時系列分析で1年後のBTC,ETH,XRP価格を推計する

時系列分析で1年後のBTC,ETH,XRP価格を推計する

本記事は半分遊びです。

計量経済学の知見を用いて、時系列分析でBTC,ETH,XRPの価格を推計していきます。(なお、この分野の専門家ではないため、誤りがあればご指摘いただければ幸いです)

用いたデータは2013年4月以降2020年4月10日までのBTC,ETH,XRPの日時データ(CoinMarketCapから取得)です。

これらのデータを基にして、2021年4月時点の価格を推計します。(なお、この計算自体は2020年4月に行いました。)

<推計手法について>

・計量経済学の中の「時系列分析」という分野の手法を用いて推計します。

・使うモデルは、ベクトル誤差修正モデル (VECM: vector error correction model)です。つまり、基本的には過去の取引高・価格の関係を基にして、未来の価格を推計する手法になります。取引高と価格に長期的均衡が存在すると仮定した分析になります。したがって、用いる変数は、取引高と価格(いずれも対数階差)です。

1.BTC(推計時点の価格:6970ドル)

・予測値 12,480ドル(95%信頼区間:2,958~52,648ドル)

・下が推計結果の図です。(といっても、対数なので分かりにくいです。左側が価格、右側が取引高)

・ほぼどうでも良い話(だし、自分もほとんど理解していない)ですが、推計の流れとしては、当初はVARモデル(ベクトル自己回帰モデル。ARモデルを多変量に拡張したもの)で推計しました。しかし、推計結果を見ると、BTCの取引高は価格の影響を受けるが、価格は取引高の影響を受けていない(グランジャー因果性)が確認されました。インパルス応答関数でも価格ショックが取引高に影響を与えるが、取引高が価格に影響を与えることはない、という結果です。

・そこで、価格と取引高(自然対数)に共和分の関係があるかを調べます。ラグ次数4でトレース検定すると、1つの共和分関係があったので、VECモデルで推定し直しました。上記の予測値はその結果です。ここでも取引高→価格の因果の流れは確認できませんでした。

・なお、これを推計した2020年4月中旬の時点ではBTCは7000ドル程度の価格だったのですが、ご案内の通り、その後価格が上昇しましたので、推計結果も少しリアルっぽく見えてきます。

2.ETH(推計時点の価格:161ドル)

・予測値 729ドル(95%信頼区間:62〜8,540ドル)

・ETHの場合、私の推計手法に問題があるのか、非常に幅が広い推計結果となっています。また、BTCと違って、少なくともVECモデルでは、取引高と価格の因果関係が確認できます。つまり、取引高が増える→価格が上がる、という→方向の因果関係が見られるということです。これはETHが実需として使われるからなのかもしれません。ちなみに、共和分がなかったので、VECで推定したものの、本当はVARモデルで分析した方が適切なのかもしれません。

3.XRP(推計時点の価格:0.19ドル)

・予測値 0.4ドル(95%信頼区間:0.02〜7.43ドル)

・ETH同様、推計結果の幅が大きすぎるので、ほとんど冗談みたいなものですが、0.4ドルは意外とリアルな数字ですね笑。上限の7.4ドルは正直100%ないだろうという感じがします。(0.02ドルの方がまだ可能性があるかな笑)

4.まとめ

<推計結果まとめ>

・BTC 予測値 12,480ドル(95%信頼区間:2,958~52,648ドル)

・ETH 予測値 729ドル(95%信頼区間:62〜8,540ドル)

・XRP 予測値 0.4ドル(95%信頼区間:0.02〜7.43ドル)

(いずれも2021年4月時点の価格推計)

恐らくこの推計は当たるでしょう。なぜなら95%信頼区間の幅がめちゃくちゃ広いからです。

今回は、計量経済学の独学がてら、仮想通貨の価格推計で遊んでみました。(終)

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