Compass Mining でビットコインマイニングを始めてみた

この記事は趣味目的です。

Compass Mining というサービスを使って、ビットコインマイニングを始めてみた。もともとビットコインマイニングに興味はあったものの、うるさい、熱いASIC、高い電気料金など、とても個人で始められる代物ではなかった。そこで、安い電力を提供してくれるホスティングサービスを利用した。国内でも法人を対象としたマイニングサービスの紹介はあったものの、詳細はなかった。日本語で書かれた個人向けマイニングの情報は皆無であったため、備忘録も含めて体験談を記す。この記事をきっかけに少しでもビットコインマイニングに興味をもってもらえたら嬉しい。

ビットコインマイニングについて簡単に記す。マイニングとは、ASICと呼ばれる特殊なパソコンと電力を消費することで、一定確率でブロック報酬と取引手数料の報酬を受け取る行為のことを指す。端的に言えば、世界規模で行われているビットコイン宝くじの応募券をASICと電力で買っている。そして、応募券の枚数をハッシュレート(TH)と呼んでいる。そして、このハッシュレートがビットコインネットワークの安全性を担保している。

アウトライン

ASICとホスト施設を吟味する
↓
予想利益を計算する
↓
購入する
↓
₿₿₿!

1. ASICとホスト施設を吟味する

まず、どのような条件か確認する。新品、中古品などがある。Whatsminer M30Sを例に取り上げる。選択すると、ホスティングが可能な施設が提示される。場所、電気代、設置予定日と価格が表示される。ASICの値段はマイニング効率(W/TH)によって決まる。ASICの情報は、luxor mining がまとめている。ホスティング施設によって設置予定日が異なり、価格に反映される。ホスティング施設の地政学的リスク(政治、温度、地震、洪水など)は考慮したほうが良いだろう。以前、ホスティング施設がロシアにあったがどうなったのだろうか。

 

2. 予想利益を計算する

次に、電気消費量とハッシュレートと電気代から予想利益を計算する。この計算は、現在のハッシュレート、ビットコインの価格から計算されているため、目安であることに注意してもらいたい。今回の例では、1年あたり3,825USDマイニングできる計算であるため、約28ヶ月でASICの代金が回収できる計算となる。ROA は43%である。資産価値は目減りするものの、再販することも可能である。

 なお、ASICの価格はビットコインコールオプションと等価であるという論文が出ていた。解説動画をリンクしておく。解説のなかで特に興味深かった点を挙げる。ASICは稼働から毎日SQである電気代を権利行使価格とするコールオプションの総和であること、オプションであるならば、ヘッジする組成が可能であること。オプションの価格を維持するためにマイナーにはボラティリティを維持するインセンティブが存在することが面白かった。解説動画をリンクしておく。

3. 購入する

予想利益に満足したら、購入していく。2022年4月の時点でホスティング契約は3年契約であり、新品のためASIC無償修理期間は1年だった。施設点検や故障によるダウンタイムの保証はない。購入費用の内訳は、ASIC: 8,800.00 USD, 初月ホスティング費用(電気・設備費): 182.98 USD, 翌月分保証金: 182.98 USD, 消費税: 741.10 USDの合計9,907.06 USDだった。支払い方法は、海外送金、クレジットカード、ビットコイン・ステーブルコインから選べた。ビットコインで支払う場合、CoinPayments.netから指定されたアドレスにビットコインを8時間以内に送金することとなる。2ブロック確認が必要なので、余裕をもって送金したほうがよい。海外送金を止められた経験があり、クレジットカードの上限が貧弱な私にとって、ビットコイン払いできるのはありがたかった。手数料もmempoolがスカスカな時期を選べば抑えられる。

4. 稼働までにすること

マイニングプールの選定。マイニングは単独で行える(solo miner)ものの有効なブロックを引き当てる可能性は限りなく低く、雷に打たれる確率のほうが高いぐらいだ。そこで、マイニングプールに加入してマイニングを行っていく。マイニングプールは大きく2種類ある。FPPS(full pay per share)はブロック報酬+手数料を提供したハッシュパワーに応じて定額を分配する。この方法では、ほぼ一定額が支払われ、ブロックが採掘できないリスクはプール側が負担するため、プール手数料が高くなりがちである。一方でPPLNS(pay per last n shares)は、プールが過去Nブロック中採掘した報酬に応じて分配される。PPLNSはブロック採掘変動リスクをマイナー側が負担しているため、プール手数料は安くなりやすい。mining poolの一覧はhttps://miningpoolstats.stream/bitcoinにまとめてある。

電気・サービス代について。毎月ビットコインで支払う場合、保有しているビットコインを送金してしまうとビットコイン相場変動リスクにさらされる。そこで、送金時に同額を取引所などで購入しておけば、相場変動に悩まされずに済む。

税金については、国税庁の「暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について」を参考にしてもらいたい。

今後、需要があれば収益報告も考えている。

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