Re: モナコインは、どれくらい開発されていないか
つづき。
前回は「ビットコイン開発すごいよね」からの「モナコイン開発弱いよね」経由「ライトコイン…」でした。
ビットコインの強さって、コアの開発もさることながら「ノード実装が複数存在する」という点があります。
このあんまりソフトウェアに詳しくない勢でも判るように例えるなら。「聖書は各国語に翻訳されているから、キリスト教は強い」です。
たぶん聖書の原点ってヘブライ語だと思うのですが、英語はもちろん、スペイン語にも日本語にも翻訳されています。仮に日本列島が沈没しても翻訳されている言語圏でのキリスト教には影響はありません。イギリスが沈没した場合の日本も同様です。
同じような感じで、コインを管理するノード群が、それぞれ複数のプログラミング言語で書かれていることは大事です。プログラムにはバグがつきものです。同じノードは同じ挙動を示すので、一つのバグで全ノードが機能不全に陥るリスクがあります。複数のノード実装があれば、このリスクを減らせます。異なる開発者らが異なるプログラミング言語で書いて、同じバグを発生させるのは、難しいのです。
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さて、開発が活発なビットコインの世界ですから、コア以外のノード実装もさぞかし活発に開発されていることでしょう。
見てみます。まずは、Go言語で書かれている btcd。
…あれ? Litecoin と大差ないような…
気を取り直して、JavaScript 言語で書かれた、bcoin。
あれれ? そんなはずは…活発に開発されているはずでは…。
もういっちょ行きましょう。Java 言語で書かれた BitcoinJ。
ちょっとはマシでした。モナコインよりも薄いですけど。
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これらのノード実装では、コアの変更に追随する開発が主になります。コアと違うコンセンサスを示したら、フォークになっちゃいますので。
要するに、Bitcoinコアの追っかけをしているアルトコインと同じような開発ペースになります。結果がモナコインや Litecoin と似たような感じになるのは、ある意味妥当です。
けれども、コアの状況を伏せてこれらだけ見せたなら、「Bitcoin も大したこと無いな」って誤解しそうですね。
仮想通貨界隈、とくに SNS には、こういった誤解を誘導して利益を得ようとする「インフルエンサー」が山のようにいます。
この記事まで辿り着くような人は、比較的情報強者と思われますので言うまでも無いことかもしれませんが。
開発の活発さを材料に挙げる人には、眉に唾して対応することをお勧めしておきます。
開発をコインの価値源泉と考えることの無意味さついては、過去にも記事を書きました。
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