競争通貨・人口問題・政治哲学に関する議論
ういっす!
気になった議論をざっくばらんにまとめてみましたー✌️
■競争通貨
※競争通貨:フリードリヒ・ハイエク/貨幣発行自由化論を参照
アルゼンチン大統領予備選では、中央銀行廃止論、アルゼンチンの基軸通貨として米ドルの採用を目指すハビエル・ミレイ氏が勝利。
・大幅な減税と公共支出の削減
・すべての国有企業を閉鎖または民営化
・保健、教育、環境省を廃止
・経済学者エミリオ・オカンポ氏が中央銀行閉鎖の監督責任を担当
・国民が通貨を選択できるオプションを提供
といった政策も打ち出しており、wiki情報によると
理論的には無政府資本主義者であるが、短期的にはミナキストまたはリベラル・リバタリアンであると自認
とのこと。
ミレイ氏は、アルゼンチンペソと比較して安定的な米ドルの採用によってインフレーションなど不安定な通貨制度/国家運営を改善することを目指しており、本来的な競争通貨の議論とは少しずれているかもしれませんが、アルゼンチンで暮らす人々にとってはアルゼンチンペソよりも米ドルの方が通貨として安定的で機能しやすいと言えるでしょう。
しかしながら、
・1990年代における米ドルとの通貨兌換制による経済成長と税収/資本流入の低下からの経済危機(2001年)との違い
・新しい通貨制度を採用するだけでマクロ経済と通貨の安定化(純外貨準備高マイナス)は実現できるのか?
・中南米は多くの国で新自由主義からの脱却を目指している中、ミレイ氏の政策が支持を集めている(財政再建、公共支出削減、民営化・・・)
なども気になるところで、国家運営も絡んでくるので確かに通貨制度ばかり議論しても始まらない感はありますね。
・複数の通貨を自由(競争的)に人々が決済に利用できることは国家運営の正常化につながる?
・ビットコイン採用後のエルサルバドルの観光活性化による外貨獲得の状況、国家運営の正常化(ギャング構成員9000人逮捕etc…)
なども中長期的にみていこうと思います。
暗号資産領域にいるとGHO、crvUSDなど新興ステーブルコインに競争通貨的イメージをもってしまうのですが、国家運営と通貨制度に着目したほうが地に足ついた議論になるのかなと。
アルゼンチンに住んでる人と一緒に仕事して給料としてGHOを6000ドル分毎月渡して、その人がGHOで日常生活における決済を行なっていた場合、GHOはその人にとっての通貨であり、広義に競争通貨となる?的な話とか国家や政府の管轄外での国民生活(広義にnetwork state)とかはまた別の話ですね。
https://twitter.com/AssLatam/status/1653465308806500352
https://www.nytimes.com/2023/08/14/world/americas/argentina-javier-milei-president-primary.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Javier_Milei
■人口問題
・人口減少を予見して、ケインズは資本主義の制度変更を提起した!
https://gendai.media/articles/-/101642?page=3
・伊藤忠商事、働き方改革で出生率2倍 生産性も向上
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC274TZ0X21C22A0000000/
ケインズ/人口減少の経済的帰結と伊藤忠商事における出生率向上の事例|日本社会における企業・地域コミュニティの制度的変更とミクロな人口経済学
といったテーマでいい感じの何かができそうな気もしますが、資本主義の制度変更(平等な制度の導入)とかは、
・ドイツの出生率向上に寄与 「時間政策」って?
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFE035AV0T00C23A3000000/
など実践的な取り組みが行われているようで、
・首相「少子化先送りできぬ」 対策に年3兆円台半ば 24~26年度
https://mainichi.jp/articles/20230613/k00/00m/010/354000c
といったように日本でもこども家庭庁のJリーグ「こどもまんなか応援サポーター」宣言への批判などはあるようですが、多くの議論がかわされているようです。
人口増加期というと日本の昭和のように途上国→先進国の過程でしか存在しないのかなと思ってたのですが、ドイツでは出生率は向上しており、先進国においても成長期→衰退期には下記のようにいろんなパターンがあるんですね。
・中国、22年の出生率1.09 現地報道、日本を下回る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1647U0W3A810C2000000/
とはいえそれぞれに価値観があるので出生率がすべてではないとは思われますし、個別具体のケースについて中長期的に調査していければと思います。
・「なんで若者ばかり......」岸田首相も視察した"奇跡のまち"岡山県奈義町の光と影【ルポ・子だくさん町 第2回】
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2023/04/15/119046/
ご高齢の方が多い地域で財源を少子化対策に回す場合のコンセンサスの図り方や透明化してはいけない何かなど、一般論化できない課題も多いですよね。
■政治哲学
PLUTOのブラウ1589が人間に対する犯罪によって人間に近づいたように昔のSF系の漫画においても人工知能とルールメイキングといったテーマは取り上げられており、ケンブリッジ・アナリティカ、OpenAI/ChatGPTなどをテーマに現代においてもさまざまな議論が交わされていますね。
「バイアスのない中立なAI」が実現不可能な理由
https://www.technologyreview.jp/s/314391/why-its-impossible-to-build-an-unbiased-ai-language-model/
議員・政策立案者は生成AIの課題にどう向き合うべきか?
https://www.technologyreview.jp/s/302482/an-early-guide-to-policymaking-on-generative-ai/
AIとディスインフォメーション: 人工知能は民主主義にどのような影響を与えるか?
https://jp.cointelegraph.com/news/forget-cambridge-analytica-here-s-how-ai-could-threaten-elections
日本の地域コミュニティにスコープしてほとんどデジタル技術を必要としない領域でのコンセンサス形成などをみていると、AIによる意思決定の自動化と正義・公正が関与することがないように思われますが、例えば町長選挙をAIが予想し、それが世論となってしまい、「本来的に町民が目指していた町づくり」とは正反対の方向に予算が分配され、5年後には人口減少に繋がってしまった場合など、その影響力と何を持って中立とするのかなど、いろいろと考えることは多そうです。
ブラウ1589みたいなAIロボティクスが人間のように政治に参加してくる未来においての正義・公正・民主主義など既存の政治哲学をどのように適用するのかなど、いろいろと考えることは多そうですとしか言えないですね。w
■まとめ
そろそろ秋ですねー
ういっす!