Podcasting 2.0とライトニングネットワーク
Podcasting 2.0は、Appleなどの中央集権的なプラットフォームからの解放と独立をめざし、より自由でオープンなポッドキャストの経済圏を作ろうとする考えです。
Podcastindex.orgはそのうちのプロジェクトで、言論の自由を守るために立ち上がったオープンソースプロジェクトです。以下はPodcastindex.orgのステートメントです。
Let's preserve podcasting as a platform for free speech
Podcasting 2.0での特筆すべき1つに"podcast:value"があります。これはクリエイターへの支払い方法を表記するための独自規格です。この要素をRSSへ組み込むことで、ポッドキャストを聴くリスナーは直接クリエイターへ支払いやサポートをすることが可能になります。この要素の一例は以下のようになります。
<podcast:value
type="lightning"
method="keysend"
suggested="0.00000005000"
></podcast:value>
ポッドキャストのRSSへ上記の要素を追加することで、リスナーは対応するポッドキャストアプリを使ってクリエイターへビットコインをLN経由で支払うことができます。現在LN支払いに対応しているアプリはBreezウォレットとSphinx.chatぐらいだと思われますが、Podcasting2.0へ対応しているアプリはここから確認できます。
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今回はポッドキャストをホスティングしてBreezウォレットからストリーミング支払いができるか実験してみました。結果としては成功でした。以下に、大まかな流れを記載したので、興味のある方は試してみてください。
- Soundcloudにアカウントを作り音声データをアップロードし、RSSのURLを取得
- Podcastindex.orgに上記のRSSフィードが登録されるのを待つ
- Podcasterwallet.comで上記のRSSとメールアドレスを登録
- Podcasterwallet.comからLNノードのアドレスを設定
- BreezのPodcastから自分のホスト名で検索
自分のRSSに"podcast:value"要素を追加できない場合、Podcastwallet.comを使うことで、その要素を追加することができます。このサービスを使うためには、Podcastindex.orgに自分のRSSが登録されている必要があります。登録されたら、以下の画面のようにRSSフィードのURLと自分のメールアドレスを入力して登録します。
登録が完了すると以下の画面へアクセスできます。ここで自分のLNノードのアドレスを登録しますが、Keysendをサポートしている必要があります。自分が試したところ、c-lightningや古いSphinx.chatのLNノードでは上手くいきませんでした。そのためSphinx.chatで新規アカウントを作成して得たLNノードアドレスを「Add a custom Node」から登録しました。
登録が完了すると以下のような画面になります。"podcast:value"要素がしっかり登録されているのがわかります。ここで登録されたRSSの要素はPodcastindex.orgへ取り込まれるため、"podcast:value"の設定ができないポッドキャストプラットフォームを使っているクリエイターでも簡単に設定ができます。
あとはBreezウォレットのポッドキャストから該当ホストを検索してストリーミングペイメントの設定をするだけ、音楽やポッドキャストを聴きながらストリーミング投げ銭ができるようになります。
Breezウォレットから btc_tomato で検索すると私のアカウントがヒットするのでぜひ聴いてみて下さい!