとキャラがかわいい。
ぱっと見て性別がわからない。
この時点で人を選ぶかもしれません。
ですが、バトルの出来の良さ、ストーリー性はなかなかのもんです。
以下、物語の核心に触れずに、なるべくネタバレせず紹介です。
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主人公の"OMORI"は、思い出せないくらい長い時間、モノクロの四角い空間にひきこもっていました。
そんな彼がふと部屋を出ると、幼馴染の三人が待っていました。
OMORIは三人と共に夢のような幻想のような世界を旅します。
消えたとある人物を探して。
ストーリーについては、語るだけ野暮なので、キャプチャで感じ取ってほしい。
バトルシーンについて。
ちょっと独特だけどキャッチーな絵柄も手伝ってなじみやすい。
またこのゲームの戦闘には”感情”という要素がある。
たとえば"Enraged"(激怒)は攻撃力マシマシ。ただし防御力が減る。
”Depressed”(絶望)は攻撃力がダダ下がりする代わりに防御力が高まる。
喜、怒、哀の三つの感情に強弱があり、これは敵も味方もステータスとして現れる。
毒や麻痺などのステータス異常はない。
魔法も呪文もない。
ひたすら打撲。殴るかぶつける。
だけどまったく気にならない。
連携と感情システムがとてもよくできていて戦略の幅が広いのだ。
それを理解すると強敵相手でもうまくやりこめる。
ばかすか殴るだけじゃ倒せない敵も出てきて、だけど連携技や特殊技、各種アイテム使用できりぎり打ち勝てるバランスの良さで飽きさせない。
単なる雰囲気ゲーではなく、戦闘システムはバランスよく作られているので最後まで飽きないだろう。
プレイ体験にはしっかりと配慮されている。
圧倒的に素晴らしいゲームだがとても万人にはオススメできない。プレイヤーの歩んできた人生によってはひたすらキツくて冗談じゃなく一週間落ち込むのでは。生半可な気持ちだとダメージが残る。クリアしてからゲーム内容を思い返すと、たとえエンディングまでいっても深くえぐられた傷は塞がれない。
これはsteamならではのぎりぎりの表現だと思う。コンソールだと発禁じゃないか。
気軽にすすめられないが、間違いなく傑作である。
クリア後すぐは疲労と衝撃で頭がいっぱいになる。他の感想もみたけど過大評価と言われていて、それも正しいと思う。冷静に考えると駄作スレスレの線で右往左往しているゲーム。
正直ホラーの演出はゆめにっきまんまなので拍子抜けするけど、物語の核心部分がえぐいです。OMORIに感情移入してしまうと、取り返しのつかない失敗をいつまでもひきずるような精神的なキツさに襲われて、心臓が胃に沈むと思います。
だけどOMORIには決して救いがないわけじゃない。
自分なりに咀嚼して飲みこめばいい栄養になると思う。他のレビューではストーリーが稚拙だという意見もあるが、むしろ穴や隙間のある物語だからプレイヤー側に考える機会を与えるのではないかな。
雰囲気は、ハマれば抜群に良い。
強いて難点を挙げるなら、会話テキストがやや冗長か。
MOTHER2ほどスマートでも面白くもなく、読み飛ばしたくなるほどかったるい箇所も。
また定価6000円程度の大手パブリッシャーが出すような大作ほどのボリュームはなさそう。
マップも思ったよりは広くはない。
20~60時間くらいはプレイできる。
1980円。(2021年1月時点)
新作でこのボリューム、手作り感満載のちーぷさ。
おすすめしたいが、正直、人を選ぶ。
ので、これを読んで気になったら、ウィッシュリストにぶちこむぐらいはしてもいいのでは。
日本語版もいずれ出るそうです。
心までbotじゃないなら。