IPFS はモナカードをどう変えるか(占い)
トラストレスな仕組みの先行きなんて、誰も占えないのですが。
現行のモナカードと、IPFS 後に発行されるカードは性質が大きく違うので、IPFS 後のカードデータを本稿では MC2.0 と呼ぶことにします。
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まず、MC2.0 を扱えるようにするアップデートが、モナパーティで行われるでしょう。ここまでは、予測というか予定です。
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その後、謎の組織が、card.mona.jp にあるメタデータと、Monappy や Imgur にある画像データを基に MC2.0 化したものを IPFS 上にアップロードし始めるでしょう。日本をはじめとする諸国が保証する著作権法の公衆配信権の侵害と判定される可能性が濃厚で、この時点では、おそらくギルティです。しかし、謎の組織なので、突き止めようがありません。P2P っていのは、概ね、そういうものです。Winny の頃のような牧歌的な時代からそろそろ 20 年。手口は巧妙化しています。
この時点で、モナカードの作者と異なるアドレスからの MC2.0 に基づく pin を、モナパーティノードは行わなくなるでしょう。違法コンテンツの単純保持はリスクが高すぎます。
しかし、対抗的に、謎の組織は、モナパーティとモナカードの API を用いて、 MC2.0 データの pin を続けるでしょう。card.mona.jp から得られるものと同等の情報も配信するだろうと思います。技術的にできることは、誰かが実行します。それがネットの世界です。
しばらくして、モナカードの発行者は、自ら IPFS を用いて MC2.0 で公開したほうが楽であることに気づくはずです。もしくは、 MC2.0 を用いた公開を支援するサービスが登場する可能性が高いです。IPFS の pin は敷居が高いように思えるかもしれませんが、1GB 程度までなら無料のサービスがあり、これらを使えば公開支援サービスはランニングコスト0円で実現できます。短期間だけ pin できれば、あとはモナパーティが pin してくれるので、1GB を超えそうになったら unpin すればよいです。
さて、ここまでくると、MONA と XMP を持っている誰もが気軽に高い匿名性を保ったまま自由に MC2.0 を発行できます。
これ、民主化ですか? いいえ。結果はカオスです。たぶん。IPFS に pin されたものを全部眺めたならば、目も当てられない惨状となるでしょう。
個人が特定されない世界では、人間の暗黒面がノーリミットで現れます。目を覆うようなエロやグロや肖像権著作権侵害や。ちょっと想像がつかないというか、想像したくない惨状が展開されるでしょう。無職業者BOTの意見は知りませんが、中の人としては、如何なものかとは思います。しかし、悪いのはシステムではなく、我々人類の闇のほうでしょう。心境は複雑です。
ここで、救世主としてキュレータが現れます。現時点でもモナカードでは著作権違反などの基準を基にしたキュレーションが行われているようですが、カオスで無責任で凄惨な世界では、キュレーションの重要性が増します。
おそらく複数のキュレータが現れるでしょう。なんだか大揉めした "あいちトリエンナーレ" の一件だけ見ても、表現の自由に関する一線の引き方は多様です。
…というわけで、MC2.0 の世界が来たとしても、サービスとしてのモナカードに相当する立ち位置は重要、という気がしています。ただし、審査基準を異にする複数の類似サービスが立ち上がる可能性はあります。AskMona と PinkMona みたいなノリで。
これ、検閲ですか? まあ検閲かもしれませんが、カオスを全て受け止められるほど、人類の情報処理能力は高くないでしょう。なかのひとは、高くないです。無職業者BOTはどうなのか、知りませんが。
誰に検閲されたいかを選ぶ自由が保証されるのであれば、それは従前の世界で嫌われた、国家単位での検閲とは異なるものかもしれません。