流行るp2pと流行らないp2p

[注意] マジで浅い考察です。Twitterで1ツイートするのと同じ程度の内容です。

マスアダプションしたp2p:
Uber / Uber Eats / メルカリ / Airbnb /skype

マスアダプションしてないp2p:
Winny / Tor / BitTorrent / Napster

前者は他のWeb2.0企業やSNSと通信の形は同じ。(Skypeは途中でp2p通信の多くを廃止した) 
ユーザーから見たコミュニケーションはp2p。

後者は通信からしてp2p。ユーザーから見たコミュニケーションはp2p+匿名性。WinnyとNapsterはp2pネットワークだったけど規制で死んだ。

疑問:多くの仮想通貨は後者の特徴が多そうだけれどもどうだろう?

答えの候補1) ノードが少ないp2pじゃない仮想通貨がほとんどだからいいんじゃね?笑

答えの候補2) 後者なんだけど、今度こそ後者が勝つのだ!リバタリアンの夢なのだ!

答えの候補3) それはWeb2.0の話だ。今はWeb3.0なんだぞ?アンドリーセンホロビッツに習わなかったのか?

答えの候補4) その通り!!p2p+匿名性は犯罪だ!私の作ったこの匿名性のない仮想通貨ズビンドラは素晴らしい。これはビットコイン以上の時価総額になるぞ。偉い人のお墨付きだ!ガクトもウミトも買う!!

....

答えの候補5) インターネットって元々p2pじゃね?もしかして上のp2pの分類2つには例外ある?

=> インターネット(TCP/IP)の基本構造はp2pなのか?

=> 正確には違う
TCP/IPの設計思想は "E2E原理"。End2End。
通信プロトコルの機能はなるべく参加ノード端末(End)で走らせるべきで、途中の中継ノードはリレーに徹するべきだという原理。
このEnd2End原理では、どのノードも他のどのノードに対しても途中でパケットを変換されることなく、通信することができる。誤り訂正符号により確実に届くパケットは誤差や偽造は端末(End)で検証・検知される。

この中継ノードにEndノード自体も参加するのがp2pであるので、P2Pの方がよりフラットであると言える。

ここで面白いのは、リレーに徹するというのはすなわちインターネット中立性ということなんだけれでも、これが経済的にも良いという点。中継サービスは偽造はできなくても検閲はできてしまうことがあるので、邪魔することができる。しかし、この検閲可能性を作るとこの検閲されないような実装の仕方などが沢山出てきて、開発コストが全員に対して嵩んでしまうこと。つまり、インターネット中立性があることが経済的にも合理的な状況を作る。
詳しくはこちら

P2Pは中間での検閲が不可能なE2Eであり、E2Eがp2pと共通点の多い思想であることが分かると思う。

=> インターネットそのものがマスアダプションに成功した(通信もP2Pな)P2Pネットワーク?

さらに言えば、インターネットそのものくらいになればp2pはマスアダプションするし、マスアダプションしなかった非検閲型の良いP2Pたちに足りていなかったものは、インターネットプロトコルの1つになるほどの徹底した規格化とノード運営なのかもしれないということ。上のリストではTorは例外的にそうなるかもだけど。

=> で、その時仮想通貨が後者の流行ってないP2Pと異なるという理由はあるか?

多くの場合異ならないし、なので理由はない。
仮想通貨のLayer1のほとんどはその高速化によって多くのユーザーはリレーをせず、バリデーター同士がp2pと呼べるか微妙なブロック伝播をすることになり、実質的にp2pをやめると思う。EOSがp2pでなかったように。なぜなら上のようにインターネットプロトコルの一部になるのは限られているから。一方で、例えばLightning Networkのように多くのノードが自発的なユーザーの元で回ってるものはp2pネットワークとして残り続けるんじゃないかなと。p2pで居られなかったLayer1はその後普通に一国一国の規制を気にしながらサービスを続けていくので、特に終わるとかは思わないけど。一つ言えるのは、一つの営利企業のサービスとして分散匿名型のp2pネットワークというのはこれまでの経緯からしても大化けしてないなということ。





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