Monaparty に登場した MPYEN アセットについて
2020 年 9 月下旬から、Monaparty に MPYEN という名前のアセットを用いた活動が観測されています。このアセットについて、非公式な分析および見解を記しておきます。
ちなみに Monaparty の公式な見解は
「ノンカストディアルなチェーンの上で
利用者が何をして何が起きても知らんがな」
です。バグでチェーンが止まるなんてことはないよう、ノードのコードについては最善は尽くします。以上。
MPYENアセットとは何か
XMP 以外の全てのアセットと同様に、誰かが生成した Monaparty 上のアセットです。
Monaparty のアセットは、埋め込みのコントラクトしか動作しないので、アセット自身には別段の特徴はありません。
このアセットに特有なのは、(先日の MONANA トークン同様に)外部で bot が稼働している点です。
この bot は、MONANA/MPYEN の相場が MONA/JPY と連動するような注文を DEX に対し出しているようです。期限が短い注文を周期的に出しているので、人力は有り得ないと思われます。
誰が bot を運用しているのか
判りません。MPYEN の所有者と bot の運用者が同一であることは、チェーンに残った注文履歴を見る限り明確ですが。
MONANA の発行者と同一の可能性を否定する決定的な材料は持っていませんが、Twitter 辺りでコミュニティの反応を見ている限りの直感として、別人である可能性が高いと見ています。
おそらく日本語を読める人でしょう。スプレッドの広さを指摘するツイートがされたあと、スプレッドが縮小しているようなので。
いわゆるステーブルコインなのか?
ドルなどフィアットにペグする「ステーブルコイン」というジャンルがあります。USDT などが有名どころです。ステーブルコインは、企業がフィアットと交換で発行するもので、価値の源泉があります。
…まあ USDT で大いに揉めている通り、価値の源泉が正しく保管されているかどうか怪しいところではありますが。
一方、MPYEN には、発行時点での価値源泉が有りません。せいぜい生成に使われた 0.5 XMP が総額です。この点で、(正しく発行された場合の)ステーブルコインとは性質が異なります。
ステーブルコインでは無いなら何なの?
発行時点では無価値な MPYEN ですが、流通時点で MONANA → MONA → JPY と間接的にペグすることになります。さらに、ペグの証憑がチェーンと仮想通貨交換所という権威に記録されます。
これは考え方次第なのですが。
正しく発行されていないステーブルコインに価値がつくなら、ペグの記録がある MPYEN に価値が見出される可能性もあり得るでしょう。
おそらくこのような暗号資産は、前例が無いような気がします。(ご存知でしたらコメント欄で教えてください)
Proof of Burn は、焼いたというチェーンへの記録がペグになるという点で似ていますが、違いますね。
どんな使われ方が予想されるか?
トレード用
まずは、トレード用でしょう。bot が DEX に板を出していますし。
仮想通貨交換所に口座開設できない人が使う可能性は、ありそうです。反社勢力という可能性もありますが、実数としては、未成年者の利用が多いかもしれません。
また、相場が急変した場合、DEX は注文のキャンセルに時間がかかります。仮想通貨交換所とのアビトラを狙う人も出るかもしれません。
対JPYを想定した取引
対MONANA (≒ MONA) では、相場変動のリスクがあります。物販では取り扱いが難しいところがあります。特に相場が下落基調のときは顕著です。
対MPYEN (≒ JPY) で価格設定を行うことで、チケットや物販などを目的としたアセットの販売で分かりやすい価格設定を行えるかもしれません。ただし、DEX を通した MPYEN の価格調整が正しく機能しているときのみに限定されますので、トラストは禁物です。
有り得るリスクは?
まず、稼働している bot が相場操縦を始めるリスクがあります。
そして、MPYEN の価値が認められた後に、発行者が MPYEN を私的流用するリスクがあります。
MPYEN のアドレスに対応する秘密鍵が流出した場合には、発行者以外による私的流用リスクも在るでしょう。
MONANA 同様、監視は可能です。しかし、不正検出できたときは後の祭りです。
まとめ
以上、MPYEN について現時点で分析できることを、想像も交えた見解として纏めました。
モナコインの界隈は、そもそも始祖であるワタナベ氏の素性すら判っておらず、それでも成り立ってきました。フザケているようでいて、中身はゴリゴリのトラストレス勢が育ててきたコインです。見抜けなければ使えない系。
Monapary も、その系譜の上にあります。サービスへの与信をどれくらいにしてよいのか見抜きつつ、何かがあっても笑って済ませる範囲の資金や時間で遊びましょう。