クリプトコント
僕は地方都市で生まれた。そこには暴力と貧困が当たり前にある。修羅の国とはよく言ったものだ。生まれが人生を決めるのだ。自由?平等?幻想だよそんなものはね。この世に生まれ落ちた瞬間に人生は決まっている。選択の余地はほとんどない。世の中は"一部の人々"のなかで回っている。"非一部の人々"に選ぶ権利はないのだ。修羅の国で育った僕はそのような疑念に囚われていた。
僕は自分で言うのはなんだが勉強も運動もそれなりにできたし人に恵まれたので世間に広く名が知られる大学に「脱出」できた。しかし様々な数字がかつての疑念を確信に変えていた。修羅の国で生まれてハッピーを掴むのは簡単ではない。必要なんだよ。運が。
僕がトークン関連事業を営むことを決めたのは変えられると思ったからだ。この世の中をね。生まれた瞬間に人生が決まるなんておかしい。僕は逃げられたがそれは偶然。ラッキーだったからさ。
僕はこの世の中を変えたいんだ!
そう意気込んでICOでお金を集めたものの失敗しトークンは暴落。電子ゴミになった。投資家のみんなには感謝してる。募金Thanks!いやイケると思ったんだけどさ。イカれたトークン設計なのでね。だめだったテヘヘ。叩かれてもおかしくないよね。でも僕はやっぱり幸運なのさ。"非一部の人々"のために始めた事業だが事業を続けるには"一部の人々"とのつながりが欠かせない。だから僕は"一部の人々"と付き合うようになった。するとどうだ?"一部の人々"は僕を認めてくれているじゃないか。世の中から信頼される"一部の人々"から認められることがどういう意味を持つか。賢明な読者の皆さんなら分かるよね?世の中をハックするってこんなに簡単なんだな。笑いが止まらないよ。
世の中は"一部の人々"のなかで回っているのさ結局はね。